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蹴球子育てのツボ ~サッカーで子どもは一人前になる~
移籍したら希望のポジションにつけなくなった息子。何もしないで見守るべきだとわかっていても辛いです問題
公開:2025年11月12日 更新:2025年11月26日
■親に言い訳するためにわざと転ぶ子も......、スポーツは親子のありようまで白日の下にさらす
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(写真は少年サッカーのイメージ ご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)
十数年前。私の息子がサッカー少年だったころ、試合で活躍できなかったわが子を木陰で小突く父親がいました。サッカーで大量失点をした後に1点返し歓喜する子どもたちに「1点返したくらいで喜ぶな!」と叫ぶ母親も見ました。
親たちが威圧的なので、シュートを外すと、応援に来ている親のほうを見る子。ミスをすると、必ずこける子がいました。そういった親子を見てきたあるコーチは「親の反応が怖いんですよね。言い訳したい心理からわざとこけるのでしょう」と話していました。
お母さんが「子どものサッカーは他の習い事よりはるかに辛い」とおっしゃるように、サッカーをはじめスポーツは恐ろしいコンテンツです。子育て、要するに親子のありようまで引きずり出して白日の下にさらしてしまいます。
でも、だからこそ私たち親は鍛えられるとも考えられます。勝ち負けがあったり、他人と比べられ「相対評価」になりがちなところを、いかに親が「絶対評価」で見てあげられるか。
そんな本質に気づけたら、試合の結果やわが子の優劣に左右されず、広いこころで子どもを見守ることができます。
子どもがスポーツを楽しみつつ成長するように、親のほうも全く同じ恩恵を受けています。お母さんなら大丈夫。こうやってご自分の意志で私にメールを書くエネルギーがあるのですから。愛情のベクトルを少し変えるだけで、息子さんは変わっていくはずです。

島沢優子(しまざわ・ゆうこ)
ジャーナリスト。筑波大学卒業後、英国留学など経て日刊スポーツ 新聞社東京本社勤務。1998年よりフリー。『AERA』『 東洋経済オンライン』などでスポーツ、 教育関係等をフィールドに執筆。サッカーを始めスポーツの育成に 詳しい。『桜宮高校バスケット部体罰事件の真実 そして少年は死ぬことに決めた』(朝日新聞出版)『左手一本のシ ュート 夢あればこそ!脳出血、右半身麻痺からの復活』(小学館)『世界 を獲るノート アスリートのインテリジェンス』(カンゼン)『部活があぶない』 (講談社現代新書)『スポーツ毒親 暴力・性虐待になぜわが子を差し出すのか』(文藝春秋)『オシム の遺産 彼らに授けたもうひとつの言葉』(竹書房)など著書多数。『サッ カーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(池上正著・小学館) 『教えないスキル ビジャレアルに学ぶ7つの人材育成術』(佐伯夕利子著・小学館新 書)など企画構成者としてもヒット作が多く、指導者や保護者向け の講演も精力的に行っている。日本バスケットボール協会インテグ リティ委員、沖縄県部活動改革推進委員、 朝日新聞デジタルコメンテーター。1男1女の母。新著は「叱らない時代の指導術: 主体性を伸ばすスポーツ現場の実践 」(NHK出版新書)
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構成・文 島沢優子
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