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U‐12ジュニアサッカーワールドチャレンジ2018

「常に自分の後ろで...」バルサ中盤のアメリカ人選手が試合中いつも意識していること

公開:2018年8月25日 更新:2018年8月29日

キーワード:アーセナルガンバ大阪ジュニアサッカーワールドチャレンジバルセロナヴィッセル神戸

8月24日(金)、U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ2018の2日目が行われました。懸念された台風は通過しましたが、初日よりもかなり強い風が吹き続けた中で選手たちの真剣勝負が繰り広げられました。

順延された試合も無事消化されて、決勝トーナメント進出8チームが決まりました。注目を集めているFCバルセロナはワールドチャレンジ街クラブ選抜と1-1で引き分けましたが2勝1分で首位突破、準々決勝でグループD・2位FCパーシモン(神奈川)と対戦することになりました。

(取材・文:貞永晃二、写真:三浦卓)

<<初日:パターンはあるが自由が無い。バルサ監督が語った日本チームの明確な「違い」

街クラブ選抜.jpeg

街クラブ選抜と対戦(C)三浦卓

苦戦しながらも首位突破したバルサ

予選リーグ3戦目、バルサはワールドチャレンジ街クラブ選抜の粘り強い守備の前に苦戦し前半は0-0。後半早々に先制はしましたが、追加点を決められずにいると、試合終了間際に大成健人選手に同点ゴールを喫し1-1で引き分けました。

バルサのダビド監督は、前半途中という早い時間で選手交代をした理由について問われると、「理由は2つ。1つは中央で相手からのプレッシャーが早かったので、中央にクオリティの高い選手を置いて試合をコントロールしたかったこと、もう1つはただ単にスタメンの選手の集中力が欠けていたこと」と選手に厳しい態度で接したことを明かしました。リーグ最終戦だけに結果にもこだわったのでしょう。

また、選手交代については、「普段のリーグ戦では、バルサの考え方として、選手全員を大切に扱うということがあるので、できるだけ試合には出してあげたい。なので、できる限り同じようなポジションで交代させます」と選手の成長を優先していることをつけ加えていました。3試合を終えてダビド監督は、「7人制から11人制に変わりチーム構成を行っているところなのですが、そのことを除いても、予選リーグは思っていたよりもいい結果は得られなかった。決勝トーナメントでは試合内容としてももっとどんどん良くしていきたい」と振り返りました。

中盤8番のアドリアン選手はアメリカ人で、プレーの面ではチームにしっかり溶け込んでいる印象でしたが、チーム加入はわずか1週間前だというから驚きです。プレーで心掛けているのは「常に後ろで何が起きているか、選手が来ているかどうかを意識しながら、ボールを受けたら何ができるかを考えています」とコメント。

そして「目標の選手はイニエスタとチャビです。彼らは守備もできて、ゲームメイクもできるし、シュートも決める。すべてにおいて秀でた選手だと思うからです」とクラブの黄金期を築いた偉大な先輩を目標にしてしていると教えてくれました。

自身のアイドルでもあるイニエスタのJリーグ入りについては、「最初は少し戸惑いましたが、イニエスタが新しい道を歩んで、新しい挑戦をしてくれるのをとても嬉しく思っています。バルサの伝説となった選手ですから、日本でもうまくやっていけると思います」と大人びた言葉でした。バルサらしい"上手くて賢い"選手だという印象です。

アーセナル監督が語る混成チームの良さ

グループDで首位通過を決めたアーセナルFCですが、2試合を終えた時点では2位でした。最終戦でヴェルディサッカースクール岩手に5-1で勝利し、首位北海道コンサドーレ札幌U-12がFCパーシモンに1-3で敗れたため逆転で首位抜けを決めました。

2年前までは現役プロ選手だったというアーセナルのアダム・バーチャル監督は、3試合を終えて「とてもいい感じです。今回の長距離遠征はアメリカ・ダラスでのトーナメントに参加し優勝して以来になりますが、選手たちは日本のこの環境に身体的にもフィットしていますし、日本の選手たちのプレッシャーが思ったよりも強くて、最初パスを回すのに苦労しましたが徐々に良くなってきました」と首位でのベスト8入りに安堵した表情でした。

監督には選手育成についての考え方を質問できましたのでご紹介します。「まず勝つことよりも、そこに至るまでのプロセスの方が重要です。コーチとして大事にしているのは、選手との信頼関係です。それはコーチとして高いレベルに行くには選手から信頼されないといけないし、選手のためにも彼らを信頼することが大切だと思っているからです」。

コーチキャリアこそ短いバーチャル監督ですが、アーセナルがその指導力を認めた人物であることがよく分かりました。「選手たちは今回はU-13U-12の2学年の混成チームなので、選手の中にはこのトーナメントでみんなと初めて一緒にプレーするという子もいます。イギリスは日本と違って9月から新学期で、その区切りが違うので混成になるわけです。でもこの混成はいいことですよ。低学年の子は上の子にチャレンジしていけるし、年上の子の方は自分たちがお手本にならないといけないと考えますから、とてもいい経験になるのです」と今大会参加の意義を話してくれました。

イングランドでの試合環境について尋ねると、「プレミアリーグの下部組織のルールでは、U-12は練習グラウンドから1.5時間の距離に住む選手しか獲得できません。シーズンの最後にプレミアリーグのユースチームが集まる大会はありますが、U-12のリーグ戦というのはありません。フレンドリーマッチですね。リーグ戦があるのはU-18からです。それは、18歳以下では勝つことではなくそこまでのプロセスをしっかり身につけさせることを優先的に考えていて、勝利にこだわるのは18歳以降でいいという考えからです」日本ではU-12にもリーグ戦が始められていますが、イングランドのような育成の捉え方があることも知るべきでしょう。

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文:貞永晃二、写真:三浦卓

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