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宮城のサッカークラブが子どもたちにできることとは?震災後の各クラブの様々な取り組み、未来に向けた夢について、後編をお届けします。
↑宮城県では多くのサッカースクールが行われ、被災地の子どもが招待された。招待疲れなど子どもや家族へのケアも今後は必要となる。
■子どもたちを支える親への心配りをする塩釜FC
小幡忠義塩釜FC理事長・宮城県サッカー協会会長・東北サッカー協会会長は震災直後から自宅の喫茶店を私設避難所とし、震災の翌日から行われる予定だったチビリンピック東北大会用に用意していた水や食糧を提供したり、物資集積を行ったりと地域の復興に尽力してきました。盛岡商業高等学校の齋藤重信総監督から「ピンポイントに困っているところにお金を集める仕組みを作って欲しい」という依頼を受け、「東北サッカー未来募金」を設立し、11月末までで6,000万円を越える金額を集めたそうです。
小幡理事長が気にかけたのは被災地の子どもたちのみならず、その親です。4月にチームのある子どもの親が小幡理事長の下を訪れ、「サッカーどころではないのでチームを辞めたい」と言ってきたそうです。「楽しいことだけじゃなくて苦しいことも共有するのがクラブだよ」と小幡理事長は子どもたちのためにサッカー用具などを持って行くよう促したそうです。たまたまその時小幡理事長と会っていた東京の指導者から「震災がたとえなかったとしても、お金がなくてサッカーを続けられないというのはどの地域でもあるのではないか」という提案を受けたことから、「学問の奨学金はあるけれど、スポーツの奨学金はない。スポーツの奨学金のようなものができないかどうかと今動いている」と小幡理事長は、新たな支援も考えていることを明かしました。
また、被災地の少年サッカーチームはさまざまな大会やサッカースクールに招待されましたが「招待疲れがあって、お父さんお母さんはとても疲れていたのでスポーツバイキングといった様々なスポーツを楽しめる機会を用意した」と各種招待による家族の疲れを癒す機会を小幡理事長は提案しました。
様々な形で子どもたちを支援していくのは勿論ですが、小幡理事長のご指摘通り子どもたちの親が疲れてしまったり、子どもたちを支えていけなかったり、といったことにも目を配らなければなりません。今後の支援にはそうした様々な気配りが必要になってくるでしょう。
↑シンポジウム前日の12月10日にはFIFAの義援金により改修された宮城県松島町の松島フットボールセンターを、FIFAブラッター会長が訪問。日本のみならず世界からも支援が集まっている。
■夢は防災センターを含んだスポーツセンターの設立
小幡理事長は震災からの復興に向けて、様々な夢を語りました。小幡理事長はかねてからドイツのスポーツ環境に深い感銘を受け、総合型スポーツクラブ・施設をつくりたいという夢を持ってきました。今回震災が起こったことを受けて、「防災センターを含めたスポーツセンターを計画したい」という強い意欲を見せました。
サッカー少年団一つ取っても、現在津波被災地ではグラウンドに仮設住宅が建ち、満足な活動環境がなく「スポーツの活動環境を与えたい」という思いがある小幡理事長。サッカーのみならず多くのスポーツを楽しめるスポーツセンターづくりという長年の夢の実現に大きく期待したいです。
「震災からの復興には3A、あせらず あわてず あきらめずといった気持ちが必要。宮城で亡くなった2万人の供養のためにも負けてはいけない。ピンチをチャンスに変えたい。東北サッカー未来募金は子どもや指導者の教育など人づくり、スポーツの環境づくりに使っていきたい」と復興、そしてその先の夢を小幡理事長は熱く語りました。
宮城県の3つのサッカークラブトップは、それぞれの形で子どもたちを支援していきたいと考えています。被災地の復興はこれからも長く続いていきます。日本全国、さらには世界から大きな支援を受けた中、被災地の子どもたちにサッカーの楽しさを伝え、サッカーを楽しめる環境を与え、そして心身共に健やかでたくましい人間に育ってもらうため、3つのクラブが協力して、復興に向けて歩みを進めることを心から期待しています。
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取材・文・写真/小林健志
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