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蹴球子育てのツボ ~サッカーで子どもは一人前になる~

強豪チーム加入も周りとレベル差があって選抜から外されそう、前より勢いもないしどうしたらいいの問題

公開:2025年5月14日

キーワード:クラブチームスポ少レベル差傾聴見守り試合

ほかの子と差がついてきて二軍の息子。チームメイトたちは個々にスクールなども通っているけど、息子はスクールに行きたくないという。

周りとの差にいろいろ考えてしまう。やる気を出させる、スクールに行きたいと思わせるのも親のかかわり次第なの? というご相談をいただきました。ほかの子と比較して焦ってしまうのはよくあることですよね。

スポーツと教育のジャーナリストであり、先輩サッカーママでもある島沢優子さんが、悩めるお母さんに3つのアドバイスを送ります。
(構成・文:島沢優子)

 

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(写真は少年サッカーのイメージ ご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)

 

<<二軍なのにスクールに行かない息子。気持ちが足らないように見えるが、やる気を出させるのも親の役目なのか問題

 

<サッカーママからのご相談>

はじめまして。

10歳の息子がクラブチームに移籍して2か月目なのですが、なかなか周りについていけません。みんな1、2年生から今のチームでやっており、県代表のチームでもあるため厳しいです。

サッカーは大好きで、練習も週3回、強くなりたい気持ちをもって行っていますが、今までのスポ小とは違うため、レベルの差があり試合中も息子だけ逆に目立ってしまいます。

入ってまだ2か月ですが自信がないのか、サッカーを始めた頃よりも勢いもなくなってきてしまいました。

選抜チームから外されてしまいそうです。

どのようにすべきでしょうか。

 

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<島沢さんからの回答>

ご相談ありがとうございます。

10歳でこの時期ですと、小学5年生でしょうか。どのような理由でスポーツ少年団からクラブチームに移籍されたのかはわかりませんが、以前の所属先よりも強いチームに入ってしまった息子さんは苦労されているようです。

試合に出られないわが子の姿を見守るのは、辛いことですね。私も経験があるので多少はわかります。

先程申し上げた移籍の経緯をはじめ、あまり細かいことが書かれてないため、はっきりしたことを申し上げられないのですが、私のほうから3つほどお伝えします。

 

■アドバイス①お母さんは何もしなくていい、むしろ子どもに動揺を見せないこと

1つめ。

メールの終わりに「どのようにすべきでしょうか」とあります。もし、お母さんを主語として「私は何をすべきでしょうか?」と私に質問しているのであれば、やることは何もありません。

え? 息子のピンチに親が何もしなくていいはずないじゃん。そう思われるかもしれませんが、子どもは自分の身の上に何か良くないことが起きたとき、親が「どうしよう、どうしよう」と動揺する姿を目にすると、ますます不安になります。

したがって、何もしないほうがいいのです。まずは、何もせずに見守りましょう。そうはいっても、大人の私たちは実は子どもを見守るのが下手くそです。

なぜならば、多くの大人が子ども時代に見守られたことがないからです。イケイケどんどんの高度成長期に、厳しくして言うことを聞かされてきた人のほうが多いはずです。

ですから、子育ても新しい学びが必要です。まずは何せず、気持ちに共感して寄り添いましょう。

息子さんが「試合に出られなかった」とか「うまくいかなかった」と落ち込んで帰ってきたら、「そうなんだ。でられなかったんだ。うまくいかなかったかァ。そっかー」と、彼が言ったことを復唱してあげてください。自分が言った言葉をお母さんがそのまま口にするということは、自分の声がお母さんに聞こえていたという証です。優しく言ってあげれば、自分の悔しさや、つらさを受け止めてくれていると感じることができます。

そこで、サッカーを知っている親御さんは「もっとこうすればいい」とか「試合に出たかったら自主練しなさい」などと言ってしまいます。これは見守っているとは言えません。

そもそも子どもが求めているのは、プレーのアドバイスやもっとやれと発破をかけてほしいわけではありません。自分の苦しさに共感してほしい。大人だってそうですよね。

 

■アドバイス②「共感するけど、同化しない」我が子のピンチに同化せず客観視して

2つめ。

親御さんは「共感するけど、同化しない」こと。例えば「残念だったね。悔しいね」と共感することは重要です。

ただし、子どもの気持ちに親が同化してはいけません。親が心配していることを感じた子どもは、自分が信用されていないことに落ち込みます。つまり「最も近くにいる母親にこんなに心配されてしまうダメな僕」と思ってしまいます。

お母さんのメールをみると、練習についていけない、最初に比べて勢いがない、選抜チームから落ちそうと、心配しています。単に事実を並べたのかもしれませんが、読む側の感覚としては、ストレスが溜まっているのかなと心配になります。ストレスがたまるということは、息子のピンチに自分を同化させている。子どもの姿を客観的に見られなくなっています。

息子さんが「サッカー、大好き」と言うのであれば、それでいいじゃありませんか。練習でついていけてなくても、最初に比べて勢いがなくても、選抜チームから落ちそうでも、それは息子さんが立ち向かうことです。

私も思い違いをしていた経験があるのでわかることですが、親が子どもをコントロールできると考えないほうがいいです。

声掛けとか、何か話をしてやる気が出るものではないし、息子さんは懸命にサッカーに向き合っていると思います。できるだけ子どもの選択を尊重して任せましょう。

  

次ページ:アドバイス③「傾聴するスキル」を高めて子どものことをもっと理解しよう

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構成・文 島沢優子

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