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東北の元気を届ける『仙台だより』

福島県の厳しい現状...復興はまだこれから

公開:2012年3月14日 更新:2012年3月12日

キーワード:仙台だより応援プロジェクト

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※ベスト8に進出したVamos福島ホワイトリバーFCの選手達
 
大会前日に発生した東日本大震災の影響で、昨年は開催できなかったチビリンピック東北大会。震災からちょうど1年の3月10~11日、宮城県サッカー場にて無事開催され全国決勝大会に進む代表チームが決定しました。しかし、その中には依然として厳しい環境の中で大会に出場したチームもあり、復興への道のりの遠さも感じられました。
 
<<チビリンピック東北大会レポートから読む
 
 

■思い切りできる場所がない。放射性物質の影響

ACジュニオール(宮城県)の優勝で幕をとじた「JA全農杯チビリンピック2012小学生8人制大会東北ブロック予選」。無事に大会が行えたことをどの指導者も喜んでいましたが、福島県から参加した2チームの指導者の方々は厳しい現状を口にされました。
 
福島県1位で出場し、今大会3位と健闘した福島県沿岸部いわき市のチーム、アストロンFCの高田泰樹監督は「福島県には思いきって外でできるグラウンドがありません。雨が降ると大会は中止になってしまいます。こうして雨でも雪でも無事に大会ができる環境は幸せです。外で練習をやる時は1時間程度。1~2年生はほとんど室内で練習しています。体育館も地震の影響で壊れていたり、予約がいっぱい入っていたりします」と練習や大会の現状について語りました。
 
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※厳しい練習環境の中3位と健闘したアストロンの選手達
 
福島県のチームは依然として放射性物質の影響で、思うように外で練習できなかったり、雨で泥が体に付きやすい状況では大会を中止にせざるを得なかったり、厳しい現状があるのです。
 
 

■厳しい環境に負けずに戦おう

福島県2位で今大会ベスト8進出を果たしたVamos福島ホワイトリバーFCは、福島県の南に位置する白河市のチームで、内陸部であるため津波被害は無く、福島第一原発からもかなり遠い位置にあるのですが、練習場が局所的に放射線量の高い場所であったことが判明し、やはり体育館や公民館で練習しているそうです。
 
遠藤淳監督は「それをハンディと思ったら間違い、やるなら一生懸命やろう、と子ども達に言って大会に臨みました。でも子ども達は大変な状況だったと思います」と厳しい環境に負けずに戦おう、と大会に臨んだそうです。
 
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※原発から離れた白河市のチームながら室内での練習を余儀なくされているホワイトリバーFCだが、強い団結力を見せた
 
アストロンの高田監督はさらに厳しい状況を語りました。「実は指導者の方も他県に流出してしまっています。私は何とか福島にとどまって頑張っていこうと思っていますが、とにかく人が帰ってきて欲しいです」放射性物質の影響を懸念しての県外への移住は子ども達のみならず少年サッカーの指導者にまで及んでおり、人の流出が復興への大きな課題です。
 
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※「福島に人が帰ってきてほしい」アストロンの高田泰樹監督はいわき市で熱心に指導を続けている
 
震災から1年の節目の日に行われたチビリンピック東北大会。昨年は行うことすらできなかった大会がこうして無事に開催できたことは、本当に良かったと思います。しかし復興はまだこれからです。宮城県や岩手県の沿岸部のチームや、福島県内各地のチームはまだまだ厳しい環境での練習を強いられています。
 
大会が行えているからといって、東北の少年サッカーが完全に復興しているわけではありません。今後も「仙台だより」では東北の少年サッカー復興への課題や、復興への歩みを随時取り上げていこうと思います。
 
 
【大会結果】
JA全農杯チビリンピック2012小学生8人制大会東北ブロック予選
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取材・文・写真/小林健志

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