1. トップ
  2. 連載
  3. 蹴球子育てのツボ ~サッカーで子どもは一人前になる~
  4. クラブか部活か中学のサッカー進路どうしよう問題

蹴球子育てのツボ ~サッカーで子どもは一人前になる~

2018年11月 7日

クラブか部活か中学のサッカー進路どうしよう問題

キーワード:クラブチームコストパフォーマンス中学保護者小6文武両道進学進路部活

来年中学生になる息子。クラブチームに誘われているけど、親から見るとサッカーの技術は高くないし、家計も苦しい。部活でよくない? どうしてみんなプロになれないのにクラブチームに行かせる親が多いの? というご相談をいただきました。

みなさんならどういう決断をしますか?

今回も、スポーツと教育のジャーナリストであり、先輩サッカーママでもある島沢優子さんが、ご自身の体験と数々の取材活動で得た知見をもとに、悩めるサッカーママにアドバイスを送りますのでご参考にしてください。(文:島沢優子)

shimazawa_column49_02.JPG

※写真は少年サッカーのイメージです。ご質問者様とは関係ありません

<<転ばぬ先の杖を用意したい過保護な親に困ってます問題

<サッカーママからのご相談>

息子は小学3年から地元のサッカーチームに所属しており、スタメンでセンターバックでプレーしています。コーチの信頼もあり、副キャプテンを務めています。実力は地区トレセンに選ばれる程度です。その上のセレクションメンバーに選出されましたが選ばれませんでした。

身体と気持ちが強いのでなんとかやってますが、親からみるとサッカーの技術はあまり高くないように思います。

またサッカーとは別に、3歳から極真空手も習っていて全国3位にもなりました。地区大会では優勝しています。大変でしたがなんとか両方頑張ってきました。

ここからが相談なのですが、今のチームは6年生で卒団なので、中学から部活にするかクラブチームにするか悩んでおります。

本人は空手を辞めてクラブチームに進みたいと言っています。本気でサッカーをやりたいと。実際にとあるクラブチームよりお誘いいただいております。

ですが、クラブチームはとてもお金がかかりますよね。正直、趣味特技なら部活でもいいのではないかと思っています。なぜプロになれないのにみなさんクラブチームへ行く(行かせる)のでしょうか。家計が苦しくてもクラブチームに行かせるべきなのか本当に迷います。

お子さんが2人共サッカーをされていたそうですが、島沢さんはどのような選択をされましたか。

<島沢さんのアドバイス>

ご相談ありがとうございます。
小学6年生は進路を見極める季節ですね。

まず、このご相談で、私が最もお伝えしたいのは、「子どもが自分で決める」という行為を親は大事にしてあげましょう、ということです。

「お子さんが2人共サッカーをされていたそうですが、島沢さんはどのような選択をされましたか?」と、尋ねられていますが、私たち親は選択をしていません。

あえて選択したという表現にするならば「子どもが決めたことを尊重する」ことを選びました。そして、そうすることをみなさんにも勧めています。

■「俺の人生を返せ」大事な決断を親が主導すると、失敗したときに親のせいにする

なぜ、子どもの意見を尊重するのか。

それは、親が進路の決定をリードしてしまうと、それに乗っかって決めてその先で失敗したり、困難にぶつかったときにリードした親のせいにしがちだからです。

「お母さんの言う通りにしたら、こんなことになってしまった」
「親の言う通りにしたのに、何もいい事がなかった。俺の人生を返せ」
「あのとき反対せずにクラブに行かせてくれたら、もっと楽しかったのに」

よって、親は気持ちを確認することに努めます。

「クラブチームは大変だよ? 試合に出られなくても腐らずやり切れるかな?」
「自分で決めたことだから、責任持ってやれるかな?」

そうすると、子どもは「僕が決めたことだからしっかりやる」と主体的に取り組みます。その過程にこそ成長が生まれるわけです。

ですから、相談いただいたお母さんにも、お子さんの意思を尊重してほしいと願います。息子さんは、「空手を辞めてクラブチームに進みたい、本気でサッカーをやりたい」とハッキリ自分の意思を示しているうえ、クラブチームからも誘われていますね。

でも、お母さんのなかに納得できない気持ちがある。そこを私と一緒に整理してみましょう。

■どうして子どもにサッカーをさせているのか、いま一度考えてみよう

相談文にいろいろ書かれていますが、要素をまとめると実は「不安材料」はひとつに絞れます。

クラブチームはとてもお金がかかる。家計は楽ではない。趣味特技なら部活でよくない? プロになれないのにクラブチームに行くの?

つまり、問題は「お金」だと感じます。お母さんはコスパ、コストパフォーマンスを気にされているようです。

「趣味でいい」「そこまでやる必要がある?」というのは、お子さんが決めることですし、苦労するのはお子さんです。ただ、「そこまでやるの?」のところに「そこまでお金かけてやるの?」という親がかかわる経済的な負担が現実としてあると思います。

さらにいえば、全国で3位になった空手への未練もあるのではありませんか? 地域トレセンのサッカーよりも、全国3位は上に見えますね。

全体を通して、お母さんはスポーツを人生の成功へのステップのひとつとしてとらえているように感じました。だから「なぜプロになれないのにみなさんクラブチームへ行く(行かせる)のでしょうか」と不思議に思うのでしょう。

今はプロスポーツもたくさんありますので、そのような思考になるのかもしれません。「親からみるとサッカーの技術はあまり高くない」と書かれているように、優劣でとらえていらっしゃいます。

しかしながら、私を含めて多くの親御さんは、子どもをプロにしたいからクラブチームに通うことを許しているわけではありません。そこでのチャレンジがその先の人生を豊かにする、わが子を人として成長させると思うから、クラブでのキャリアを応援しているのです。

今一度立ち止まって、「なぜ子どもにスポーツをさせるのか?」ということを考えていませんか? お子さんにも「なぜクラブチームでサッカーをするのか?」ということをもっと突き詰めて考えてもらってはいかがでしょうか?

次ページ:「プロになれるわけじゃないのに...」抑圧的思考がもたらす影響

1  2

あなたが抱えるお悩みに、先輩サッカーママ島沢優子がお答えします!

※ご相談者様のお名前、チーム名等は掲載いたしませんのでご安心ください。

文:島沢優子、写真:吉田孝光

関連記事

関連記事一覧へ

蹴球子育てのツボ ~サッカーで子どもは一人前になる~コンテンツ一覧へ(49件)

コメント

  1. トップ
  2. 連載
  3. 蹴球子育てのツボ ~サッカーで子どもは一人前になる~
  4. クラブか部活か中学のサッカー進路どうしよう問題