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誰でも速くなるサッカーのスピードアップ講座

2017年1月24日

地方クラブが世界大会で準優勝!その原動力は「試合経験」と「選手の自立」

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昨夏、世界各地から強豪クラブが集まる「ダノンネーションズカップ」で準優勝し、2016年度の全日本少年サッカー大会でもベスト8に進出するなど、結成7年目にして、強豪の地位を確立しつつある、ヴァンフォーレ甲府U-12。チームを率いる西川陽介監督にトレーニング内容や指導方針について、話を聞きました。(取材・文:鈴木智之)
 
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■体格差のある相手を怖がらずに戦えた要因は「試合経験」

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「ダノンネーションズカップ」は1試合20分のレギュレーションで、1日3試合を戦います。試合時間の短さから、直線的にゴールを狙ってくるチームも多く、オランダやフランス、ドイツの選手とは身長差が十数センチあり、体格差は明らかです。そんな中、ヴァンフォーレ甲府U-12の選手達は、先にゴールを奪われても焦ることなく冷静に戦い、少ないチャンスをしっかりものにして勝利をつかみとります。
 
「うちの選手達は、ヨーロッパの選手と比べると小柄ですが、個々の技術、ボールを止めて蹴る部分は通用していましたし、現地でも評価してもらうことができました。相手の寄せは日本で経験している時より速く、力強かったですが、逃げずに戦うことができたと思います」
 
西川監督は、ヨーロッパの体格の大きな選手に対して、怖がらずに戦うことができた要因を「試合経験」にあげます。
 
「数年前までは山梨県内でしか試合をしていなかったのですが、県外に出て関東のチームや海外のチームと試合をすることで、多くの刺激を受けられるようになりました。ピッチの外ではホームステイをしたりと、様々なアプローチをしてきたことが徐々に実を結んだのかなと思います。ダノンネーションズカップの前には、ヴァンフォーレ甲府U-15(中学生)と試合をすることで、スピードとパワーで上回る相手との試合を経験できたのも大きかったです」
 

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■ピッチの中では子ども扱いしない

西川監督はジュニアの選手たちに「相手がいる中で生きる技術を、3年間で習得してもらいたい」と言います。技術の中にはボールを扱うものもあれば、自分の体をイメージどおりに操ることも含まれます。

「練習では、プレッシャーを受けながらプレーする、相手をかわす、ボールを動かすというサッカーの基本となる技術を高めるとともに、年間300試合ほど行う中で、技術だけでなく戦う気持ちも高めていきます。試合の動きにつながるアジリティやステップワーク、方向転換、走りのフォーム作りに関しては、トップチーム・フィジカルコーチの谷(真一郎)さんに教わりながら取り組んでいます。かなり成果は出ていると感じますね」
(注・谷さんのトレーニング詳細については、次回の記事を参照)
 
そんな西川監督が意識しているのが、ピッチの中では子どもを子ども扱いしないこと。
 
「小学校5年生であれば、なぜそのプレーが良いのか、悪いのかという答えを持っています。だからこそ、私は彼らのサッカー感やピッチの中で感じたことを大事にしたいんです。子どもに合わせて、大人の目線を下げる必要はないと思っています。もし、選手達がわからなければ聞いてくるし、時にはぶつかることもあります。でも、選手は自分の考えを持つことが大切で、自分の意見を元に我々指導者と話をすることで、学ぶこともある。そうやって一皮むけてくれると、大人のサッカー選手へと階段を昇ることになる。12歳はそういう年代だと思います」
 

■自立をうながすには保護者のアプローチも大切

子どもを大人のサッカー選手へと成長させるためには、保護者の子どもに対する接し方も大切です。
 
「我々指導者もそうですが、保護者の方も、子どもを長い目で見るというか、我慢することも大事なのかなと思います。この前、試合に遅刻して来た子がいたのですが、まず謝りに来たのがお母さんなんです。『すみません。私がかけた目覚まし時計が鳴らなくて…』と。そこで私は『遅刻してきたのは子どもなのに、なぜお母さんが謝るのですか』と言いました。なんでも親が先に動いて手をかけてしまうと、子どもが自立するチャンスがなくなってしまいますよね」
 
サッカーはピッチの中で自分で考えて判断し、決断しなければいけないスポーツです。選手の自立をうながすアプローチは、サッカーの技術、戦術的な指導と同じぐらい重要なものと言えます。
 
「年齢が下の選手の中には、試合中、ベンチにいるコーチや保護者の顔を頻繁に見る子もいます。それがなくなったときに、選手として成長したな、自立してきたなと感じます。子どもって、大人の扱い方によって変わっていくんですよね。こちらが子どもを大人扱いすれば、そのように振る舞いますし、子ども扱いすれば甘えます。子どもを大人扱いするときと、子ども扱いするときのバランスが大事なのだと思います」
 
次回の記事では、ヴァンフォーレ甲府U-12が取り組む、フィジカルトレーニングを紹介します。
 
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西川 陽介(にしかわようすけ)/
1977年生まれ、東京都出身。日本体育大学を卒業後、オランダへ渡りUEFAB級ライセンスを取得。オランダのFCユトレヒトなどでコーチを経験した後、日本に戻り、ヴァンフォーレ甲府ユースコーチ、ジュニアユースコーチなどを経て、ヴァンフォーレ甲府U-12監督に就任。昨夏のダノンネーションズカップでは国内予選を勝ち抜き世界大会へ出場。決勝でドイツ代表のドルトムントに敗れるも世界2位にチームを導いた。
 
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(取材・文:鈴木智之)

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