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「前からはめる」守備、小学生年代に教える時のポイントは? 味方との距離など自分たちで気づかせる方法を教えて
公開:2025年7月25日
■オシムさんが「日本人でCBができる選手がいない」と言った理由

以前、各都道府県協会のトレセンで12歳以下の研修会を受け持っていました。まず8人制で試合をすると、県トレなのでみんな上手です。
そこで「じゃあマンマークに変えるね」と自分のマークを決めさせると、途端にパスがつながらなくなります。全員マークされると、どうしていいかわからない。そんなことが日本で起きています。
オシムさんはかつて「日本人でセンターバックをできるやつはいないね」と話していました。
本当に危ないところに行く。もうここに行かないと失点するっていうところに外国人は行きます。ところが、日本人は自分のマークを捨ててその「最も危ないところ」に行けません。
自分のマークを見ていて離れないので、点をとられてしまいます。例えばJリーグで失点の場面を見ると、選手が「え? 今のは誰が行くの?」という顔をしています。自分は自分のマークを見ていたよ、と主張します。
そんな態度を、外国人のセンターバックは叱り飛ばします。俺はこちらをカバーしに行ったのに、おまえはどうしてここに来ないんだ? と言うわけです。いまだにそういうことが起きています。
オシムさんの指摘は間違っていなかったのです。そうなる背景には、日本の子どもたちが大人から言われたようにしか育っていない事実があります。海外に行った選手はそれを自分で修正したり、コーチに教えられて進化しています。
結論としては、「前からはめる」という戦術を子どもがやるのは、あまりいい傾向ではないと私は思います。
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池上 正(いけがみ・ただし)
「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。
大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。
12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。京都府内でも出前授業「つながり隊」を行い10万人を指導。ベストセラー『サッカーで子どもがぐんぐん伸びる11の魔法』(小学館)、『サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典』(監修/カンゼン)、『伸ばしたいなら離れなさい サッカーで考える子どもに育てる11の魔法』など多くの著書がある。
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構成・文 島沢優子
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