サッカー豆知識

2011年8月29日

世界No.1クラブ・FCバルセロナを支えるシャビのすごさ

シャビ・エルナンデス。身長170cm、体重68kg。小柄な背格好は、日本の平均的な成人男性と変わりません。そんな彼こそが、ワールドカップで優勝したスペイン代表、そして今シーズンのチャンピオンズリーグで優勝したバルセロナの司令塔です。

 
シャビを語る上で欠かすことのできないのが、精度の高いボールコントロールと、類まれな戦術眼です。とくにサッカーの基礎である、「ボールを止める、蹴る、運ぶ」は世界でも有数のレベルにあるといえるでしょう。シャビには「状況を正確に把握する眼」と「ボールを自由に操る技術」があるので、大柄な選手に囲まれても慌てることはありません。それどころか、自在にボールを動かし、相手を翻弄します。
 
シャビのすごいところは、それだけの判断力と技術を持ちながら、「チームのためにプレーできる」ことです。エゴイスティックなプレーはほとんどなく、自分勝手なプレーは彼がもっとも嫌うところでもあります。ユースチームの頃、攻撃ばかりをして、守備をほとんどしない『王様プレー』をしていたチームメートと、ケンカになったこともあるそうです。
 
バルセロナにはシャビだけでなくイニエスタやメッシ、ビジャ、ブスケッツなど、すばらしいテクニックを持ち、それをチームのために発揮できる選手がそろっています。だから、流れるようにパスがつながり、ボールを支配しながら攻めることができるのです。
 
バルセロナの哲学は「ボールを失わない」こと。これはヨハン・クライフが築き上げたバルサのスタイルでもあります。それを体現するのがシャビです。
 
彼はすばらしい判断力をそなえているので、周りの状況にあわせてプレーを次々に変えることができます。判断ミスでボールを奪われる場面は、ほとんどありません。2010年の南アフリカW杯では、パス成功率89%という脅威の数字をたたきだしました。
これも正確な判断力と、それを実行する技術力があってこそといえるでしょう。
 
2010-11シーズン、チャンピオンズリーグ決勝の先制点の場面では、ペドロがボールを受けられる態勢になるまで、ドリブルで時間を作り出し、ドンピシャのタイミングでパスを通しました。ボールを操り、ドリブルをして敵を操り、パスをいい態勢で受けられるよう、ペドロを操る。世界広し、といえども、ボールと敵と味方を自在に操ることのできる選手は、そう多くはいません。
 
テレビでバルセロナの試合を見るときは、ぜひシャビに注目してみてください。ボールを持った状態はもちろんのこと、「ボールを受ける前のプレー」にこそ、彼のすごさが凝縮されています。周りの状況を見て、相手がいないスペースへ顔を出し、フリーでボールを受けます。このプレーは、ジュニアの子供たちの参考になるはずです。親子で一緒に試合を見るときなどは、ぜひ、ボールを受ける前の動きに目を凝らしてみてください。

 

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