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あなたの街のサッカーパパを直撃取材!

中学の部活動ではなく街クラブを選んだ長男と、サッカーから離れてしまった次男を持つお父さんの話

2016年6月 3日

キーワード:やる気アルゼンチン子育て成長父親環境街クラブ

子どもは一人ひとり違います。個性があって、向き不向きがあって、それぞれにすばらしさを持っています。兄弟姉妹であってもそれは同じ。"違い"を受け止め、それぞれに望む道を歩ませてあげたいものですよね。
 
サッカーにまつわる100通りのストーリーを紹介するこの連載。今回登場いただくのはふたりの男の子のお父さんです。この春から中学生になった長男とサッカーから離れた次男。ふたりと触れ合いながら自身も学んでいくお父さんの物語です。(取材・文 大塚一樹)
 
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※この写真はイメージです。今回取材したさん濱谷さんとは一切関連ありません。
 

■部活動ではなく強豪街クラブを選んだ長男

「おれは絶対やり遂げる」
 
言い出したら頑固なのは知っていたが、ここまできっぱりやる気を表明されると、親としては応援するしかない。濱谷大輔さんは、小学6年生の息子の決意表明をこんな思いで聞いていた。
 
きっかけは知人に聞いたあるチームのことだった。中学進学を控えた長男は、はじめは地域のJリーグ下部組織のセレクションを受けたいと言っていた。小学校の同級生には、Jリーグ下部組織のジュニアでプレーする子がいて、「自分にもできるかもしれない」といううっすらとした自信はあったようだ。親としては高望みだと思ったが、目標を持つのは悪いことではない。
 
サッカーの進路を選択する時期が来たとき、現実路線として中学校の部活や地域のクラブチームを検討し始めた。
 
「候補に挙がった地域のクラブに見学に行くか? って聞いたんですけど、『行かない』って言うんですよ。さすがにJクラブは難しいと思ったのかもしれませんが、この時点でどのクラブに行くかは白紙でした」
 
そんなとき、濱谷さんは知人からあるクラブのことを聞く。セレクションのあるクラブだが、外国人指導者が特徴的な指導を行っていて、中学2年生になるとアルゼンチン合宿に行くのが恒例行事になっているという。そのクラブこそ、アルゼンチン代表としてプレーしたホルヘ・アルベルト・オルテガ率いる『エスペランサ・スポーツクラブ』だった。
 
「親としてこのクラブに行ってほしいとか、そういう押しつけをするつもりはまったくありませんでした。なんとなくエスペランサのことを話したら興味を持ったようで」
 

■子どものアンテナに引っかかりそうな情報を雑談のなかに含める

なにを隠そう、濱谷さんの前職はサカイクの編集者。子ども自身が考えることの大切さ、声がけの重要性は人一倍理解していた。
 
「進路に関しては『こうしたほうがいい』『こうしなさい』とは決して言わず、選択肢として子どものアンテナに引っかかりそうな情報を、雑談しながら入れるようにしていました」
 
エスペランサに通うには家からの距離が少し離れていること、それに伴い、電車とバスをつかった移動の時間、そして交通費の問題があることなどいくつかのハードルがあった。奥さんは移動時間にかなりの時間を割かれ、帰宅時間が遅くなることを心配した。「部活動でも十分」という思いもあったようだ。
 
そこで、冒頭の決意表明となるわけだ。
 
「言いだしたら聞かないんですよ。3年間絶対やり遂げるって言うんです。塾には行かずに公立高校に行くとか、サッカー以外のこともすべてしっかりやり切るという約束もしたうえで、入団することになりました」
 
2回に分けて行われたセレクションでは、濱谷さんとしてはそれほど手応えがなかったものの無事に合格。長男の新たな環境でのサッカーライフが始まった。
 

■子どもの気持ちに寄り添い見守る

濱谷さんにはもう一人息子がいる。5年生になる次男は、幼稚園の年長から始めていたサッカーを2年生の終わりにやめてしまったという。親としてサッカーをつづけてほしいという気持ちがあるかと聞くと、少しの沈黙のあと濱谷さんはこんなふうに答えてくれた。
 
「自分もサッカーをやっていたので、一緒にボールを蹴りたいという気持ちはありますよ。でも、それを押しつけたら、親が決めてしまうことになってしまいますからね」
 
次男は、結局そのままサッカーから離れてしまった。いまでも人並みにサッカー情報を仕入れていて、選手の名前もよく知っている。濱谷さんからすれば、「サッカーが好きなら遊びでもいいからつづけてほしい」と思わなくもないが、強要するつもりもないし、長男と比べるつもりもないと言う。
 
「自然にまた気持ちがサッカーに向かってくれたらうれしいですけど、頭ごなしにああしろ、こうしろって言っても反発するだけですから」
 
現在はスポーツよりもゲームに夢中という次男。サッカーのあとに始めた週1回のテニスはつづいており、最近ではルールも覚えて試合に出たいと思うようになってきたという。濱谷さんは、本当にやりたいことが見つかるまでは辛抱強く見守るつもりだと笑う。
 
「野球をやりたいとか言う日もあるし、ゲームプログラマーになりたいって言う日もある(笑)。そのうちサッカーやりたいって、ひょっこりグラウンドに行くかもしれませんね。いまは見守るしかないかな」
 
次男を見ていて思い出したのは、サカイク編集者時代に学んだ「見守ることの大切さ」だった。
 
 
次ページ:父親にできることは、選択肢を与えること
 

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取材・文 大塚一樹

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