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蹴球子育てのツボ ~サッカーで子どもは一人前になる~

人手不足で3学年一緒の活動に。チーム混乱の少年団をやめるべきか問題

公開:2020年1月15日

キーワード:クラブチームコーチスポ少少年団熱血漢真面目移籍

コーチの退任で異年齢の子たちと練習することになったら、やる気も能力もバラバラで、ふざけあったりサッカーにならないこともある。真面目で熱血漢な息子は注意して反感を買うことも多く、悔しさに涙することも。

息子には移籍をするなら力になるよ、とは伝えているけれど、現状をコーチたちに伝えるのはチーム運営に口出しするようで、相談すべきか迷う......。とのご相談をいただきました。

今回もスポーツと教育のジャーナリストであり、先輩サッカーママでもある島沢優子さんが、取材で小児科の心理医の方に聞いた、子どものストレスケアに効果的なアイデアも教えてくれたので、ぜひ実践してみてください。(文:島沢優子)

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(写真はご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)

 

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<サッカーママからのご相談>

こんにちは。現在9歳の息子のことですが、学校で配られたチラシを見て「行きたい!」と言った少年団に入団しました。

運動神経は決してよくない息子ですが、よい仲間もでき、サッカーが楽しくなったそう。もっと上手くなりたい、という本人の意思で掛け持ちでクラブチームの練習にも行くようになりました。クラブチームは練習のみです。

少年団で月2回ほど試合に出場していましたし、親から見ても楽しそうに頑張っていました。

しかし、最近少年団の方でコーチ同士の意見が対立し、それがきっかけでコーチの1人が退団。人手不足で練習は1~3年生が一緒に行うようになり、全く試合のない月も珍しくなくなりました。

1~3年生がごちゃまぜになって行う練習では、個々のモチベーションや能力が違うため、息子は毎回ストレスを溜めて帰ってきます。本人曰く、ふざけてしまう子や、味方のボールを奪い合うようなシーンも多く、サッカーにならないとのこと。少年団なので、色々な子がいるのは当たり前なのですが......。

真面目で熱血タイプの息子はそういった子どもたちに注意をするそうですが、反感を買うことも多いそうです。息子が年上とはいえ同じ選手同士ですから、当然のことだとは思います......。指導者は、あまり語らないタイプの方で、ふざける子に注意するのも稀だそうです。

そういった現状の中、迎えの車の中で悔しくて泣くこともあります。

息子には、「もしチームを変えるなら力になるよ」とは言っています。でも、親がとやかく言うのはダメだと思い、今は泣いたり怒ったりする息子をなだめつつ、送り迎えする毎日です。

親として「コーチに相談するべきか、でも練習方法や運営の仕方に文句を言うような形になってはダメだろう」と思うと悩んでしまいます。

私はどうするべきなのか、アドバイスを頂けると大変嬉しいです。

 

<島沢さんのアドバイス>

ご相談ありがとうございます。

親として「コーチに相談するべきか、でも練習方法や運営の仕方に文句を言うような形になってはダメだろう」と思うと悩んでしまいます。

このように書かれてはいますが、もう少しシンプルに考えませんか。

 

■今回のような場合、保護者が意見を言うのは問題ない

息子さんの問題は「練習方法や運営の仕方」ではくくれません。簡単にというか、もっと大きな視点でみれば「子どもたちのサッカーが上手くいっていない問題」といえます。うまくいっていないのですから、そこを修正しなくてはいけませんし、コーチが気づいていないようであれば、意見として保護者が言うのは何ら問題はありません。

その際、考慮してほしいことが三つあります。
ひとつは、見たまま、聴いたままの事実を伝えることです。なるべく「主観」を省きます。例えば、この順番で話してみてはいかがでしょうか。

①まずは、指導してもらっている感謝を伝える
学校で配られたチラシを見て「行きたい!」と言ったので息子の意思で入団した。運動神経は決してよくないかもしれないが、よい仲間もでき「サッカーが楽しくなった」と話している。もっと上手くなりたいという本人の意思で掛け持ちでクラブチームの練習にも行くようになった。月2回ほど試合に出場し、楽しそうに頑張っているのを見て親であるこちらも安心していた。コーチには大変感謝している。

②息子さんの変化を伝える
3年生以下が一緒に活動するようになって、試合が少なくなって残念そうです。また、練習中に低学年の子どもたちがふざけると注意をするそうですが、反感を買うと言っています。なかなか思い通りにいかないようで、迎えの車の中で泣いてしまうことがあります。

③あくまでも「お力添えを請う」形にする
以前のように楽しくサッカーができればいいと思うのですが、お力添え願えないでしょうか?

もうお気づきだと思いますが、お母さんが私に教えてくださった「コーチ同士の意見が対立しコーチの1人が退団したため人手不足で1~3年生が一緒に行うようになった」といった経緯には一切触れないことです。

恐らく正しい経緯かもしれませんが、このことをこのコーチひとりに訴えても仕方がないことです。したがって、いまの状況で改善する策を考えてもらいたいという意思を伝えます。「モチベーションや能力が違う」といった主観に当たる部分にも触れません。

 

■伝え方に気を付けないとこじれてしまうケースも

一方で、こういったことでこじれるのは、親御さんのほうが主観で物事を伝えてしまうケースです。

例えば、コーチ同士が対立してしまうから人手不足になる。人手がいないから指導がうまくいかず、子どもにストレスがたまる。そのため息子が不利益を被っている、といった結論にしてしまうと、コーチのほうは「チームのことはチームに任せてほしい」と返す言葉で言ってしまいがちです。

しかしながら、良心に基づいて指導しているコーチのみなさんは、実際は保護者の声を聴きたがっています。家庭で子どもたちはどうなのか。満足しているのか、そうでないのか。親御さん自身はどうなのか。

少年団は民間のクラブではないので、コーチはボランティアだと想像します。とはいえ、指導というサービスを施される側がいるのであれば「顧客満足度」が気にならないわけはありません。そこをくみ取って、保護者側が事実を伝えれば、良い関係が築けると思います。

反対に、コーチのみなさんが突っぱねたくなるケースは、保護者が、戦術やメンバー選び、練習時間の長さや内容、練習試合の相手などについて持論を展開される場合です。こうなると、「チームに任せてください」と言われてしまうのは当然です。

でも、お母さんの場合はそれとは異なります。ぜひ、力を合わせていい方向へ向かうよう話し合われてはいかがでしょうか。

 

 

次ページ:小児科の心理医が教える子どものストレスケア

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文:島沢優子

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