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あなたの街のサッカーママを直撃取材!

「"走れ、走れ"って叫んでごめんなさい」自分がサッカーをはじめてプレーすることの難しさに気づいたお母さんの話

公開:2016年7月 8日 更新:2021年1月27日

キーワード:お母さんコーチング初心者母親

サッカーボールを中心とする子どもと大人の物語を紹介する連載『あなたの街のサッカーパパを直撃取材!』。しかし、サッカーに関わる大人は、パパだけじゃない!
 
今回登場いただくのは、自身もママさんチームでGKを務めているというサッカー歴9年の坂本ひとみさん。小4から中1までサッカーをやっていた娘、現在5年生の息子を「家族であり、サッカー仲間」だと言う坂本さんに、サッカーとの関わり、サッカーを始めて変わったことを語ってもらいました。(取材・文 大塚一樹)
 
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■やってみてわかった。娘よ大声で「走れ!」って言ってごめん

「娘に走れ! 走れ! と大声で叫んでいた張本人でしたからねぇ」
 
今回の主人公、坂本ひとみさんが笑いながら振り返るのは自身がサッカーを始めた9年前のこと。サッカーをしていた娘さんからの勧めもあり、自身もサッカーをプレーしてみることを決意。初めての活動がいきなり大会だった。
 
「ママさんのフットサル大会だったんですけど、経験者ばかりの中にポッと私だけが入って」
 
学生時代はバレーボール、独身時代は、スポーツインストラクターとして、ゴルフのツアートーナメントに帯同したこともあった。体を動かすことには自信があったのだが、サッカーは勝手が違った。
 
「まず体力がないことを痛感しました。ルールもあまりよくわかっていない状況で、とにかくゴールにボールを入れればいいのね? と走っていましたが、少し動いただけでゼェゼェハァハァ(笑)。娘に謝らなきゃいけないなと思いましたよ」
 
小4からサッカーを始めた娘には、熱心に声援を送っていた。自分が運動をやっていたこともあり「もっとできる!」「もっとがんばれ!」という思いを反映させた声がけが多かった。
 
「やってみると、自分もできない。娘にはいつも『もっと走れ!』って言っていたんですけど、『ごめんなさい。走ってわかりました』ですよね」
 
大人なって本格的な運動から遠ざかっていたとはいえ、サッカーの「走る」は運動強度だけではない難しさがあることにすぐに気がついた。闇雲に走ればいいとわけでもない。やりたいことと自分の動きがチグハグで、思うように動けないフラストレーションもあった。坂本さんは、汗だくになりながらボールと周囲の動きを見ながらタイミング良く走らなければいけないことに気がついた。
 
そこから、自分もサッカーをちゃんとやってみようという思いが強くなった。
 
「大人はどうしても頭が先。ボールを蹴るのはキック力でなんとかなりましたが、ボールタッチやさばき方、体重移動など、考えてから動いていたのではダメ。できないことが悔しくて、娘に聞きながら頑張りました」
 
もともと仲が良かったという娘とは、サッカーという共通の話題ができたことで、さらに会話の頻度が増え、内容も深まった。
 
「娘に教えてもらいながらです。サッカーを始めたのも、いまやっているのも娘のクラブのママさんチームなんです」
 
年齢やカテゴリは違えど、娘はチームメイト。中1までサッカーを続けた娘は、別の競技をやっているが、サッカーの話で盛り上がるのは変わらない。いまは小学5年生になった息子がチームメイトだ。
 

■サッカー中心の一家に。息子もサッカーをはじめる

「せっかくサッカーを始めたんだから、どこか応援しよう」
 
そんな気持ちからJリーグの試合を見るようになった。元々サッカー好きだった夫も巻き込んで、家族全員でサッカーを観るようになった。
 
「元を辿れば、西が丘で行われた大学選手権に行って、娘が長友佑都選手(当時は明治大学に在学)に握手してもらったこと。それから長友選手経由でFC東京のサポーターになりました」
 
家族で試合を観れば、勝った、負けただけではなく、いまのプレーがどうだったかなどを話し合う。“やる”から入ったサッカーは“観る”スポーツとしても坂本家の真ん中になった。いまでは家族全員でスタジアムに通うこともある立派なサポーターだ。
 
そんな環境で育った長男は、ごくごく自然にサッカーに触れるようになる。
 
「保育園の頃から私のサッカーの練習についてきていました。サッカーをやれば? とかやった方がいいよなんて言ったことないんです。でも、環境もあったのか、自分から『サッカーやりたい』と言い出しましたね」
強制はしたくないと思っていたが、ママとしては待ちに待った嬉しい言葉。晴れて、息子も坂本さんの“サッカー仲間”になった。
 
同じ頃、プレーを続けていた坂本さんのサッカーに少しの変化が訪れていた。サッカーの中でも練習やプレー技術の情報の少ないGKをやることになったのだ。
 
「普段はローテーションでGKをやるんですけど、なぜかコーチから指名されることが多くなって。自分でも合っているかなと思うので、ここ数年はGKをやっています」
 
ボール扱いの技術を向上するために、ママさん対象のスクールに通ったりもしたと言う坂本さんは、もちろんGKについても情報収集を欠かさない。
 
「子どものGKのスクールがあれば、どんな練習をしているのかとか覗いていますし、Jリーグの試合も見方が変わりました」
 
スタンドでも、テレビでも注目するのはGKの動き。
 
「コーチングや守備の修正などが勉強になります」
 
正GKに抜擢された理由のひとつが、「良く通る大きな声」だったと言う坂本さんは、GKを目で追いながら、「勉強」していると言う。
 
そんなママの姿を見ていた息子が、「GKをやりたい」と言い出した。決して人気ポジションとは言えないGK、ましてや現時点では、息子の体は小さい方。理由を聞いてみると、「お母さん(※呼び名は坂本さんに要確認)がGK楽しそうにやっているから」
 
それから、息子とはGKの動きや、フィールドプレーヤーの立場でGKにされたら嫌なことなどを話し合うようになった。
 
「同じ目線で、共通の話題ができて嬉しかったですね。GKの練習方法とかサカイクさんでももっと取り上げて欲しいです(笑)」
 
 
次ページ:「仲間」と思えば、物事の捉え方も声がけも変わる
 

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取材・文 大塚一樹

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