こころ

2011年3月 5日

【第12回】子どものメンタル、親のメンタル - プラスの会話に親子でトライ

■失敗を指摘することに終始しない

このコーナー第12回目は、講師のメンタルトレーニング・コンサルタント、大儀見浩介さんに「親子間のポジティブな会話」についてお話をお聞きしていきます。 子どものやる気を伸ばすために、日頃の声かけはとても重要です。前回までにお話しした『誉める』ことを始め、ポジティブな、プラスの会話を心がけてみてください。

大人だって、失敗やできないことをあげつらって指摘されるより、できたことを認めてもらい、誉められた方がうれしいですよね。親子間でも同様に、プラスの声かけをすることで子どものやる気を高め、色々なことに前向きに取り組むようになるのが理想の姿です。

それでは、親子間でのポジティブな会話とは、どのようなものでしょうか? ここでは、試合後の理想的な会話について紹介したいと思います。

<<試合後の理想的な会話>>
  • 親:「今日の試合、どうだった?」
  • 子:「負けちゃった」
  • 親:「あらそう。あなたのプレーはどうだった?」
  • 子:「2点とった」
  • 親:「すごいじゃない。日頃の練習の成果が出たのね」
  • 子:「でも、3点とられて、負けちゃった」
  • 親:「惜しかったね。でも、2点とったのはすごいよ。これからも、練習頑張って」
  • 子:「うん。わかった」


<<試合後の良くない会話>>
  • 親:「今日の試合、出場したの? 勝ったの?」
  • 子:「出たけど、負けた」
  • 親:「なんで負けたの! ダメねぇ。情けない......」
  • 子:「......(うるさいなぁ)」


ここに挙げた良い例と悪い例は、どこに違いがあるでしょうか? 

良い例は、勝ち・負けなどの結果ではなく、子どもがどれだけできたか、プレーの内容にフォーカスしています。一方の悪い例は、結果に意識がいき、勝った・負けたで良い・悪いを判断しています。

サッカーは相手があるスポーツです。良いプレーをしても、チームメイトのミス等で負けることもあります。結果ではなく、内容に目を向けて話をしてあげてください。そこで良い例のように、「練習頑張って」など、明日からの練習にやる気が出るような言葉をかけてあげることができたら最高です。

育成年代では、結果以上に内容も大切になります。勝ち負けについてだけ話をするのではなく、成長するためにはどうすればいいか? という視点を持って声をかけてあげることができたら、すばらしいと思います。

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