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蹴球子育てのツボ ~サッカーで子どもは一人前になる~

サッカーは面白くないのでやめたいと言い出した小3問題

公開:2018年11月21日 更新:2018年11月22日

キーワード:SOSお母さんお父さんやりぬく力グリットサッカーが辛い主体性小学生辞める野球

小3の息子が急にサッカーを辞めたいと言い出して悩んでいる。子どもに原因を聞いたし、夫婦でも話し合ったけど解決策がわからない。とサッカーママからご相談をいただきました。

お子さんは他のスポーツに興味を持っているようですが、ママは「試合に出られるようになったしもったいない」と言います。こんな時、みなさんならどういう決断をしますか?

今回も、スポーツと教育のジャーナリストであり、先輩サッカーママでもある島沢優子さんが、ご自身の体験と数々の取材活動で得た知見をもとに、悩めるサッカーママにアドバイスを送りますのでご参考にしてください。(文:島沢優子)

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※写真は少年サッカーのイメージです。ご質問者様とは関係ありません

<<クラブか部活か中学のサッカー進路どうしよう問題

<サッカーママからのご相談>

こんにちは。小学校3年生の息子について、相談させて下さい。

息子は、幼稚園の年少からサッカーを始めました。

しかし最近、サッカーを辞めたいと言い出して、悩んでおります。なぜ辞めたいかといいますと「面白くなくなった」とのことです。

親として考えられる原因を夫と話し合ったところ、
・本人から言い出したことではありますが、朝練を眠い目をこすりながらやらせた。
・弱気な発言をすると、他の子を引き合いに出して話してしまった。
・練習日が週3ある。
・低学年のカテゴリから高学年の難しい戦術が加わるカテゴリに変わる段階に来ている。
・野球に興味が出てきて体験に行ったら、周囲が褒めるためその気になっている。

などがあがりました。

ひとまず夫と本人が一対一で話し合ったようで、上のカテゴリに行きたい気持ちはあるけど、今の現状に気持ちがアップアップしてしまっているようでした。

なので、週3のサッカーを、週2に減らしてみるなど対策は考えて見たのですが、それが最善策であるかは分かりません。

どうも私には、息子が逃げてしまっているようにしか見えないのです。他の子は、同じ条件でもちゃんとこなしているし、息子も最近ようやく上手くなってきて、試合に出る機会が多くなってきたのに、何だかもったいない気がします。

こんなことってよくある事でしょうか?

こんな息子にどう対応したらいいのか色々模索しているのですが、何が一番最善な方法なのか、夫婦ともに見えていないのです。

どうかアドバイスお願い致します。

<島沢さんのアドバイス>

ご相談ありがとうございます。
アドバイスは三つあります。

■親のためにサッカーが好きな「ふり」をする場合がある

ひとつめ。
ご両親とも、まずは心から反省しましょう。

息子さんがサッカーをやめたくなった原因を五つほど挙げられていますが、最初の二つ目は親御さんの「ミス・トリートメント(適切でない扱い)」によるものです。

朝練については、例えば眠くて今日やめようかなと言いだした際に「自分からやるって言ったでしょ!」と強制したのではありませんか? 例えば、プレーがうまくいかず弱気になったときに「○○君はチームが苦しいときに決めてくれる」などと言ってしまったのではありませんか?

しかし、こんなミスは私もしました。他の人もしています。そのたびに「ママが悪かった。他の子と比べるなんて最低な親だよね」と謝ったり、「朝練なんか別にしなくてもいいじゃないの? どうしてもやりたいならやればいいけど」くらいの距離間でつき合うまで試行錯誤するわけです。

ですので、ここは反省して、息子さんにいったん謝りましょう。息子さんは、サッカーをするのがすでに辛くて苦しいのかもしれません。楽しくて、好きでなければ何事も継続しないし、成長にもつながりません。

そもそも、やっているスポーツを三度の飯より好きになった子が伸びていきます。ただし、いつ三度の飯以上になるかは、各々異なります。さらにいえば「三度の飯より好きだ」と親が自分に思ってほしいのだと感じ、親のために好きな「ふり」をしている場合もあります。


もちろん、親の気を引こうとして「サッカー好きだぜ仮面」だったのが、いつのまにかガチのサッカー小僧になることもあります。が、そこには必ずといっていいほど、良いサポーターである指導者や親が介在しています。

「どうしてサッカーやめるの?」とか「やめないほしい」と訴える前に、「いいサポーターになれるよう、努力するね」と話してみましょう。

■「逃げる」は時に必要な行為 子どものSOSを見逃さないで

ふたつめ。
きっと、お子さんは今、サッカーが好きではないのです。

「どうも私には、息子が逃げてしまっているようにしか見えない」と書かれていますが、サッカーが本当に心から好きだったら、逃げずに立ち向かうはずです。中学になって競争が激しくなっても、やめずにやり抜くエネルギー(グリッドと言います)を蓄えるために、正しい指導者は三度の飯よりサッカーが好きな子を育てることに力を注いでいます。

そもそも、平成が終わろうとしている今の時代、「逃げる」は時に必要な行為と心得たほうが良いと私は思います。

お母さんはさまざまな困難から逃げずに立ち向かってきたのかもしれないし、自分がそうでなくてもわが子にそんな強い子であってほしいと願っているでしょう。特に男の子に母親はそんな希望を持ちますよね。私も男の子を育てているのでわかります。

とはいえ、いじめや、ブラック部活。理不尽で苦しいばかりの間違った環境も世の中にはあふれています。私たちの子どもに必要なのは、そこから逃げ出さない根性や忍耐だけでなく、「どこが自分にとって一番成長できる場所か」を見極める目。知識、知見、知恵ではないでしょうか。

その意味からすると、お子さんはそれを持っているように見えます。「サッカーやめて遊びたい」ではなく、野球という新たなスポーツをちゃんと自分で準備しているではありませんか。

ぜひ、これは「サッカーが辛い」とSOSを出しているのだととらえましょう。お子さんの気持ちをしっかり聞いてあげてください。練習日を減らすかどうかも本人に決めさせてあげましょう。ただし、やり過ぎていないかどうかはきちんと判断してあげてください。

次ページ:サッカーをするのは誰? 親に必要な厳しさとは

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文:島沢優子

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