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JFAグラスルーツ推進部部長が行く!あなたの街のサッカーチーム訪問

サッカー未経験でも夢中になれる。試合に出られる楽しさから生徒が主体的に取り組むようになった高校フットサル部

公開:2018年3月 8日

キーワード:サッカーサッカー経験フットサル全員出場高校

日本サッカー協会(JFA)グラスルーツ推進部の松田薫二部長が、あなたの街のサッカーチームを訪ね歩くこの連載。

今回訪れたのは、東京都世田谷区にある東京都市大学付属高等学校です。フットサル部にはサッカー未経験者がたくさん集まり、日々切磋琢磨しています。

高校の部活動で「みんなPlay!」を体現している、東京都市大学付属高校フットサル部。中高一貫教育の男子校で、サッカー部とは別にフットサル部があります。

小学校、中学校と競技志向でサッカーに打ち込んできた人は高校のサッカー部に入り、サッカー未経験者だけどボールを蹴りたい、試合に出られる環境でプレーしたいという人はフットサル部を選ぶようです。

フットサル部顧問の田中望先生は、クラブの成り立ちを次のように説明します。(取材・文:鈴木智之 写真:鈴木智之、サカイク編集部)

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(他のスポーツから転向した選手やサッカー未経験者も多い)

<東京都市大学付属高等学校フットサル部は以下の賛同パートナーです>
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■サッカー未経験でも気軽に入部できる!「自分にもできる」と思える場所

「フットサル部は15年ほど前からありまして、私が顧問になったのが3年前です。就任1年目は大会には出ずに活動していたのですが、今の高校3年生の代が『真剣にやってみたい』と言うところから東京都のフットサルリーグ(U-18)などの公式戦に参加するようになりました」

田中先生によると「部員の40%が、高校から本格的にボールを蹴り始めた子たち」とのことで、付属の中学校でサッカー部に入っていた選手のうち、毎年10人程度がフットサル部に入るそうです。

「今うちに来ているのは、中学時代に野球部、バスケットボール部、陸上部、鉄道研究会などに入っていた子たちです。現在のキャプテンは野球部だったのですが、ケガの影響などでフットサルに転向しました。キャプテンシーがあって、良い選手なんですよ」

ほかにも、中学のサッカー部で試合に出られなかった人や、勉強時間を確保したいけど、運動もしたい人にとって、勉強と運動を両立する場としても機能しています。

松田部長は田中先生の説明を受けて「フットサル部には、いろんなバックボーンを持った人が集まっているんですね」と感心し、「初心者が入りやすいような工夫はしていますか?」と尋ねます。

「私が赴任する前から、サッカー経験のない子が半分ぐらいいたので土壌はありました。高校からフットサルを始めた選手が、試合に出て活躍しているのを下の代も知っていますし、先輩の姿を見て『自分にもできる』と思うようです」

田中先生は「生徒たちの間で『フットサル部に行くと、試合に出られるらしい』という、噂が流れているんですよ」と笑みを浮かべます。フットサルは交代が自由なので、多くの人が試合に出ることができます。さらに、チーム登録も柔軟です。

フットサル連盟の試合は、同一クラブから複数のチームで出場することができます。そのため、30人を3チームに分けて出場させています。ただ、東京都ユース連盟のリーグ戦は1チーム登録なので、30人全員が出られるわけではありません。そのため、他の学校と相談して、私設のリーグ戦ができないかと検討しています」

■バスケ、野球など他のスポーツ経験を生かして活躍する選手たち

「みんなPlay!」を実現するために、様々な工夫をこらしている田中先生。サッカーやフットサル未経験者であっても、楽しんで上達することができるように、選手達の主体性を大切にしています。

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(顧問の田中先生=左 は、生徒たちの主体性を大事にしている。 右は日本サッカー協会の松田部長)

「チームの目標に対して、私がこうしようと言うことはありません。生徒たちが話し合って決め、そこに向かって努力していくためのサポートができればと思っています」

松田部長は「いまの時代、幼稚園や小学校の低学年からサッカーを始める人が多く、中学や高校からサッカーを始めても、周りと差があってうまくいかないことが多いですよね。でも、フットサルはそこまで大きな差は出ないので、みんな楽しそうにやっていますね」と、コートでボールを蹴る選手達を見ながら言います。

田中先生は「フットサルを高校から始めても、上手くなれることを示してくれるといいなと思っています。バスケットボールをやっていた子は戦術理解が早いですし、野球部出身の子は肩が強くて、GKをすると鋭いボールを投げます。空間認識能力も高いので、フットサルに向いているんですよね」と、他のスポーツの経験が役立っていると話してくれました。

田中先生の話を聞いて、松田部長は「選択肢がたくさんあること。それが一番大切だと思います。たとえばチームでの人間関係や指導者と折り合いがあわずに、辞めてしまう子もいますが、選択肢があれば他の部活やクラブで競技を続けることができる。それが、スポーツをする上で必要な環境だと思います」と言葉に力を込めます。

様々なバックボーンを持った選手が集まり、目標に向かって日々ボールを蹴っている東京都市大学付属高校フットサル部。「みんなPlay!」」を体現する上で、顧問の田中先生の考えの根底にあるのが、少年時代に過ごしたアメリカでの経験です。

後編ではみんなが様々なスポーツを楽しむ、アメリカでの経験を通じて得た考えと、選手達の声を紹介します。


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文:鈴木智之、写真:鈴木智之、サカイク編集部

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