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インタビュー

浦和レッズ・矢島慎也【後編】 サッカーを与えてくれた両親に感謝

2013年11月20日

キーワード:浦和レッズ

昨日に続き、浦和レッズの矢島慎也選手のインタビューをお届けします。支えてくれたご家族のお話や、浦和レッズジュニアユース時代に抱えていた悩み、そしてリオ五輪への意気込みなども語っていただきました。
 
<<【前編】山田直輝を追い続けた少年時代
 
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■活発だった少年時代でも、勉強は疎かにしなかった

――幼い頃、矢島選手はどんな子どもでしたか?
 
「学校が終わると遊びに行き、練習がある日はサッカーに行くという感じで、ほとんど家にいない子どもでした」
 
――ご両親は矢島選手がサッカーを続けることに関して、どのようにサポートしてくれましたか?
 
「まず、僕がサッカーに携わるきっかけを作ってくれたのが両親でしたので、それには本当に感謝しています。サポートという面でいえば、幼いころはグラウンドまでの送迎をはじめ、さまざまな面で支えてもらいました。そういう意味では、恩返しというわけではありませんが、今、こうしてプロになって、正直、ほっとしています」
 
――反抗期はありましたか?
 
「一時期、母にサッカーに関することを指摘されると、腹が立ってしまって、かなりきつい口調で言い返していた時期がありましたね。多分、僕が怒っている時は、様子をみながらあえて怒ったり、僕に何かを言うことをやめたこともあると思います」
――矢島家の教育方針は?
 
「礼儀挨拶に関してや、サッカーを楽しむことは少年団でもよく言われていたので、それはすでに当たり前のこととなっていました。また、授業中にずっとペン回しの練習を行い、先生に怒られるような子どもだったので、学校でちゃんと授業を受けなさいということは口うるさく言われていたと思います」
 
――そこには親だからこその思いもあったと思います。
 
「いつ大ケガをして、サッカーができなくなるか分からないので、勉強はしっかりとしなさい、とはよく言われていました。僕も“やれ”と言われたことは、やらなければならないと理解していたので、テスト前には一生懸命勉強しました。もちろん、普段の授業も、ちゃんと集中してノートをとっていましたよ。ただ、普段からコツコツ勉強するタイプではなく、直前に夜遅くまで勉強して頭に叩き込み、テストに臨むタイプだったので、僕のやり方は、みなさんにはあまりお勧めできないかも(笑)」
 
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■サッカーは、ゴールにボールを入れるスポーツ

――これまでご両親、もしくは指導者から言われた言葉で印象に残っているものはあれば教えてください。
 
「“考える”ことが現代サッカーにおいて大切なことになっていると思うのですが、その一方で、考えすぎてよくない結果を招くこともあると思うんです。ジュニアユース時代、考えすぎてサッカーが分からなくなった時に、コーチの淀川(知治)さんはよく『サッカーは、ゴールにボールを入れればいい競技だから。ゴールに直結することを考えろ』とおっしゃっていて、その言葉がすごく印象に残っていますね。また、動き出しの部分やポジショニングに関しては、ユース時代に堀(孝史・現浦和レッズトップチームコーチ)さんや、天野(賢一・現浦和レッズトップチームコーチ)さんから教え込まれましたね」
 
――小学校6年間が自分の土台を作ってくれたとするならば、ジュニアユース、ユース時代は、何を培ったと思いますか?
 
「ジュニアユース時代はメンタルの部分で随分指摘を受けましたね。ユース時代は、サッカーに対する考え方やポジショニングなど、細かな部分を教わりました。また、ユース時代は、仲間にも恵まれたと思います。周りにたくさん試合を見る選手が多かったので、その影響もあってか、試合を見る機会も増え、プレーに生かせる部分もあったと思います」
 
――さて、サカイクは“考える力”をテーマにしているのですが、考える力を養うためには、具体的にどのようなことを行ったら良いと思いますか?
 
「時々オフに地元のサッカースクールに行って、子どもたちと一緒にサッカーをする機会があるのですが、いつも感じるのは、僕たちの頃よりもみんな考えているなということです。やはりサッカーが好きな子どもなら、ずっとサッカーを続けたいと思うでしょうし、そういう環境に身を置くのも1つかなと感じました」
 
――そこで大切になってくるのが指導者だと思います。
 
「サッカーを楽しむことは大前提としてありますが、自分の場合で考えると、ただこうしなさいと教えられるのではなく、アドバイスやヒントを与えられ、それをもとに自分で考え、行動していたような気がします」
 
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■サッカーが楽しいという気持ちを決して忘れないでほしい

――親御さんは、どのようにフォローすればよいでしょうか?
 
「日常生活においても、子どもに“これ、どうしたらいい?”と聞かれた時に、すぐに答えを教えるのではなく、ヒントを与え、まずは子ども自身に考えさせるのがより良いと思います。ただ、僕の場合は、まったく親の言うことを聞いていなかったかもしれませんが……(笑)。“間違えて怒られてもいいかー”というスタンスで生活していたのですが、すべて答えがわかってしまうと、自分ではきっと考えなかったと思う。本当に探り探りではありましたが、それが良かったのかもしれません」
 
――ジュニア世代で矢島選手がやり残したと感じることはありますか?
「子どもの頃から、ずっとサッカーしかやってきていませんし、クラブチームということも少し関係して、学校生活を満喫できなかったことが少し心残りですね。中学時代に大きな大会があって部活に入っている人が一斉にいない日があったのですが、みんなが帰ってきて『おめでとう!』と声をかけた時は、部活も部活でいいな~と、うらやましかったです」
 
――ジュニア世代にアドバイスを送るとしたら?
「それぞれの立場があるので、一概には言えませんが、やはり、みんな楽しいからサッカーを続けていると思うんです。しかし、年齢を重ねる度に、その気持ちが少し薄れてしまったり、勝負にこだわる時期もあり、そればかり考えていられなくもなる。でも、サッカーは楽しいという気持ちを、決して忘れてほしくないですね」
 
――では、最後に今シーズンを振り返りつつ、今後の目標を聞かせてください。
「2013年は個人的にはあまりいいシーズンを送ることができませんでしたが、そのようなシーズンだったからこそ、学んだこともあるし、“もっとうまくなりたい”と感じられたシーズンでもありました。また、チームではなかなか試合に出場できない中で、世代別代表に招集され、同世代の選手とともにプレーすることで大きな刺激もうけました」
 
――矢島選手は2016年のリオ五輪世代です。
「もちろん、五輪に出たい気持ちは強いですが、まだまだ先のことですし、それ以前に、自分のレベルアップが現状での最低限の課題。五輪は少し遠い目標ではありますが、自分がそこに向かっていく過程でレベルアップしていくことは大事ですし、まだまだ貪欲に上を目指していきたいです」
 
 
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矢島 慎也//やじま・しんや
1994年1月18日生まれ。埼玉県出身。浦和レッズ所属。小学校時代は北浦和サッカー少年団でプレー。中学時代は浦和レッズジュニアユース、高校は同ユースで活躍した。プロ1年目の12年は11月のAFC U-19選手権に出場。今年8月にはU-19日本代表に招集され、スペイン遠征に参加。10月に行われた東アジア競技大会ではU-20日本代表として戦った。緩急をつけたドリブル突破と、左右どちらの足からでもフィニッシュできる得点力を持つプレーに注目。
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取材・文/石井宏美 写真/新井賢一

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