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寒い冬のお弁当問題を解決! おいしく食べて午後も元気なサッカーのエネルギー源にする方法

公開:2025年2月 6日 更新:2025年2月20日

キーワード:FC東京おにぎりお弁当スープジャー久保田尚子試合の日

1年で最も寒い日が続く時季、子どもが試合やトレーニングに行く土日に悩ましいことの1つにお弁当づくりが挙げられるのではないでしょうか。

冷たくなったおにぎりやお弁当をなかなか食べてくれないと困っている保護者のみなさんへ向け、管理栄養士としてサッカーの現場で長年活躍している久保田尚子さんから教えていただきました。
(取材・文:小林博子)

 

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(写真はお弁当のイメージ)

 

■冬のお弁当は「体を温める」を意識 

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(写真はお弁当のイメージ)

 

「冷たくて食べる気がしない」「かえって体が冷えるのでは」など、この時季ならではの悩みが生じる冬のお弁当。

寒空の下でサッカーをする子どもたちが午後も元気に走れるよう、できるかぎり栄養になるものを食べさせてあげたいと思うのが親心ですよね。

お弁当でできる寒さ対策。体を温めるコツは3つあるそうです。

  • "体を温める食材"を活用
  • 冷えてもおいしい味付けに
  • 食べやすい調理法を
  • スープジャーはもはや必需品!

 

■"体を温める食材"を活用

冬のお弁当メニューには体を温める食材を積極的に使いたいところです。まっさきに思い浮かぶのは生姜や辛いものかもしれませんが、苦手な子どもも多く不向きかもしれません。

小学生におすすめなのは、

  • 未精製のもの
  • 発酵食品

の2つを使うことです。

 

未精製のもの、とは
一般的に体を冷やすとされる精製された白砂糖よりも、未精製の黒砂糖や三温糖を、米は白米よりも胚芽米を使うなど、体を冷やさない食材を積極的に使うとよいでしょう。

酵素が多く含まれ、腸活にも良いとされる発酵食品も体を温めると言われている食材です。調味料であれば味噌や塩麹がおすすめ。チーズも手軽に食べられるので、お弁当におすすめの発酵食品です。

 

■冷えてもおいしい調理法に

食べるころには冷たくなってしまう冬のお弁当は、冷えてもおいしく食べられるかどうかを意識しましょう。

 

●脂に注意
冷えると固まってしまう動物性の油脂は冬のお弁当には不向きです。例えばバターを使った料理は、冷たくなるとバターが固まり食感が悪くなります。また、肉類も脂分が白く固まり、見た目からも食欲がわかなくなってしまう懸念が...。さらに、脂っこいおかずは午後のパフォーマンスも低下させてしまうため、特に冬は避けたほうがベターです。

 

●味付けはしっかりと
料理は温度が低いと味を感じにくくなるため、普段よりやや濃い味付けにするとおいしく食べることができます。また、焼き冷まし感が出ずしっとりとした仕上がりになる調理法にするのもおすすめ。その2点を満たす、焼き浸しや味噌漬けなどはいかがでしょうか。

 

●おにぎりは固くならないひと手間を
おにぎりは、冷たく固くなったり、ボソボソとした食感になったりと、寒い日には子どもが嫌がるという意見が多いものですが、実はつくり方で改善できるのです。

 

冷たくなってもおいしいおにぎりのポイント

  1. 炊く前の吸水時間をしっかりとる
  2. 水蒸気の蒸発を最低限におさえる
  3. ホイルで包む

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まずは炊く前の吸水時間から。時間は短縮せずしっかり取り、お米に水分をたっぷり吸わせましょう。炊き立てのご飯では違いはあまり感じないかもしれませんが、冷えたご飯では差が生じます。

ご飯は炊き上がった直後から水蒸気を蒸発させ、徐々に保有する水分量が少なく、固くなっていきます。そこで「おひつ」の中では冷えたご飯が時間が経ってもおいしいことと同じ原理をおにぎりで再現しましょう。適度に水分をキープしつつ、余分な水分をのがすことがポイントです。

炊けたご飯はすぐにほぐし、おにぎりにするとき、ご飯にほんの少しの油(アマニ油や米油がおすすめ)か、はちみつを混ぜて握ります。おにぎり1つ(ご飯100~120g)に対して小さじ1/4~1/2ほどの、ほんの少しでOKです。そうすることで米粒1つ1つを油分がコーティングし、水分の蒸発を抑えてくれます。

握ったおにぎりは常温に冷ましてから、ラップではなくホイルに包みます。寒冷な冬の野外に置いてあるおにぎりは、ラップで密封すると蒸れてべちゃっとなりがちだからです。ホイルで隙間をつくりながらフワッと包めば適度に水分をのがしてくれます。

この3つでおにぎりの味わいに差がでますので、ぜひ挑戦してみてください。

  

■スープジャーはもはや必需品

今や、寒い日のお弁当のマストアイテムと言っても過言ではないスープジャー。

あたかいものを口にできるだけで体の温まり具合は格段に上がります。具沢山の味噌汁や豚汁をつければもうそれだけでおかずも兼ねることができますし、おにぎりなど主食を食べられない場合は、スープにうどんやパスタを入れて炭水化物を補給できる工夫をしてみても。

ただし最近のスープジャーは保温性が上がっているので、やけどには十分注意して飲むようにお子さんにお伝えください。

とは言え、飲み頃に冷めているものを入れるのは避けて下さい。(後編で詳細をお伝えします)

 

■朝食で体をあたためて1日をスタートすることも大切

ここまで冬場のお弁当づくりのさまざまなコツをご紹介しましたが、寒い日こそ、朝起きて1日を始める段階から体を温めておくことがとても大切です。

朝は誰でも体温が低い状態。その体温で体が冷えたまま出かけてしまうと、寒さをより一層感じやすいコンディションで1日を過ごすことになってしまいます。

外で食べるお弁当よりも、子どもが安心して心地よく食べられる朝食から「温め」を意識。味噌汁やスープなどあたたかいメニューで体温をぐっと上げて体の中からの"ウォーミングアップ"をして、元気にサッカー会場に向かいましょう。

 

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久保田尚子
管理栄養士
1997年からFC東京。(1998年までは前身の「東京ガスフットボールクラブ」)にて管理栄養士としてトップチームの選手の栄養指導を行う。現在はFC東京トップチームから育成セクション(U-18、U-15)までの栄養アドバイザーとして栄養面からサポートしている。

 

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取材・文:小林博子

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