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サッカー豆知識

迷っている人必見! 海外ビッグクラブのスクールキャンプはアリ?ナシ?

2013年7月 5日

キーワード:ACミランアーセナルキャンプスクールバルセロナブラジルマンチェスター・ユナイテッド夏休み

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■今夏、日本に世界中のビッグクラブがやってくる

メッシ擁するFCバルセロナに本田選手の移籍が噂されるACミラン、香川選手が活躍するマンチェスター・ユナイテッド、長友選手のインテル、レアル・マドリード、アーセナル、ドルトムント、ブラジルからはネイマールを生んだサントス……。
 
え?そんな試合組まれていないって? いえいえ、これみんな子ども向けに開催されるスクールキャンプのお話です。
 
日本各地で行われるスクールキャンプは、世界のビッグクラブの育成メソッドを身につけたコーチたちから直接指導を受けられる大チャンス。日本に居ながらにして海外ビッグクラブの指導を受けられる!そんな時代がやってきたのです。
 
「名前だけ?」「高すぎない?」「遠くまで行く価値は?」色々な事情で参加を決めかねている読者の方もいるかもしれません。サカイクでは過去に行われたキャンプの参加者アンケートや取材をもとに、広告だけを見てもよくわからない海外クラブキャンプの実情に迫りました。
 

■参加するメリットは?

まず気になる点は、クラブの名前を冠にしたキャンプがどれくらい「そのクラブらしさ」を出して指導しているかでしょう。ビッグラブの育成メソッドと言っても、日本でイベント的に行われるキャンプではそのエッセンスを感じられない可能性もあります。
 
●大変満足・・・36.67%
●満足・・・・・63.33%
 
これは昨夏、横浜と大阪で行われたアーセナル・キャンプの参加保護者のアンケート結果です。
 
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参加者の満足度は非常に高く、トレーニング内容、コーチの印象も「とてもよかった」「よかった」を合せると100%の満足度を得ています。「はじめは不安もあったけど、通っているうちに子どもの様子が変わっていった。とても楽しそうにサッカーをしているので参加して良かった」これは今年行われたマンチェスター・ユナイテッド・サッカースクールに取材に伺ったとき、ピッチサイドで我が子を見守るお父さんに聞いたお話しです。
 
どのキャンプでも感じるのは、コーチ陣が子どもと一緒に楽しんでサッカーをやろうというホスピタリティ。ビッグクラブのコーチだからと言って、技術レベルで厳しく見ると言うことはなく、楽しむことを前提に“クラブらしさ”を伝えようという姿勢がピッチの中から伝わってきました。チーム単位で試合結果を求める必要のないキャンプではそれぞれの歩み合わせた「個々の成長」が優先されます。参加者の中には「海外クラブ」を夢見る子どももいれば、「試合に出ること」を目標にしている子どもも少なくありません。
 
前出のアーセナルキャンプで子どもの様子を聞いたアンケートでも96.77パーセントの保護者が「子どもたちが満足そう、とても満足そうにしていた」と回答しています。
 
トレーニング面でも、器具を用いたトレーニング、さまざまな練習方法が体験できます。以前と比べれば情報が入ってくるようになったとはいえ、サッカーの最先端を行くクラブのトレーニングを体験できるのは得難い経験でしょう。
 
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■安い? 高い? 「経験」としての価値

どのキャンプも基本的には外国人コーチが指導に当たります。言葉の面での不安は通訳兼コーチがいるので不要ですが、私たち大人の心配をよそに、子どもたちは外国人コーチと積極的にコミュニケーションをとります。サッカーは世界の共通語と言いますが、言葉を覚えたり、言葉の意味がわからなくてもシチュエーションや表情、雰囲気でコーチの意図や練習のニュアンスを理解することは、はっきりと日本語で指示されるよりもプラスに働くこともあります。キャンプを終えるころにはコーチとの絆もでき「コーチは覚えたての日本語、子どもたちは英語で会話」なんて逆転現象も起きています。
 
異文化に触れることで、普段開かれていないチャンネルが刺激されて「おとなしかった子どもが積極的になる」「キャンプに行くのを楽しみにしている」という声もありました。サッカー以外のところでも、普段限られた人間関係やコミュニティの中で過ごしがちな子どもたちとって、外に目を向けるということも貴重な経験のようです。
 
とはいえ気になるのはやはり費用面。相場が10万円を超えることから「じゃあやってみよう」とポンと出せる金額ではありません。しかし、アーセナル・キャンプのアンケートでは「割高」と答えた方は全体のわずか3.23%。「少し割高」という回答は61.92%でした。これは「適正」と答えた方が35.4%いることを考えると、「もう少し安ければ助かる」というニュアンスが強いのかもしれません。
 
●割高・・・・・・・・3.23%
●少し割高・・・61.92%
●適正・・・・・・・35.4%
 
サッカーだけに特化した「ならいごと」と考えると、「うちはプロにさせる訳じゃないし・・・・・・」と思ってしまう方も多いことでしょう。しかし、いくつかキャンプを取材した経験では「ビッグクラブのエッセンスを将来プロになる我が子のために」というテンションで参加されている方は意外に少ないように思います。
 
先のアーセナル・キャンプでは栄養学や、英会話、戦術などの講座もプログラムに含まれており、サッカーのテクニカルな部分に限らず様々な学びの場を提供しています。外国人コーチとの触れ合いや異文化との接触、親やチームメイト、普段教えてもらっているコーチから離れて、新しい輪に加わっていく。これは子どもたちにとって日常から得ることのできない大きなチャンスです。的確なカリキュラムによる技術的な進歩はもちろん、人間的にもサッカーを通じて成長できるスクールキャンプの対価として考えてみると、また違った価値が生まれてくるような気もします。
 
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■海外クラブ移籍への道は開けるか?

「マンチェスター・ユナイテッド」と聞いても「香川選手がいるクラブね」という時代がやってきました。FCバルセロナのスクールキャンプで見出され、小学4年生にして海を渡った久保建英君の例もあり「スクールキャンプ→スカウトの目に止まり海外へ」なんてことも妄想と言いきれない時代です。実際に多くのキャンプではMVPを現地へ招待するオプションも含まれています。
 
しかし、現実問題、そこを期待してキャンプに参加するのは少し目的が違う気がします。多くのクラブにとってスクールと自チームの下部組織は別物です。スクールはアジア市場、特に日本人選手の活躍で盛り上がる日本市場を見越した世界戦略の一環であることは紛れもない事実です。もちろんチームのPR、集客を考えたビジネスであることも冷静に見ておかなければいけません。
 
もちろん可能性がないとは言えません。良い選手を確保するために、クラブは労を惜しみません。ビッグクラブが持っている選手発掘の情報網は世界中に張り巡らされています。たとえば“メッシ・クラス”の選手がいたとすれば、スクール生、キャンプ参加者であっても、情報の網にかかることは間違いありません。東京の葛飾で開催されるFCバルセロナスクールのテクニカルディレクター、アイトール・オルモ氏は、「キャンプの開催は第二の久保くんを探す目的はあるのか?」という質問に対し、「我々がキャンプを行う目的は、子どもたちにサッカーを楽しませることにある。スカウトが目的ではない」と返しつつも、「飛び抜けて優秀なタレントが現れた場合は、クラブにレポートする可能性もある」と付け加えています。
 

■気になる「周りの目」

ビッグラブのスクールキャンプ、申込み締め切りが近づいているようですが「迷っている」方が多いようです。金銭面の負担、送り迎えの不安、さまざまなことがネックになっているようですが、意外と気になるのが「周りの目」だという話も聞きます。
 
「所属クラブのコーチに悪い」「周りの保護者に『そんなレベルじゃないのに』」と思われてそう・・・・・・」
 
すべて切実な問題だと思いますが、大切なことは「子どもたちが何を得て帰ってくるか」ではないでしょうか。取材でキャンプに同行した経験で言えば、「周りを気にして参加しないのはもったいない」というのが正直な感想です。子どもは夏に成長します。たくさんの人に出会い、いろいろな経験ができ、そして何より楽しい夏休み。サッカーに没頭するにしても、いつものグラウンドと自宅の往復だけでなく、世界に目を向けて視野を広げることで、今後の人生にも影響を与えるような経験が得られるかもしれません。
 
 
大塚一樹(おおつか・かずき)//
育成年代から欧州サッカーまでカテゴリを問わず、サッカーを中心に取材活動を行う。雑誌、webの編集、企業サイトのコンテンツ作成など様々 な役割、仕事を経験し2012年に独立。現在はサッカー、スポーツだけでなく、多種多様な分野の執筆、企画、編集に携わっている。編著に『欧州サッカー6大リーグパーフェクト監督名鑑』、全日本女子バレーボールチームの参謀・渡辺啓太アナリストの『なぜ全日本女子バレーは世界と互角に戦えるのか』を構成。
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文/大塚一樹 写真・取材協力/株式会社Amazing Sports Lab Japan

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