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2018年7月27日

バルサアカデミーを通して日本の育成を改革する。バルサのコーチが徹底して行う選手を伸ばす「仕掛け」とは

キーワード:FCバルセロナイニエスタセレクションタルハニ在哉バルサアカデミー久保建英

2018年9月に東京都品川区で開校する「FCバルセロナアカデミー品川大井町校」。日本で5つ目となるバルサスクールの開校に先立ち、FCバルセロナのアジア パシフィックインターナショナル プロジェクトマネージャーのトニ・クラベリア氏が来日。日本でバルサアカデミーを運営するAmazing Sports Lab JAPAN代表・浜田満氏とともに記者会見を行いました。

会見ではバルサの哲学を始め、子どもたちの育成など様々なテーマについて話が飛び出しましたが、ここではバルサや浜田氏が考える育成について、興味深いトピックスを紹介します。(取材・文、写真:鈴木智之)

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■低学年の指導者が悩む「団子状態」を解決するバルサの指導法

日本に5つの拠点を持つバルサアカデミー。育成の特徴は、一番下のカテゴリーである6歳の時から、サッカーの技術だけでなく、戦術的な考え方も段階を踏んで学んでいくことです。幼稚園生や小学校1、2年生の子たちに、どのように「バルサのサッカー」を教えるのでしょうか? 浜田氏が説明します。

「たとえば、幼稚園や小学校低学年の子どもたちの試合をすると、よく見られるのがボールに集まって入り乱れる『団子サッカー』です。バルサのコーチは子どもたちが『団子サッカー』をしていたときに、解決する指導法を持っています。子どもたちがボールに集まってしまったときにはプレーを止めて『グラウンドのどこに空いている場所があるかな?』と問いかけます。『空いている場所に移動してごらん』と言うと、子どもたちはそれぞれスペースへ移動し始めます。そこでプレーを再開するのですが、すぐにまた団子サッカーに戻ってしまいます。そこでまたプレーを止めて、同じように『どこが空いている?』と問いかけ、子どもたちにヒントを与えます。これを繰り返していくと、1時間もすると団子サッカーではなくなり、子供たちはボールを受けられそうなところで待つようになります。」

バルサのコーチは、「この状況ではどんなプレーが良いかな?」という趣旨の問いかけを通じて、子どもたちのプレーを、バルサが考える良いプレーへと導いていくそうです。それは相手が6歳でも12歳でも同じです。それを浜田さんは「トレーニングの中に、子どもたちが自分で発見できるような仕掛けがほどこされている」と表現します。

頭ごなしに、ああしろ、こうしろ、それは違う、ここに動くんだと指示をすると、その時はコーチの言う通りに動くかもしれません。しかし、それはただ指示に従っただけであって、「なぜそうするのか」という理由はわからないまま。つまり、何も学んだことにはなりません。

「質問をして正解を導き出すような設定を作るのは骨の折れる作業なので、やろうとしてもなかなか続きません。でも、バルサのコーチは徹底してやり続けます。そこは、日本の一般的なコーチと違うところかもしれません」

■子どものために、と思っても親が先走らないよう注意しよう

さらにアジア パシフィックインターナショナル プロジェクトマネージャーのトニ氏は「監督と選手、そして保護者の三角関係がうまくいってこそ、育成が成り立つと思っています」と付け加えます。

「クラブには監督がいて選手がいて、保護者がいます。その三角関係をうまく成立させることが大切です。保護者は監督にリスペクトの気持ちを持って接して欲しいですし、それぞれの役割を理解した上で、良い関係を築いていって欲しいと思います。監督には監督の仕事があり、その役割を尊重していただくこと。そして保護者の皆さんはお子さんに対して、うまくいかなかった時に勇気づけたり、愛情を示すこと。それが保護者の役割だと思います」

子どもたちにとって、保護者のサポートは欠かすことのできないもの。浜田氏は「12歳ぐらいまでは、サッカーに対する本気度は子どもによって違います。子ども自身が向上心を持っていない段階で保護者が過剰に関わると、うまくいかないことが多いです」と話し、次のように説明します。

「子ども自身が本当に上手くなりたくて、色んな経験をしたいという気持ちが高まった時に、保護者が『こういうイベントがあるよ』『こういう監督がいるよ』『こういうスクールがあるよ』と、子どもが知り得ない情報を提供してあげると良いと思います。親の気持ちが先走って、子どもにその気がないのに与えようとしてもうまくいかないので、子どもと目線を合わせながら、サポートしてあげると良いのではないかと思います」

■久保建英、タルハニ在哉らトップレベルに到達する選手たちの「共通点」

「FC バルセロナのアカデミーを通して、日本サッカーの育成を改革していきたい」と語る浜田氏。バルサアカデミーやU-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ、久保建英選手のバルサ加入のサポートなどを通じて、多くのプロを目指す子どもたちと関わってきた視点から「トップレベルに到達する選手の共通点」をみつけたそうです。

「久保くんにもしても、エスパニョールにスカウトされたタルハニ在哉くんにしても、高いレベルに到達する選手は学ぶ姿勢が明確にあり、わからないことは納得できるまで聞く。自分のことを特別視していないので、周りから評価されたとしても満足せず、『今日の自分より、明日の自分の方が良い選手になれるように』という価値観でトレーニングをしているのを見てきました」

プロになれる選手は、およそ1万人に1人。非常に狭き門で、ジュニアからプロになるまで、順風満帆に進む選手はほとんどいません。

評価されない、うまくいかないことがあっても腐らずにやり続ける。その中で花開くときもあれば、そうではないこともあります。サッカー選手になれるのは確率的にはかなり低いですが、将来社会に出て行く中で、バルサのアカデミーで学んだこと、身につけたことを胸に巣立っていき、結果としてプロになれるのなら素晴らしいことだと思います」

日本のバルサから将来、どんな選手が生まれてくれるのか。子どもたちの成長が楽しみです。

★大井町から徒歩5分
FCバルセロナアカデミー品川大井町校
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文、写真:鈴木智之

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