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U‐12ジュニアサッカーワールドチャレンジ2019

【独占インタビュー】 バルサ監督がU-12年代の選手に求める「FCバルセロナの一員」としてのふるまいとは

公開:2019年9月 3日 更新:2019年9月30日

キーワード:U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジイニエスタシャビスペインチャビバルサバルサアカデミーバルセロナポゼッションリスペクトワーチャレ

9月1日(日)にナイジェリア選抜の優勝で幕を閉じた「U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ 2019」。日本のジュニア選手たちに世界の強豪と戦うチャンスを提供してきたこの大会は、第一回からFCバルセロナのU-12チームが参加。これまでの大会では世界レベルの技術、判断力などサッカーの技術のみならず、対戦相手へのリスペクトなど、日本の選手たちのお手本となるふるまいを見せてきました。

今回サカイクでは大会を目前に控えた8月28日(木)に、FCバルセロナのU-12を率いるアルベルト・プッチ監督に独占インタビューを行いました。合同練習に参加した日本の選手たちの印象や、9月に新学期が始まる欧州勢にとってチームが始動して間もないタイミングの試合となるこの大会で選手たちに何を求めているのか、ポジションごとに求めるプレーなどをサカイクだけにお話ししてくれましたので、ぜひご覧ください。

(取材・文・写真:貞永晃二)

 

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今大会でFCバルセロナU-12の監督を務めたアルベルト・プッチ監督(C)貞永晃二

 

■日本の選手の技術レベルは高い

――28日の合同練習での日本人選手(バルサ・アカデミー3校)の印象は?
アルベルト・プッチ監督(以下、アルベルト):最初に練習を始めたときの印象は、技術面では高いレベルだなと思いました。近年、日本サッカー全体で見ても毎年、毎年成長していると感じるし、日本代表選手でもスペインのラ・リーガでプレーしている選手もいます。これから日本サッカーはどんどん進化していくのかなと思います。

 

――この大会に参加する意義をどう感じていますか?
アルベルト:この選手たちは昨シーズンまで7人制のサッカーをしていて、先週から新シーズンに入って、この1週間11人制でトレーニングして、今大会に参加することでバルサというクラブが持っている戦い方というのをうまく落とし込むことができればと思っています。そこからシーズンの始まるにつれて、どんどんクラブのサッカーをチームに落とし込めればいいと思っています。

 

――私たちはバルサを常に勝たなければならないクラブ、というイメージで見ていますが、どう考えていますか?
アルベルト:もちろんこの大会でも勝たなければいけないということもあるのですが、それと同時に選手たちがこれから成長して、1つの夢であるトップチームでのプレーが実現できるように助けていきたいと思っています。

 

 


■「チャビ、イニエスタのように......」ポジション別、選手たちに求めるプレー

――選手たちにポジショごとにどんなプレーを求めていますか?
アルベルト:まず基本的なフォーメーションとしては「4‐3‐3」で戦っています。それはトップチームと同じですが、ヨハン・クライフ氏が築き上げてきたプレースタイルを私たちは継承しています。

 

まず、バルサのゴールキーパー(GK)は、例えば味方がボールを保持している時にパスコースを作ってパスを受ける。また、パスを出すというような足元の技術を求めています。さらに、バルサはボールポゼッションをするチームなので、自分たちがボールを保持する時間が長くなります。そういったときに、ディフェンスラインの裏のスペースをケアすることを求めています。

 

次に、サイドバックには上下運動を求めますし、攻撃だけでなく守備もできるように求めます。

ウイングには、パスを相手ラインの裏にあるスペースに走りこんで受けるのか、足元で受けるのかをしっかり状況判断することと、ボールを受けたときの1対1が大事です。相手陣内に入って1対1で相手を破って、ペナルティエリアに入ってシュートや、クロスを上げることです。

 

センターバック(CB)には攻めている時の背後のスペースのカバーリングと走力を求めています。そして、クラブとして一番大事にしているのはビルドアップです。ディフェンスラインから攻撃を組み立てるために、足元の技術をCBに求めますし、そこからプレーが始まることを考えると一番大事なポジションかもしれません。

 

次はミッドフィールダーです。スペインでピボーテと呼ぶポジションの選手には、基本的なサッカーの技術の高さを求めます。ボールを保持している味方選手に対して近づくだけでなく、離れてパスコースを作る。さらに重要だと考えているのは、体の向きです。相手がプレッシャーをかけてきているのか、いないのか、ピッチ全体が見えるような体の向きを作れることです。チャビやイニエスタのような選手を目指すということですね。

 

 

■「バルサの一員」として選手たちに求めていること

――U-12年代の指導者として意識していることはどういうことでしょう?
アルベルト:今バルサの選手たちに教えていることは、バルサのエンブレムを付けて日本遠征に来て活動している中で、ピッチ外での1人の人間としてのふるまいを大事に教えています。ピッチ内については、バルサのプレースタイルでプレーする中で、私たちが教えていることを選手たちがうまく出せるように練習や試合でサポートしています。

――3年前のこの大会で優勝したバルサの選手が敗れた大宮の選手に声をかけて慰めていました。ああいうふるまいも指導しているのですか?
アルベルト:あの瞬間は選手たち自身から自然に出たアクションだと思いますが、その背景にはコーチの教育があります。レフェリーをリスペクトすること、相手チームをリスペクトすることも指導していますし、シーズンを通してバルサが負けることもあるので、負けたときにどうふるまうか。負けることで相手の気持ちも考えられるわけです。

バルサでプレーしながら、人間として成長してもらうために教えています。シーズン最初のミーティングでは監督から、練習場ですれ違うすべての選手、スタッフに握手や挨拶をするように求めました。日本でもレストランやホテルでほかの人に触れ合う機会には、挨拶などプロとしてのふるまいを求めています。

――試合に選手全員を出すというスタンスについて教えてください。
アルベルト:プレシーズンにこの大会に参加しているのですが、選手24人全員がプレー時間を持てるように、コーチたちは考慮しないといけません。シーズンに入ると出場時間が長い選手と短い選手ができるのは避けられませんから。

(今の時期は)クラブの考え方として、選手全員に成長してもらうためにプレー時間の確保が求められます。それができないならコーチとしての責任になると思います。例えば前半と後半で選手を交代させることで、選手全員が今大会を通していい経験ができるように、さらにはグループの中での競争心を作れるように努めています。

 

【結果】U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ2019 公式ホームページ>>

 

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【2018年】3連覇狙うバルサが日本チームに大苦戦
【2017年】「ソルティーロ世界選抜」躍進の影に本田圭佑の哲学
【2016年】バルサ選手のふるまいに世界中が大絶賛
【2015年】バルサに勝った東京選抜が見つけた世界との差
【2014年】バルセロナに0-9で負けたチームが学んだこと
【2013年】久保建英選手が「バルサの選手」として出場

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取材・文・写真:貞永晃二

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