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健康と食育

2018年11月22日

勉強もサッカーも伸びる「良質な睡眠」のとり方 正しい入浴と睡眠の知識②

キーワード:コンディショントレーニング休養入浴小学生疲労回復睡眠

前回は、入浴の大切さをお伝えしました。アスリートもスキンケアが大切なことは、目からうろこでしたね。肌の状態を保つことで、病気を防ぐ効果もあるので、親子一緒に肌対策をしましょう。

入浴に引き続き、リカバリーで大切なのは、睡眠です。良質な睡眠のための入浴方法について、後編では入浴で体温を上げることがどうして良い睡眠に結び付くのかなどを引き続き「お風呂博士」こと(株)バスクリンの石川泰弘さんに教えていただきました。

(取材・文:前田陽子)

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良質な睡眠を取るには、枕の幅も重要(写真は過去のサカイクキャンプです)

<<前編:毎日のお風呂が身体を強くする!? パフォーマンスが上がる「正しい入浴と睡眠」の知識①

■お風呂で体温を上げることが、なぜ良い眠りにつながるのか

入浴が疲労回復に効果的だということは前編でもお伝えしましたが、どうしてお風呂に入って体温を上げることが身体に良いか、ご存知ですか。

お風呂に入って体温を上げることで、下記のような効果があるのです。

1.消化酵素やエネルギーを作る酵素活性がよくなる
2.体内に侵入した細菌を捕まえて消化するマクロファージなどの免疫細胞が活発になる
3.傷んだ細胞を修復する働きを持つタンパク質ヒートショックプロテイン(HSP)が増加する

ヒートショックプロテイン(HSP)の増加には個人差がありますが、じつは温熱負荷と筋力トレーニングは効率的な組み合わせなのです。たとえばケガをすると筋肉が萎縮してしまいますが、冷却し続けなければならない期間を過ぎたら、温めることで萎縮スピードを遅らせることができ、復帰後元の筋肉に戻すのが早まるのだそうです。

また、トレーニングの前に身体を温めると、筋肉の肥大スピードがアップするので、トレーニング効果が出やすいのだとか。アスリートの中にはトレーニング前に入浴で身体を温める選手もいるそうです。

そして、お風呂で体温を上げるいちばんの効果は、入浴後に身体の深部体温がグッと下がるのを助けるからです。これこそがお風呂が良質な睡眠に快適な理由です。

■入浴で体温を上げて、眠気を誘う

人はリズムの中で生きています。眠気のリズムと体温のリズムは同じ。人は夜になると体温がさがり入眠します。良い睡眠に入るためには体の深部体温をスムーズに下げることが大事なのですが、お風呂に入ることで体温は上がります。しかし血管は拡張しているので返って熱放散してスムーズに体温が下がります。しかも、シャワーだけよりも入浴のほうが深部体温の下がり幅が大きいと実験でも立証されているのだそう。

そして、睡眠には深さがあり、深く眠ることをノンレム睡眠、眠りが浅いことをレム睡眠と呼びます。1晩の睡眠の中でそれが繰り返されているワケですが、最初のノンレム睡眠が肉体疲労の回復に大切な時間帯なのだそうです。成長ホルモンや女性ホルモンが分泌されるのもこの時間帯です。

最近の研究では睡眠の後半に来るレム睡眠で「記憶が定着する」ことなどがわかったそうです。眠っている前半で身体の疲労を、後半で脳の疲労を回復してくれるので、サイクルをきちんと回すだけの時間が必要なわけです。

アメリカのスタンフォード大学で、バスケットボール部の選手に、5~7週間にわたり「最低10時間は寝るように」という睡眠の実験をしたところ、ダッシュのスピードをはじめ、フリースローや3ポイントシュートの成功率が上がっただけでなく、練習中、試合中の「やる気」までアップしたという結果もあるのです。

きちんと睡眠をとることがパフォーマンス向上に影響することがお分かりいただけましたでしょうか。休息もトレーニングの一環なのです。

深部体温が下がるまで約90分程度かかるので、寝る時間の1~1時間30分前の入浴がお勧めです。入浴後は出来る限りスマートフォンやゲームはせず、気持ちをゆったりと過ごしましょう。

小学生ではまだ少ないかもしれませんが、他人の過ごし方が気になったり(自分より充実しているかなど)、メールやSNSの返信をしないと、と気持ちに焦りが出ることはスムーズな入眠の妨げになりますので、大人も緊急の連絡でない限りはお風呂上りはゆったりした気持ちでくつろぎましょう。

■良質な睡眠のための環境

まず寝室を眠りやすい環境に整えます。部屋の明かりは白熱灯ではなく、暖色系のライトの方が眠りやすいです。そして室温は夏は26℃、冬は17℃程度にします。布団に入るのだからと部屋の温度をないがしろにしてはいけません。乾燥しすぎもNGです。

また、外の明かりと音を軽減するように、窓には厚手のカーテンをかけます。寝具で大事なのは敷布団です。敷布団からの放熱の方が掛布団より大きいのでスムーズに体温が下がり入眠出来ます。放熱が大事なので、夏など床にそのまま寝てしまうのは良くありません。

冬場は保温性を高めるために敷布団を増やすと良いでしょう。また、枕は横幅の広いものがあればそれを使いましょう。枕が小さいと寝返りをしたときに頭が落ちて、敏感な子だと一瞬目を覚ましてしまうことがあります。そうするとトータルで長時間眠ることができません。幅の広い枕がなければ、今使用している枕の左右にバスタオルを重ねて高さを合わせるなど、ご家庭にあるもので調整していただければOKです。

良質な睡眠のためにするべきこと
・生活リズムを作る (起床時間を揃える、朝食は必ずとるなど)
・環境を整える (幅の広い枕を用意し、寝がえりをしやすく。ライトは暖色系、室温を整え、リラックスできる環境に)
・寝る1時間~1時間30分前に入浴を済ませる (スムーズに体温を下げるため)
・夜遅くスマホやゲームはしない (精神的負荷をかけない。ブルーライトが悪影響を与える)
・寝る前に水分を取る (睡眠中も汗をかき、血液の循環が悪くなる)

続いては、睡眠不足によるケガや痛みのリスク増、週末に多めに眠ることによる弊害についてお伝えします。なんと、国内にいながら「時差ボケ」になるのだとか。その真相は?

次ページ:海外に行ってないのに時差ボケ?

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取材・文:前田陽子

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