1. サカイク
  2. コラム
  3. インタビュー
  4. 川崎F・大久保嘉人「ドリブルに磨きをかけた少年時代」

インタビュー

川崎F・大久保嘉人「ドリブルに磨きをかけた少年時代」

2013年8月29日

キーワード:川崎フロンターレ

130815_580_600.jpg
 
2013年、ヴィッセル神戸から川崎フロンターレへ完全移籍した大久保嘉人選手。J1第23節を終えた時点で、現在得点ランキング単独トップの18ゴールと好調を維持している大久保嘉人選手に、子どもの頃の話や少年時代のエピソードについて語っていただきました。
 
 

■キツイ練習でも楽しかった思い出しか残っていない

――大久保選手がサッカーを始めたのは?
 
「小学1年生のある日、親と買い物に行った時のことでした。車で通った道のそばの広場でサッカーをやっている光景を目にしたのですが、当時はまだサッカーのことを知らず、父親に『あれは何をやっているの?』と聞いたところ、『サッカー』だと教えられて。それで一度やってみたいと言ったんです。ただ、実際に練習に行ってみたところ、まったくボールを蹴ることができず、1日でやめてしまって(笑)。小学2年の頃は一輪車にハマり、毎日、一輪車に乗っていました。そして、小学3年生になって再びサッカー少年団に入ることになったのですが、最初は特に入るつもりはありませんでした。ただ、周りの友だちがみんなサッカー少年団に入るということで、その流れにのって……というような感じで、僕もサッカーをまた始めることになったんです」
 
――その頃は、サッカーが楽しいと感じられましたか?
 
「1年生で初めて練習に参加した時よりも、ボールがよく飛んでいきましたね。それが本当に嬉しかったことを覚えています。そして、それ以降は、どんどんサッカーにのめり込み、練習にも休まずに行くようになりました」
 
――当時はどんな練習をしていましたか?
 
「自宅にいる時は、家の壁に向かってずっとボールを蹴り続けたり、鉄の大きな柵になっているごみ箱の穴にボールをコントロールしていれたりして練習していましたね。少年団の練習はきつかったですよ。走りやミニゲーム、シュート練習などが主なメニューでした。すごくきつい練習ではあったけれど、楽しかったです。また、周りの誰にも負けたくないという気持ちは、その頃から、少しずつ強くなっていったように思います。それ以前は、『別に負けてもいいや』と勝負に対するこだわりはあまりなかったタイプだったのに、負けたくないという気持ちがどんどん強くなっていきました。当時はFWとしてプレーしていたのですが、とにかく『点を取りたい』という気持ちがすごく大きかったですね。
 
130815_301_600.jpg
 

■まさか自分がプロサッカー選手になるとは思っていなかった

――FWのポジションは指導者に決められたんですか?
 
「いや、定かなところではないのですが(笑)、実は一番最初はGKでプレーしていたんですよ。『やりたいところをやれ』と言われて、GKを選択したんです。でも、実際にやってみたところ、ボールがまったく来ず、面白くなかったので、前めのポジションに移動しました。小学5年生の頃はすでにFWでしたが、強いチームと試合をする時には、相手チームにうまい選手がいるので、いつも自分がマンツーマンでマークにつくなど、試合によってはたまにディフェンスをやることもありました。今振り返ると、自分でもよくやったなと思いますよ(笑)」
 
――その頃、すでにプロ選手になるという夢を持っていましたか?
 
「当時はまだ考えていなかったように思います。僕の地元は田舎でしたし、まさか自分がなれるとも考えていませんでした。もちろん、小学5年生の時にJリーグが開幕していたので、プロリーグの存在は知っていましたし、よく試合も見ていましたけれど。試合の翌日は、ラモスさんのループを真似していましたね。ただ、テレビなどで試合を見ても、自分が将来そこに立つというイメージはまったく持っていなかった。そう考え始めるようになったのは、高校になってからだったと思います」
 
――プロ選手のプレーをビデオで見たりすることは?
「親が8選手ぐらいのゴールシーンを集めたビデオを買ってくれましたが、ボビー・チャールトンなど、昔の選手ばかりで、実はあまり覚えていないんですよ。なかなか渋い人選でしたね(笑)」
 
130815_541_600.jpg
 

■父よりも母が厳しかった小学生時代

――ご両親はスポーツをされていたんですか?
 
「サッカーではありませんが、父も母もバレーボールをしていました。母は実業団でもプレーしていたようです。親によく言われていたのは、『負けるな』ということですね。試合で負けたり、点が取れなかったりすると、ご飯を食べさせてくれないということもありましたよ。うちは父よりも母の方が厳しかった」
 
――大久保選手がサッカーを続けることに関してはどのようにサポートしてくれましたか?
 
「僕は小学校卒業後、地元を離れ、長崎の国見中学校に進学したのですが、それも親の薦めだったんです。僕は最後まで『行きたくない』と抵抗していたのですが、最終的には『プロになれるかもしれないんだから、それにかけろ!』という言葉に納得し、決断しました。実際に、国見中学校は全国でも結果を残すような強いチームだったんですよ。ただ、親からはそのような言葉をかけられてはいましたが、実際はまだプロなんて具体的なものではなかったですし、とにかく中学でも試合に出たいという気持ちだけでした。プロなんて、まだまだ、あまりにも先のことでしたから」
 
――周りの選手のレベルも高かったのですか?
 
「同じ学年の選手だけでも、長崎以外の遠方から8,9人ほどきていたんですが、みんな高いテクニックを持っていて、うまいヤツばかりでした。僕も小学校時代にナショナルトレセンに入っていましたし、地域選抜としてプレーした経験もあったので自信は持っていたつもりですが、チームメイトのプレーを見た瞬間は、『これは(自分は)駄目だな』とショックを受けました。ただ、それでも、もうやるしかなかった。練習はきつかったけれど、楽しくて、辞めたいと思ったことは一度もありませんでしたね」
 
130815_166_600.jpg
 

■最初はホームシックにもかかった中学生時代

――親元を離れて、自分でやるべきことも多くなったと思います。
 
「最初の1、2カ月は、洗濯や掃除など、いろいろと自分でやらなければならなかったので、面倒でしたが、それも時間が過ぎると、徐々に慣れていきました。ホームシックも最初だけ。ただ、(ホームシックにかかっていた)その頃は、『帰りたい』と言っていましたし、実家によく電話をかけていました。特別何かを話すというわけではないのですが、寂しいから電話をかけて、声を聞いてホッとするという感じで」
 
――大久保家の教育方針があれば教えてください。
 
「挨拶、礼儀、ご飯の食べ方などに関しては厳しかったですよ。しかも、小学生の頃は僕は悪ガキだったので、とくに(笑)。窓ガラスを割ったり、何かをして怒られた時に、自宅にある金魚鉢を割り、母親に暴言を吐いて逃げたこともありました。本当にやんちゃな子どもでした。ただ、勉強に関しては、ほぼ何も言われなかったですね。中学校や高校の時は、赤点を取ると練習をさせてもらなかったので、テスト前だけは必至に勉強していた記憶があります。でも、中学1年、そして高校1年の時は、テストの点が悪くて、あまりサッカーをしていない記憶が(笑)。中学1年の時はほぼ副審しかしていなかったですよ(笑)」
 
――その頃には自分の武器はこれだ!と理解していましたか? また、それを伸ばすためにどんな練習をしていましたか?
 
「中学校の頃は、グラウンドにコーンを置いて、チームの練習をする前に、ひたすらドリブルの練習をしていました。本当に周りはうまい選手ばかりだったので、その誰にも負けたくないという気持ちが強かったからこそ。当時は朝5時から練習していたのですが、それぐらいやらないといけないという気持ちが強かったです」
 
【後編】J1得点王と再び代表をめざして>>
 
 
130815_601_250.jpg
大久保 嘉人//おおくぼ・よしと
1982年6月9日生。福岡県出身。川崎フロンターレ所属。 長崎県の国見高校では3年生の2000年度、インターハイ・国体・全国高校サッカー選手権で3冠を達成。2001年、セレッソ大阪が多くのJクラブの中から獲得し、Jリーグ第2節の浦和レッズ戦で途中出場ながらデビューを果たす。2004年7月にU-23日本代表としてアテネオリンピックに出場し2得点を記録。この活躍が認められ同年11月にはスペインのRCDマジョルカへ期限付き移籍となった。以降はセレッソ大阪、ヴィッセル神戸、VfLヴォルフスブルグ、ヴィッセル神戸へと移籍し、2010年6月にはFIFAワールドカップ南アフリカ大会に出場。2013年に川崎フロンターレへ完全移籍となり、第23節終了時点で得点ランキングトップの18ゴールをマークしている。
1
取材・文/石井宏美 写真/新井賢一

関連記事

関連記事一覧へ

インタビューコンテンツ一覧へ(130件)

コメント

  1. サカイク
  2. コラム
  3. インタビュー
  4. 川崎F・大久保嘉人「ドリブルに磨きをかけた少年時代」

Pickup

サッカースクール検索サイト ケリなび

週間記事ランキング

  1. 球際の競り合いで勝てるようになる!ルーズボールを奪う3つのコンタクトスキル
    2016年12月 5日
  2. 投げ出さないように"契約"を結ぶ? バディスポーツ幼稚園の「子どもの"やる気"を引き出す」6つのコツ
    2016年12月 7日
  3. ジュニアユースと学業の両立どうなんだ問題
    2016年12月 9日
  4. バディスポーツ幼稚園に学ぶ「子どもの"積極性"を育む」子育て7つのコツ
    2016年12月 2日
  5. 正確に止めて蹴るプレーが速さにつながる!その秘訣は「軸足」と「姿勢」にあり
    2016年12月 1日
  6. 押し出すインサイドキックはNG?長い距離でも減速しない正確で速いパスの蹴り方
    2016年11月28日
  7. ウチの中でも簡単にできる!こっそりサッカー自主トレーニング
    2012年6月26日
  8. 『リスペクト宣言』って知ってる⁉ 公式戦で大声や怒声を響かせるのは、もう止めよう
    2016年11月30日
  9. サッカー少年を伸ばす親はなにが優れているのかがわかる記事7選
     
  10. ジャージorピステ 寒い日に用意したいのはどっち!?
    2011年10月16日

一覧へ