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蹴球子育てのツボ ~サッカーで子どもは一人前になる~

チームに期待を持てず移籍を迷うんだが問題

公開:2017年4月26日 更新:2020年6月23日

キーワード:トレセン人間関係信頼実践経験移籍自主性

■試合数より重要なのは指導の質

現在所属するチームを「試合数が少なく自主性を強く指導するようなことがない」と書かれています。ということは、お母さんは自主性を重んじているわけです。これは非常に良いことです。勉強もスポーツも、自分で考えて動ける力を身につけなくては伸びません。場面が次々変わり、創造性が求められるサッカーは特にそうです。
それならば、お子さんの意見を聞いて、ご自分はなるべく何も言わないことです。
今いるチームのありようはわかりませんが、そもそも自主性は強く指導されるものではありません。選手に任せる場面が多く、選手に「きょうの練習、どうする?」などと尋ねる。そのような指導者が自主性を伸ばす大人に該当します。
また、移籍を検討しているチームが「県外との試合の場をたくさん設け、春夏冬には合宿をするなど子どもの自主性を育ててくれる」とあります。試合をたくさんして合宿をするだけでは自主性は育ちません。
そう考えると、もしかしたら見る観点が違っているかもしれません。
「自分は子どもの自主性を育てているかなあ?」と一度振り返ってみませんか? 例えば、知り合いのコーチやほかの保護者に「自主性をどう考えてますか?」と尋ね、意見を聞いてみても良いかと思います。
私は、試合の数や合宿よりも、子どもに重要なのは「指導者の質」だと思います。ここを見抜くのは、ある意味親の役目のひとつかもしれません。

■近づきすぎると本当の姿が見えない、子どもを伸ばしたいなら離れること

クラブの公式サイトに「自主性を重んじる」と書かれ、コーチもそのように熱く語っているのに、負けた試合の後で炎天下を子どもに罰走を命じたり、怒鳴って萎縮させ、指示命令をして子どもの判断を奪ったりするチームも残念ながら存在します。
お母さんは、サカイクに相談メールを送るなど、とても実行力があり、エネルギーにあふれた女性なのだと察します。ただ、そのような親御さんは時として、ご自分のエネルギーに子どもを巻き込んでしまう傾向があります。
お子さんが、お母さんの期待に応えようと背伸びをしていないか。本当は「ようやく信頼関係ができた」という今のチームにいたいのではないか。わが子の「サッカーを頑張りたい」という言葉の裏側をぜひ知ろうとしてください。
近づきすぎると本当の姿は見えないので、世話を焼かず見守りましょう。伸ばしたいなら、離れることです。
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島沢優子(しまざわ・ゆうこ)
スポーツ・教育ジャーナリスト。筑波大学卒業後、英国留学など経て日刊スポーツ新聞社東京本社勤務。1998年よりフリー。『AERA』や『東洋経済オンライン』などで、スポーツ、教育関係等をフィールドに執筆。主に、サッカーを始めスポーツの育成に詳しい。『桜宮高校バスケット部体罰事件の真実 そして少年は死ぬことに決めた』(朝日新聞出版)『左手一本のシュート 夢あればこそ!脳出血、右半身麻痺からの復活』『王者の食ノート~スポーツ栄養士虎石真弥、勝利への挑戦』など著書多数。『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(池上正著/いずれも小学館)、錦織圭を育てたコーチの育成術を記した『戦略脳を育てる テニス・グランドスラムへの翼』(柏井正樹著/大修館書店)など企画構成も担当。指導者や保護者向けの講演も多い。日本文藝家協会会員(理事推薦)1男1女の母。

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文:島沢優子

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