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中学生年代で習得必須なサッカースキルは何? おすすめのトレーニングを教えて

公開:2018年2月 2日 更新:2019年2月19日

キーワード:コーチング中学生判断力指導者池上正

「中学生年代で習得必須なスキルは何ですか?」と、中学生年代を指導しているコーチからご質問をいただきました。そのコーチは小6~中3までは判断を主体とした練習を積むことが大事だと思って指導しているそうですが、池上さんは技術ではなく個々の「ある能力」の差を埋める事が必須と言います。

これまでジェフユナイテッド市原・千葉の育成コーチや、京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターなどを歴任し、のべ60万人以上の子どもたちを指導してきた池上正さんはどのようなアドバイスを授けたのでしょうか。(取材・文:島沢優子)

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※写真はサカイクキャンプの写真です。質問者及び質問内容とは関係ありません

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<お父さんコーチからの質問>

こんにちは。中学生を指導している者です。

中学年代で習得が必須となるサッカーのスキルを教えてください。

自分としては、小学校4から5年生は技術が主体だと思いますが、6年生以降で中学3年までは判断を主体としたサッカーの練習を積むことが必要だと思って指導しているのですが、池上さんはどう思われますでしょうか?

また、おすすめのトレーニング方法があれば教えていただけますか。

<池上さんのアドバイス>

ご相談ありがとうございます。

中学生の指導についてのお尋ねですが、そこに集まった選手は恐らく技能にばらつきがあることでしょう。技術的なことは少しずつついてきますので気にしなくてよいのですが、個々でサッカーの理解度に差があるのでそこを埋める必要があります。

■個々の理解差を埋めるとは

例えば、小学生では攻守の基本を教える年代でもあります。DFのセンターやサイドバック、前線で言えばセンターフォワードの役割なども含め、「幅と深さ」を学ぶ必要があります。

「幅」は横の関係やスペース。「深さ」は、自分と、ゴールの最短距離になる縦の関係とスペースです。それには、随時トライアングルが生み出せる状態でポジショニングできると覚えやすくなります。つまり、常に3人以上がボールにかかわる関係です。

よって、私は少年サッカーの指導者に8人制でのシステムとして「1-2-1-2-1」+GKを勧めています。この形だとトライアングルと、幅と深さが理解しやすいから勧めているのです。ところが、最後尾のディフェンスがたった1枚なので、コーチのほうが「やられてしまう」と恐がってなかなかやらせません。

1枚のディフェンスの前に2枚います。その子たちが守備に下がったり、攻撃に上がっていくなどすればいいのです。さらには、その前のひとりも、その前にいる二人の中盤の選手たちも、ピンチになれば守りにいきます。

そして、攻撃になれば全員で攻め上がる、守備になれば自分の近くで危険を察知した子が止めに行く。そのように「全員攻撃・全員守備」の意識を植え付けてほしいのですが、そのような指導をしているチームは決して多くありません。

■与えられたポジションの仕事しかしない、を改善

少年サッカーは長く11人制でやってきたし、指導者自身も11人制しか経験されていないため、「DFは守備、FWが攻撃」というように、与えられたポジションの仕事しかしない小学生が少なくありません。

よって、中学生といえども、チャンスだと思ったらどんどんゴールに向かわせる指導をしてほしいと思います。2年生くらいまでは「チャンスだと思ったら、どんどん行っていいよ」と言ってあげましょう。全員で上がったら、カウンターでやられた――そんな経験をたくさんすればよいのです。

小学生も、中学生も、負けないサッカーを意識しすぎるからか、選手は常にセーフティポジションをとっていて、攻守の切り替えのスピードや攻撃回数が上がりません。中学生の試合を見ると、前線や中盤から後ろに戻すバックパスが本当に多いと感じます。そのような状況では、中学年代に必要なスキルが身につきません。

中学生で必須の指導は、端的に言ってしまえば、小学生で習得した技術にさらに磨きをかけることです。

中学生になると、体格や足の速さはだんだん個人差がなくなってきます。小学生時代のスピードやテクニックでは相手をかわせなくなる。同じ判断の速さや、パスの質、タイミングでは、ボールが通らなくなる。そんなことが起きてきます。

そこの精度をどう上げていくか。

そのためには、練習のミニゲームでも試合でも「全員攻撃・全員守備」を掲げましょう。これをやり続けるには、体力的に非常にハードです。よって、たくさんメンバーチェンジをし、出場している時間はフルにハードワークさせます。

次ページ:攻守の理解と「駆け引き」でサッカーが一段と面白くなる


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文:島沢優子

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