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こころ

焦らず見守ろう! 親が知っておきたい子どもの成長タイミング

2013年12月18日

キーワード:成長

 ジュニア年代は、心と身体が大きく変化する年齢でもあります。私たち大人は忘れてしまいがちですが、子どもは少しずつ成長を重ねているのです。子どもによって個人差はあるものの、確実に毎日どこかが変化しています。昨日の子どもたちは今日の子どもたちと「同じ」ではないのです。サッカー指導の現場でも、子どもの成長タイミングに合わせて適切なアドバイスや指導を提供することがコーチに求められていますが、ご家庭でも、子どもの身体と心の成長についての理解を深め、状況を把握することで、適切な接し方ができるようになるのではないでしょうか。
 
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■目に見える成長と目に見えない成長

スポーツをやっていると「成長」というと、身体の成長に目が行きがちです。発育段階にある子どもは、体格差が非常に大きい時期もあります。同学年のなかに入るととても小柄で、ドリブルをしても弾き飛ばされてしまう、へディングでは競り合いにさえ行けない。そういう姿は試合を見ていても目に付きやすいものです。しかし、子どもの成長は身体的な成長だけを指して言うのではありません。
身体の成長があれば心の成長もあります。身体の中でも筋力が発達するタイミング、サッカーで言えば技術に関係する神経系が発達するタイミングなどがあり、それぞれ成長するタイミングが違います。
 
■「スキャモンの発達・発育曲線」で成長タイミングを知ろう
これをグラフに示したのが「スキャモンの発達・発育曲線」です。「スキャモン曲線」「スキャモンの成長曲線」などと呼ばれることもありますが、アメリカの医学者、リチャード・スキャモン博士が1930年に発表した論文の中で発表したものです。
 
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このグラフは、子どもの誕生から成熟まで(グラフでは20歳)の発育量を100として、子ども成長因子を①一般型、②神経系型、③リンパ系型、④生殖器系型の4つに大きく分けたものです。
 
①一般型・・・
一般型は身長や体重といった体格、臓器などの成長をあらわす、私たちが一般的に成長と呼んでいる目に見えやすい成長です。横軸の年齢を比較してみていただくとわかりやすいと思いますが、小学生の間の発育は緩やかになり、思春期を迎えるとふたたび大きく成長します。
 
②神経型・・・
神経型はスポーツの世界では技術習得や、アジリティ、一般的には「運動神経」という言われ方をする器用さやリズム感を養う成長を指します。具体的には脳神経回路の成長のことで、「うちの子は運動神経がないから」という声をよく耳にしますが、もちろん運動神経のない子どもは存在しません。神経型は、5歳頃までには80%、12歳でほぼ100%に達します。これがスポーツの技術習得の大チャンス“ゴールデンエイジ”が10歳から12歳で訪れるという根拠になります。
見た目の成長に気が行くあまり、「まだ身体が成長していないから」「そんなテクニックは早いんじゃ? 基本をしっかりやりなさい」と、子どもの成長の一大チャンスを逃してしまう可能性もあります。サッカーキッズを持つ保護者の方は特にこの神経型の曲線に注目してみてください。
 
③リンパ系型・・・
 リンパ系型は扁桃、リンパ節などの組織の発達をあらわします。免疫力を向上させる機能です。
 
④生殖器系型・・・
 生殖器系型は14歳を超えると成長する性ホルモンの分泌や、生殖器の成長に関わるものです。男女の身体的な違い、特徴などが現れてくることを考えると、最近ますます増えている未来のなでしこを目指すサッカー少女たちの成長分岐を考える上では重要な項目かもしれません。
 
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■成長、発育の目安を知って子どもを見守るガイドに

今日ご紹介した「スキャモンの発達・発育曲線」は、サッカーの世界でも広く知られています。日本サッカー協会でもキッズ指導ガイドラインの中で「子どもは小さな大人ではない~子どものサッカーを~」という項目の中で、このグラフを取り上げ、「課題にして吸収しやすい時期、しにくい時期があること、成長期を見極めて、吸収しやすい時期に課題を与える重要性」などをわかりやすく説明しています。
 
子どものサッカーの本や冊子に「スキャモンの発達・発育曲線」が出てくると、医学的な用語も見られるので「コーチじゃないから関係ないや」と読み飛ばしていた保護者の方もいるかもしれません。もちろん詳細な内容をすべて理解する必要はありませんが、子どもは日々成長していること、その成長は身長や体重などの目に見える成長だけでなく、心や神経など目に見えない成長もあること、そして心理的、生理的、身体的な発育は、すべて同じタイミングで伸びるのではなく、それぞれ成長タイミングがあること。
 
このことを覚えておけば、わが子のいまの状況を探る目安にすることはできます。成長が遅い、上達しない、練習しているのにうまくならない。子どもたちは一生懸命やっているのに、周りの大人が焦っても仕方ありません。いまは子どもにとってどういう時期なのか? どんな部分が成長する時期なのか? いたずらに上達をせかすのではなく、こうした知識をわが子の成長を見守る際のガイドにしていただければと思います。
 
 次回は、引き続き身体と心の成長について。保護者にはわかりにくい実際のトレーニングの話や、身体と心の成長、バランスについてお伝えします。
 
自主練にも役立つ!子どもたちの成長段階に適したトレーニングとは>>
 
 
大塚一樹(おおつか・かずき)//
育成年代から欧州サッカーまでカテゴリを問わず、サッカーを中心に取材活動を行う。雑誌、webの編集、企業サイトのコンテンツ作成など様々 な役割、仕事を経験し2012年に独立。現在はサッカー、スポーツだけでなく、多種多様な分野の執筆、企画、編集に携わっている。編著に『欧州サッカー6大リーグパーフェクト監督名鑑』、全日本女子バレーボールチームの参謀・渡辺啓太アナリストの『なぜ全日本女子バレーは世界と互角に戦えるのか』を構成。
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文/大塚一樹 写真/新井賢一(ダノンネーションズカップ2013より)

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