1. サカイク
  2. コラム
  3. インタビュー
  4. なでしこ永里優季、熊谷紗希が語る! 世界一になる『チャレンジ力』【前編】

インタビュー

なでしこ永里優季、熊谷紗希が語る! 世界一になる『チャレンジ力』【前編】

公開:2012年6月 5日 更新:2023年6月30日

キーワード:なでしこイベント

DSC00297.JPG

6月3日(日)、横浜・総合学園ヒューマンアカデミーにてサカイク主催のトークイベントを開催しました。当日は小学生の親子やジュニア指導者、高校女子サッカー選手まで多くの方が参加されました。参加者から事前にいだだいた「ゴールをたくさん決めるには?」「海外クラブ入れる選手になるは?」などの質問に対して、永里選手と熊谷選手がこれまでの経験をもとに様々な回答をしてくれました。このトークイベントの模様を2回にわたってお伝えします。
 
●出演:
・永里優季(ポツダム)※写真左
・熊谷紗希(フランクフルト)※写真右
・大儀見浩介(司会/メンタルトレーニング・コンサルタント)※写真中央
 
 

Q1-僕はサッカーが大好きで、3才から始めました。お二人は何歳から始めましたか? (小学生・男子)  

永里:兄がサッカーをやっていて、その影響を受けて小学校1年生からチームに入って始めました。物心ついたときからボールをけっていたと思います。
 
熊谷:兄の試合に両親が行って必然的に付いて行く環境だったので…。その影響からか、8歳(小3)から本格的に始めることになりました。
 
 

Q2-ゴールをたくさん決めるには、どうしたらいいですか? (小学生・男子) 

永里:ゴールを決めるというのはそんなに簡単なことではなくて、日々のトレーニングの積み重ねによって生まれるものだと思います。毎日練習して積み重ねていくことが大事ですね。どんな練習でも自分が得意なことをモノにすることが大切です。私の場合はシュートが得意だったので、シュート練習を毎日繰り返して行うことで得点力が磨かれていく部分もあると思います。
 
熊谷:私はディフェンダーの選手ですが、セットプレーでは常に攻撃参加しますし、ゴールも狙っています。最近では、もし自分がゴールを決めたら何をやろうかということを考えています。ゴール後のパフォーマンスまでイメージできていたら、ゴールに近づけるような気がして…。
 
永里:その成果は出ましたか?
 
熊谷:それがなんと、ブンデスリーガ最終節でゴールを決めました!!!(場内大拍手!)
 
DSC00260.JPG
 
大儀見:最終節の2~3試合前から、かなりゴールに対して貪欲だったと聞いていますが?
 
永里:その頃から試合に出場できない時もあったので、結果を残すしかないと考えていました。なので、試合では「ゴールを取りに行こう」という気持ちとともに、ちゃっかりゴールパフォーマンスも考えながら(笑)結果的に最終戦でゴールを決めることができて本当に良かったと思います。
 
大儀見:この質問をくれた選手は、ひょっとしたら今ゴールを決めることが出来ずに悩んでいるのかも知れません。そんな時、お二人はどのように考えるのですか?
 
永里:私の場合、あえてゴールへの意識というのを持たないようにしています。ゴールという瞬間から一旦離れて、ゴールに結びつくまでのプロセスに立ち返り、そこをどう改善していくかを考えます。
 
熊谷:私自身は練習をするに尽きると思っているので、繰り返し練習をやり続けると思います。
 
大儀見:やはりプロセスを振り返ってみたり、練習を重ねながら最終的にゴールをイメージするということが大切なのですね。参加している選手の皆さんも頭の中でゴールシーンをたくさん作っておく事は、いざ試合の時にゴールを決める可能性が高まるかもしれません。
 
DSC00150.JPG
 
 

Q3-娘と2人で楽しくできるお薦めの練習はありますか?ストライカーを育ててみようかと思います (会社員・男性)

大儀見:こちらはお父様からの質問ですね。まず、お二人のお父様は普段サッカーに関してどのように関わっていましたか?
 
永里:私の父は、とても厳しかったので楽しく練習という質問となると…困りましたね(笑)例えば自分がやってきたことのプロセスに対して褒めてあげる。そういう言葉かけをしてもらえたら嬉しかったと思います。私は褒められたことが無かったので、褒めてあげるのが一番ですね。
 
熊谷:私の父はバトミントンをやっていましたが、小学校のころは一緒に練習もしてくれました。しかし、試合になると永里選手と同様に父から激しく言われました。ただ、私の場合は言われることがとても悔しかったので、だったら言われないようにやってやろうという考えでサッカーに取り組んできました。私もほとんど褒められたことがないですね。
 
大儀見:恐らくお父様からみたお子さんに対して、それぞれの個性を見た上で考えは変わるかと思います。私としてはプロセスを探らせるような声掛けを重視しますね。何故うまくいかなかったのか、どうしたらいいのかといったことを話すと思います。例えば、イチロー選手のお父さんは練習が終わった後にイチロー選手と毎回バッティングセンターに行っていたそうです。その時イチロー選手はお父さんから身体の使い方やバッティングフォームなど、何も教わったことが無くイチロー選手に対して「どうすればもっと野球が好きになるか」ということだけを伝えていたそうです。もっともっと野球を好きにさせてあげようという話がありました。
 
DSC00214.JPGのサムネイル画像
 
ではここで改めて「ストライカーを育ててみたい」というコメントに対して、このストライカーは嫌だった、すごい選手だったということを熊谷選手から、永里選手からはストライカーとして必要なもの、自分自身がストライカーとしてどうお考えかを聞いてみましょう。
 
熊谷:私はセンターバックというポジションで、ワールドカップをはじめ様々な国の選手と戦ってきました。それぞれの国によってタイプが違うというのもありますが、恐らく皆さんもご存じのワンバック選手というのは常にゴールを狙っている。ワールドカップ決勝戦での2点目もそうですし、チームが劣勢になっていても彼女だけは前から後ろの選手に声をかけたり、いつでもゴールを狙ってきます。タイプ的にはそれほど苦手ではないのですが、気持ちの部分が強く、様々な経験も持ち合わせているので、ワンバック選手は本当のストライカーだと感じます。
 
永里:私自身が感じるエースストライカーというのは、常にゴールを決めるための準備を怠らない選手。1分1秒、一瞬でもゴールに対する準備を怠らないこと。あとはゴールを決めてやるという強い執念を持っているか、拮抗しているゲームの中でゴールを決めることができるか、そこが大事だと思います。
 
 

Q4-親のサポートでありがたかったこと、やめてほしかったことを教えてください (会社員・女性)

熊谷:サッカーをやらせてもらえているという感謝の気持ちがあったので、やめてほしいということは無かった。ありがたかった事は中学時代、電車で片道1時間半かけてクラブチームに通っていた時、母親がおにぎり2つとオレンジジュースひとつを持たせて毎回駅まで送り迎えしてくれた事です。あと、帰りがどんなに遅くなっても絶対に夜ご飯を作って待ってくれていました。それを10年間毎日続けてくれたことが嬉しかったです。
 
永里:私も今考えてみると、やめてほしかったというのはそれほどないですね。当時は嫌な事であっても、サッカーを続けていられるのも両親のおかげだと思います。両親は共働きであっても毎日食事を作ってくれました。それは今でも本当に感謝しています。
 
DSC00121.JPG
 
 

Q5-技術を磨くために、日頃からどんな努力をしていますか? (小学生・女子)

熊谷:小学生の頃に所属していたチームがリフティングに力を入れていた事もあり、小学校から帰るとすぐボールを持ってグラウンドに行ってはリフティングをやっていました。回数で表彰されたりしていたので真剣に取り組みましたね。その努力が間違いなく今につながっていると思います。
 
大儀見:ちなみに熊谷選手は小学校の頃、リフティングは何回くらいできましたか?
 
熊谷:小学校3年生で始めて、チームで表彰される基準が100回でしたが私は250回できました。
 
大儀見:永里選手はどのような練習をされていましたか?
 
永里:私も熊谷選手と一緒で、小学生の時はリフティングをやらされていました(笑)毎回ノルマがあってその回数を達成しないと家に入れてもらえませんでした。1回だけ達成できなくて本当に家に入れない時もありました。でも、毎日リフティングを継続することで基本的な技術の大切さを、今になって痛感しています。サッカーの基本的技術と言えば「止める」「蹴る」ですが、それをひたすら意識して練習した記憶があります。2人1組でやる練習も好きでした。自分の思ったところにボールを「蹴る」「止める」ができると嬉しかったですね。そういう基本的な技術があって、初めて応用につながると考えているので私は基本的な練習を大事にしていました。
 
大儀見:お二人とも基本練習は小学生の頃からしっかりやっていたということですね。ちなみに今朝も7時に起きて朝練を済ませて来たようです。今日はどのような練習メニューでしたか?
 
熊谷:まず最初に体幹トレーニング(筋トレ)から始めて、2kmをウォームアップで走り込んだ後、ラダートレーニングとミニハードル、メディシンボールを使ったトレーニングをやりました。そして二人でボールを使ったリフティング・パス交換・ヘディングなどもやってきました。時間にしたら2時間ほどですね。
 
大儀見:このトレーニングはどのくらいのペースで行っているのですか?
 
永里:日本に帰国してから毎日行っています。
 
熊谷:そうですね、毎日です。
 
DSC00158.JPGのサムネイル画像

 

Q6-どうすれば、海外のクラブに入れる選手になれますか。 (小学生・男子)

永里:私が海外でプレーしたいと思ったのは中学1年生でした。当時は澤選手がアメリカでプレーしていて、澤選手を目標にしていました。どうすれば達成できるかという問いに対しては、続けること、やめないこと。かつ、続けながら楽しむこと。これに尽きます。実際、私も夢を諦めずに続けてきたから今の自分があるのだと思います。
 
熊谷:私が海外を意識したのは高校生の時、なでしこに選ばれて代表選手として海外の国と戦うようになってからですね。そこで改めて世界は広いと感じて、色々な国のサッカーを経験したいと思いました。どうすればいいかというと、何よりも強く「海外に行きたい」と思うこと。何をしてでも行きたいと思うこと。その強い気持ちが達成につながっていくのだと思います。
 
この記事の後編を読む>>
 
 
【この記事を読んだ人にはこちらもオススメ!】
1

サカイク公式LINE
\\友だち募集中//

子どもを伸ばす親の心得を配信中!
大事な情報を見逃さずにチェック!

友だち追加
サッカー少年の子育てに役立つ最新記事が届く!サカイクメルマガ
取材・文・写真/サカイク編集部

募集中サカイクイベント

サカイクイベント一覧

関連記事

関連記事一覧へ

インタビューコンテンツ一覧へ(307件)

コメント

  1. サカイク
  2. コラム
  3. インタビュー
  4. なでしこ永里優季、熊谷紗希が語る! 世界一になる『チャレンジ力』【前編】