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親子でチャレンジ

親子で応援しよう高校サッカー!「子どもに感じてほしいこと編」

2011年12月28日

キーワード:観戦術高校サッカー

サッカーの枠を超え、箱根駅伝と共に年末年始の風物詩となっている「全国高校サッカー選手権大会」。第90回の節目を迎える今回も12月30日(金)から翌年1月9日(月)なで、東京・国立競技場をはじめとする関東各会場で、47試合の熱戦が繰り広げられます。では、サカイクを読むジュニア年代の親御さんたち、子どもたちはこの大会をどんな目線で見ていったらいいのでしょうか?
 
1989年度(平成元年度)の第68回大会で愛媛・南宇和高校のキャプテンとして全国優勝を経験。「大西貴の親子でサッカーを楽しもう!」でもおなじみの大西貴さんに、大会のみどころを「選手権大会のいまむかし編」「子どもに感じてほしいこと編」に分けて解説してもらいました!今回は高校選手権を通じて学べることを大西さんの選手、コーチ体験談も交えて語って頂きます。
 
「選手権大会のいまむかし編」から読む>>
 
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↑1つのゴールが未来を切り開く(徳島県大会決勝から)
 

■全国高校サッカー選手権は「今までやってきたことが試される」場

――高校3年生にとって選手権は高校サッカー生活の終わりとなる大会です。
 
大西「その意味で選手権は区切りとなる大きな大会です。試合に出ることができない3年生にもそれぞれの立場、想いがあるし、スタンドを含めた全体の雰囲気があります」
 
――私が全国高校サッカー選手権を取材していても、ピッチ上だけでなく、ベンチ、スタンドを含めた部分で試合を作っている空気はあります。
 
大西「だから人の心を動かせるんだと思います。そこは日本サッカー文化の原点。なくしてはいけない部分だと思います。
 でもその一方で、私たちはこの大会は選手として、ないしは人生の中で、あくまでも通過点だということを周りが理解して捉えてあげないといけません。全国高校サッカー選手権はアーセナル(イングランド)にいる宮市亮(FW)だって中京大中京(愛知)で2年・3年と初戦敗退している大会。彼らがプレーヤーとして目指すのが世界なのか、日本なのか、全国大会出場なのかによって、その意味も変わってきますから」
 
――となるとジュニア年代としては、サッカーの技術的ところ以外の部分もみてほしいところですね。
 
大西「もちろん、今大会もFWでは白崎凌兵くん(山梨学院大付・J1清水内定)、鈴木武蔵くん(桐生第一・J1新潟内定)、MFでは藤村慶太くん(盛岡商・J1仙台内定)と、Jリーグに進む選手もいます。ただその他にも、試合を通じて見えるかかわりの深さや、トーナメント戦ならではのジャイアントキリングが起こる面白さ、原因もみてもらいたいですね」
 
――優勝本命といわれている学校は、「勝って当然」というプレッシャーとも闘わなくてはいけませんからね。
 
 大西「そうですね。ただ、僕らの現役時代は県大会で『シュートを相手に撃たせない』という高いモチベーションを持っていました。そこは現在の高校生に対して物足らなく思っている部分でもあります。感情を出すことが少ない。出さないことが美学なのかもしれないし、常に出し続けることも問題ではありますけど、感情を表に出さなくてはいけない時は絶対にあるんです」
 
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↑みんなが一緒になって喜ぶ。それも高校サッカー(愛媛大会決勝より)
 
――その意味で、全国高校サッカー選手権は感情を出しやすい、選手たちの志が出やすい大会でもありますよね。 
 
大西「感情を出しやすい大会ですし、力を試される大会。みんなが感情移入しやすい大会だとも思います。そのような感情の出し方を子どもたちには感じてもらいたいし、見られていることに慣れや喜びを感じられるかどうかですね。『僕たちのやってきたことはこれです』と言って、そのやってきたことを自信を持って見せ、出し切れるかどうか。そこがこの全国高校サッカー選手権では試されるんですよ。
 
サッカーの方法はいろいろありますし、相手に合わせるサッカーもありだとは思いますが、育成年代のこの大会にかんしては自分たちのやってきたことを見せることが大事。相手に合わせるにしても個人をそこで見せないと意味がない。戦術的にあわせることは必要ないと僕は思います」
 
――実際、相手の知識としてはあってもいいですけど、それに全部振り回されることはないですからね。
 
大西「相手を見ることはありですけど、相手を理解した上で自分たちのよさを追い求めていく。そこで色々な課題は出てくるとは思いますが、それでも自分たちがこれまでやってきたことをやり通す。こだわりを出すことが育成年代にとっては大事なことです」
 
――全国高校サッカー選手権では、戦術的に相手のやり方に合わせるケースはあまりありません。となると、私たちはそこを見ていくことが必要になってきますね。
 
大西「そうすると、自分たちのやってきたことがどのレベルにあるかわかるんですよ。試合中は我慢も必要ですが、もし我慢できなければ試合が壊れてしまうこともあると思います。でも、それも自分がこれまでやってきたことの結果。そこに対して言い訳をしてもしょうがないんです」
 
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↑組織をもって個を制する(香川県大会決勝から)
 

■お兄さんたちを応援する中でサッカーのレベルを知ろう!

――さらに全国高校サッカー選手権は各都道府県の代表校が一同に会して闘う。よって選手たちの周りにも色々な感情が生まれる大会でもあります。
 
大西「もちろん彼らは都道府県の代表。ですから、結果に対していろいろなことを言われる方もいらっしゃるとは思います。でもそれも彼らがやってきたことの成果。それで都道府県大会を優勝したとなれば、批判されるのは代表校に負けたチームの側です」
 
――そうですね。
 
大西「負けたら誰だって悔しいんです。僕自身も松山北高校のコーチとして毎年悔しい思いをしていますから。でも、僕は負けるのは指導者としての甘さとして捉えていますし、原因は必ずどこかにあって、その結果として勝ち負けが出てくるんです。敗戦に対しては純粋に反省し、次のステップに活かしていくことが大事なんですよ」
 
――子どもたちもそういった視点で見ていくことが確かに必要ですね。先ほど大西さんが言われたように、全国高校サッカー選手権の代表校は、同時に私たちが住んでいる地域のサッカーを代表する学校なわけですから。
 
大西「そうなんです。だって、ジュニア年代の皆さんにとっては、高校生は隣のお兄さんですよね?そんな憧れの存在であるお兄さんが全国大会で必死になってプレーしているんですから、応援したくなるのが当然だと思うんですよ。
 
県大会でできたことが全国大会でできないこともある。それは皆さんにとって、練習試合でできたことが公式戦でできない悩みと全く同じなんです。できなかったら、次にどうやったらできるかを、チームとしても、監督としても、個人としても、もちろん親御さんも含めて考えなくてはいけない。
 そして、その原因は緊張感だったり、メンタリティの部分だったりするんです。全国での緊張感はすごいですし、特に高校生はそこが占める部分が大きいですから」
 
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↑信じられないプレーが生まれるのも高校サッカーの特徴(ラストプレーで決勝点の高知大会決勝より)
 
――3年前、大西さんがコーチをされている松山北高校が46年ぶり2回目の出場を果たした時も、初戦途中から完全に会場の雰囲気に呑まれてしまいました(國學院久我山高校と対戦し、1対7)。
 
大西「あの試合では雰囲気に呑まれて、しかも我慢ができなかった。なぜなら、県大会では常に自分たちがペースを握って試合をしていたことで、相手のペースでの試合経験を積んでいなかったからです。でも、その経験を踏まえたことで今後の指針はできましたし、僕らの場合はJリーグユースチームとの遠征での練習試合をするようになったわけです。今年はリーグ戦が増えて遠征に行けなくなったので、大学生との練習試合で当たりの強さを体感するようにもしています。
 
ですから、ジュニア年代の皆さんもまずは私たちの代表であるお兄さんを応援していきましょう!そして、お兄さんのできたこと、できないことを見て、今後もぜひモチベーションを持ってプレーしてほしいと思いますね」
 
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大西 貴(おおにし・たかし)//
1971年・愛媛県生まれ。南宇和高では主将として1989年度の第68回全国高校サッカー大会制覇。福岡大を経て1994年に広島へ入団し主にDFとして広島で3年間、京都で1年間プレーしJ1・21試合に出場。広島時代はマンチェスター・ユナイテッドへの短期留学も経験する。そして1998年には当時四国リーグ所属だった愛媛へ里帰り。愛媛FCでサッカースクールコーチを務めつつ2001~2003年には選手兼監督・2004年には監督専任で4年間JFLでも采配を振るった。その後は2年間の愛媛ユース監督経験を経て、現在は愛媛県立松山北高コーチ、スカパー!愛媛中継解説者として活躍中。日本サッカー協会公認A級ライセンス保持。
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取材・文・写真/寺下 友徳

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