楽しまなければ勝てない~世界と闘う“こころ”のつくりかた

2019年11月27日

小学生バレーボール体罰 口止め誓約書を配る親の「罪」とは

■大分県日出町の現実が日本のバレー界の縮図


(写真は少年サッカーのイメージです)

 

しかし、体罰指導がなくなったから、日本のバレーが弱くなったのではありません。

大分県日出町の現実が、日本のバレー界の縮図だろうと思います。

隠れて暴力を繰り返した指導者、もみ消そうとした連盟、保護者。本来なら、子どもたちが安心してスポーツを楽しめる環境をつくる役目を負うべき大人たちが、そろって隠蔽に奔走していました。これは、子どもたちに対する完全な裏切り。罪です。

スポーツマンのこころの考え方の心髄は「自分を大切にする=自分を磨く」です。だから、少し怠けている選手には「自分を大切にしてるか?」と話したりします。逆にいいことがあったときは「自分を大切にできたな!」と言って喜び合います。

子どもを裏切る大人は、子どもの「自分」を大切にしていないばかりか、大人自身の「自分」も疎かにしていることに気づくべきでしょう。

 

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高橋正紀(たかはし・まさのり)

1963年、神奈川県出身。筑波大学体育専門学群ではサッカー部。同大学大学院でスポーツ哲学を専攻。ドイツ国立ケルンスポーツ大学大学院留学中に考察を開始した「スポーツマンのこころ」の有効性をスポーツ精神医学領域の研究で実証し、医学博士号を取得。岐阜協立大学経営学部教授及び副学長を務めながら、講演等を継続。聴講者はのべ5万人に及ぶ。同大サッカー部総監督でもあり、Jリーガーを輩出している。
Jリーグマッチコミッショナー、岐阜県サッカー協会インストラクター、NPO法人バルシューレジャパン理事等を務める。主な資格は、日本サッカー協会公認A級コーチ、レクリエーションインストラクター、障害者スポーツ指導員中級など。

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