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あなたが変われば子どもは伸びる![池上正コーチングゼミ]

2018年1月26日

3対2や鳥かごをやっているけれど......基礎をしっかり身につけるには?

キーワード:コーチング基礎小学生指導者池上正

全員出場させて、楽しくたくさん試合を経験させたいお父さんコーチ。サッカー経験者だけど、小学生年代で基礎をしっかり身につけ、かつ楽しく練習する方法をどこまで取り入れるか悩んでいるそう。サッカーの経験に関わらず、同じ悩みを抱えるお父さんコーチは多いかもしれません。

これまでジェフユナイテッド市原・千葉の育成コーチや、京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターなどを歴任し、のべ60万人以上の子どもたちを指導してきた池上正さんはどのようなアドバイスを授けたのでしょうか。(取材・文:島沢優子)

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※写真はサカイクキャンプの写真です。質問者及び質問内容とは関係ありません

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<お父さんコーチからの質問>

地域の小学校サッカークラブを楽しく指導させてもらっているお父さんコーチです。息子(11歳)がサッカーを始めたのがきっかけで同じチームでお手伝いさせてもらってます。

私自身もサッカー経験者で、公認キッズリーダーと公認D級ライセンスを保有しています。練習は、やはりゲーム形式や2対1、3対2などが好きです。

リフティングもみんな輪になって行ったり、鳥かご(4対2)などが好きで取り入れています。

他のコーチは、有名スクールの基礎練習を取り入れている方もいますが、私はそのやり方をあまり好きになれません。

基本が大事と聞きますが、池上さんは、小学生年代の指導でどこまで取り入れたりしますか?

またゲーム形式では何分ぐらいを目安に行っていますか?

余談ですが、池上さんの本を読ませて頂き、確かに日本人は基本練習(クローズドトレーニング)が多いと感じました。他のチームを見ていると強いかもしれませんが、コーチが厳しくて、楽しそうにプレーしているチームがありません。

私が目指すスタイルとしては、全員試合に出して、楽しくたくさん試合経験させて、試合中もコーチング無しでも良いと思ってます。
(もちろんナイスプレーは褒める、また問いかけて、子ども自身に考えさせる、など状況に応じて対応します)

ガミガミ言うコーチもいるのは確かですが、正直戸惑っています。

子どもたちが基礎をしっかり身につけ、かつ楽しく練習できる方法を教えていただけませんでしょうか?
よろしくお願いいたします。

<池上さんのアドバイス>

ご相談ありがとうございます。

相談者様が書かれているような2対1、3対2、もしくは4対2や鳥かごなどの対人練習を行うのはいいことです。ただ、鳥かごなど終始攻防のあるメニューをやらせた場合、最後に「方向性のあるものにしていていない」ことが気になります。

■サッカーはゴールを目指すスポーツ

「方向性」とは「ゴール」のことです。どの方向に向かってボールを前進させていくのか。それはゴールを目指すためにほかなりません。

ところが、小中高とどのカテゴリーも、練習の際にゴールを設けていないため、それぞれのパスが「つなぐためのパス」なのか、「攻め」なのか、ひとまず相手のプレッシャーから「逃げる」パスなのかハッキリしません。

ゴールがないということはゴールに向かわなくていいということです。そうなると、ただただ相手に取られないようボールを回します。すると、一見スムーズに回るため、自分たちが上手くなったと錯覚してしまいます(指導者も錯覚しがちです)。

このように、4対2や鳥かごなどの対人練習をゴールを決めて練習していないチームは、「じゃあ、ゴール置いてやってみて」と言ってやらせると、まったくつなげなくなります。4対2の鳥かごは上手いけれど、4対2でゲームをすると点が取れないわけです。

よって、これが8人制や11人制の本当の試合になると、前にパスが出ても、他の選手がその攻撃に追い付いていません。例えば、センターフォワード(CF)にボールが入っても、他の選手が追い付けないため、またボールを下げて攻撃をやり直すことになります。速く攻められないため、常に遅攻になります。

このような場面はどのカテゴリーでも、いっぱい見かけます。つまり、連動できないのです。

どんなサッカーがしたいですか? と問われたら、選手もコーチも「人とボールが連動するサッカーを」と口にするのをよく聞きます。それ自体理想ですし、そうあるべきです。ただ、そうなるようにゴールをつけて練習していない。だから、できないのです。

■小学生年代の「基礎」とは

「どんな練習をしたらいいか」
「どのメニューが効果的ですか?」

みなさんからよく聞かれる質問ですが、このように一つひとつのメニューをこなすときに、その都度「ゴールをつける」ということをぜひ意識してみてください。

小学生の6年間の「基礎」は、最終的に「4人対4人」のなかで幅と深さを理解させる。サッカーのセオリーを理解させることだと思います。

コーチはそれらを踏まえて、子どもたちが自分たちでうまく試合ができるよう、サッカーが楽しくなるように、指導をしてほしいと思います。

ゲーム形式の練習をどれくらい取り入れているか?

私が今オススメしているのは、1日の練習が、(M-T-M) マッチ・トレーニング・マッチになっているようにすることをオススメしています。例えば90分の練習であれば、最初の20〜30分試合をし、その中から練習を組み立てて、30分間練習、その後、30分程度の試合をするというものです。

また、相談の方が書かれた文の中でひとつ気になったことがあります。

「全員試合に出して、楽しくたくさん試合経験させて、試合中もコーチング無しでも良いと思っています」とありますね。

全員試合に出すのは当然のことです。ただ、試合中にコーチングはしてもいい。場合によってはするべきときもあります。それは「右にパス!」などとプレーを指示するものではありません。

「今日の目的は何だった?」
「何のために試合をしているの?」
といった問いかけです。

次ページ:「試合をする意味」を大人が正しく理解すること


コーチからの質問に池上正さんがお答えします

※質問の文言をご紹介させていただくこともあります。その際はプライバシーには配慮します。

あなたが指導しているチームの年代を教えてください必須

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文:島沢優子

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