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インタビュー

浦和レッズ・矢島慎也【前編】 山田直輝を追い続けた少年時代

2013年11月19日

キーワード:浦和レッズ

2012年にトップチームに昇格し、プロ2シーズン目を送っている浦和レッズMFの矢島慎也選手。今季はチームでの試合出場機会になかなか恵まれていませんが、U-20代表として東アジア競技大会、U-19日本代表に選出され、世代別代表での経験を糧に、着実に成長しています。そんな矢島選手に、子どもの頃の話や少年時代のエピソードについて語っていただきました。
 
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■サッカーの練習というよりは、サッカーで遊んでいる感覚が強かった

――矢島選手がサッカーを始めたのは?
 
「両親は僕が赤ちゃんぐらいの頃からボールを持たせてくれていたようで、幼い頃から自分の周りには、常にボールがあるのが習慣になっていたと思います。僕が歩き始めた頃にボールを蹴っている映像も見たことがあるのですが、自分の中でも、幼稚園の頃からサッカーをしていた記憶はありますね。親がボールを与えてくれたことはサッカーを始める大きなきっかけとなりました」
 
――どんな練習をしていましたか?
 
「始めた頃は、練習というよりも、遊んでいるという感覚の方が強かったですね。それでも、僕が所属していた幼稚園は、埼玉県内ではある程度強いチームだったんですよ。強豪チームと対戦したときは負けていましたが、当時は、”自分が一番うまい“という気持ちでプレーしていたので、相手に負ける度に、必ず泣いていました。そして、その後は決まって、母親に『泣くな!』と言われていましたね(笑)」
 
――小学校時代は北浦和サッカー少年団でプレーしていましたが、入ったきっかけは?
 
「実は幼稚園の頃は川越に住んでいたんですが、小学校入学を機に浦和へ引越したんです。北浦和サッカー少年団に入ったのは、単純に家から近かったという理由がまず1つ。僕自身は、どこでサッカーをやるかはあまり問題ではなくて、それよりも、とにかく楽しくサッカーができていればよかった」
 
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■平日はスクールで個人技に磨きをかけて、週末に少年団でプレーする日々

――当時は、すでに将来プロサッカー選手になりたいと考えていましたか?
 
「幼稚園の頃から、アルゼンチンサッカーを見るのが好きで、よく父と一緒に試合のビデオを観たり、サッカーゲームをしていました。それも関連してか、日本でプロになるというイメージよりも、海外でプレーしたいという気持ちの方が強かったですし、夢でしたね」
 
――ご両親はサッカーに対して熱心だったのですか?
 
「僕がサッカーを好きになるきっかけを与えてくれたのが父親でした。とはいえ、“ボールの蹴り方はこうだぞ”と遊び感覚で教えてくれることはあっても、戦術的や技術的に深く突っ込んで話すことはありませんでしたね。母は、僕が4年生ぐらいになるまでは、少年団の試合が終わると、よく“なんでもっと走らないの?”と言ってくるので、それがイヤで“じゃあ、お母さんがやりなよ”と反抗し(笑)、お互いによく言い合いをしていましたね」
 
――でも、サッカーにかかわるきっかけを与えてくれたご両親には感謝ですね。
 
「サッカーをする場所を与えてくれたのは母でしたからね。実は小学校に入学して少し経った頃に、サッカー少年団とは別に、平日は地元のサッカースクールに入ってサッカーをしていて、そこを見つけてくれたのも母でした。このスクールでは同じ小学校にいた3歳年上の(山田)直輝くんや、トレセンに入っていたレベルの高い選手たちが集まっていたんですが、テクニックはそこで身についたのかなと思いますね」
 
――平日は具体的にどんな練習を行っていたのですか?
 
「地元のサッカースクールでは、常にボールに触ることが目的で、ドリブルの練習やパスの練習を細かく行っていました。また、少年団でもボールをポンポン蹴るのではなく、自分でいかに扱うかということを軸にして練習していたので、あまり“蹴って走る”ということは教え込まれませんでした。小学校時代の6年間に積み重ねてきた練習が、自分の土台になっているなと感じることは多いですね」
 
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■同じ少年団で3歳上の山田直輝選手が目標にしていた

――そのジュニア時代の6年間で、壁にぶつかったり、悩んだことはありましたか?
 
「FC浦和という選抜チームに入るために、さいたま市内浦和地区の少年団から16名にメンバーが絞りこまれるんですが、その選考の過程で一度メンバーから落ちてしまったことがありました。いくつかの有力な少年団が集まって行っているセレクションのような場所で、次のステップに進む選手は練習から外れ、残っている人だけで練習する。それが最後の選考だったので、自分が落ちたことは分かったんですが、また、そこでいいプレーをして、追加でさいたま市全体の選抜チームまで進むことができたんです。さらには、最終的にはFC浦和の10番までいくことができたことも自信になりましたね」
 
――同じサッカー少年団の先輩である山田直輝選手は、3歳差の違いはありますが、意識することはありましたか?
 
「僕が小学3年生で、直輝くんが6年生の時に、一度だけ、僕が北浦和サッカー少年団のAチームとして試合に出場したことがあったんです。その時くらいしか一緒にプレーしていないのですが、やっぱりうまかったですね。多分、関東では山田直輝、そして原口元気という名前は知れ渡っていたと思いますよ。当時は僕も直輝くんを目指し、追っかけていました」
 
――レッズの下部組織に入る上でも、山田選手に影響を受けた部分はありますか?
 
「中学になって、レッズの育成組織でプレーしたいと思ったのは、まず自宅から近く、そして少年団のスタッフの方々に勧められたという理由もあるのですが、あらためて“じゃあ、なぜレッズにいったの?”と問われたら、最も大きな理由は、直輝くんが(レッズに)行ったからかもしれませんね」
 
――“憧れ”でしょうか?
 
「憧れというより、“目標”ですね。僕が北浦和サッカー少年団に入った時、直輝くんがいたのは自分にとっては本当に大きなことだったし、もし、それを僕の両親が狙っていたのならすごいなと思いますね(笑)」
 
 
――自分のストロングポイントに気づいたのはいつでしたか? また、それをどのように伸ばしていこうと考え、実践していきましたか?
 
「もちろん、自分の良さは分かっていますが、プロで通用しているという自信はあっても、まだまだ“その先”に行くことはできていない現実を考えると、今はまだストロングポイントとは言えないと思っています。ただ、先ほどの話にもありましたが、小学6年間で培った技術が土台になっているのは間違いありません。小学生ぐらいの頃は、まだスピードでも周りに比べて抜けていたので、スピードプラスタイミングを見て、スペースに抜けていたんですが、そこで“逆をついて抜け”とか、“ボールを足下から離すな”とうるさいくらい言われていたことは、確かに身についているのかもしれませんね」
 
――自分の強さを磨くためにどんなことをしました?
 
「小・中学校、そして高校の最初あたりまでは、家でもずっとボールを触っていました。あとは、試合を見て、自分が真似できそうな、自分に近い選手のプレーを見て、イメージを養っていました」
 
【後編】サッカーを与えてくれた両親に感謝>>
 
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矢島 慎也//やじま・しんや
1994年1月18日生まれ。埼玉県出身。浦和レッズ所属。小学校時代は北浦和サッカー少年団でプレー。中学時代は浦和レッズジュニアユース、高校は同ユースで活躍した。プロ1年目の12年は11月のAFC U-19選手権に出場。今年8月にはU-19日本代表に招集され、スペイン遠征に参加。10月に行われた東アジア競技大会ではU-20日本代表として戦った。緩急をつけたドリブル突破と、左右どちらの足からでもフィニッシュできる得点力を持つプレーに注目。
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取材・文/石井宏美 写真/新井賢一

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