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蹴球子育てのツボ ~サッカーで子どもは一人前になる~

転勤で環境が変わる息子のケア問題

公開:2017年2月22日 更新:2017年3月13日

親の転勤で子どもの学校やサッカー環境が変わってしまうため、新しい環境に慣れるまで子どもがストレスを感じないようにケアしたいサッカーママ。親が自分たちの事に手いっぱいで精神的に余裕がないとき、子どもにどう接したらよいのでしょうか。
 
自身もサッカー少年少女の母として子育てした経験を持つ、教育・スポーツジャーナリストの島沢優子が、読者の悩みに答える『蹴球子育てのツボ』。 今回は、親の転勤による子どものストレスを心配するお母さんの質問にお答えします。(文 島沢優子)
 
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<<男子による女子への集団いじめをどうするか問題
 
<サッカーママからの相談>
この春転勤することになり、子どもが学校を転校することになりました。初めての転勤で、準備や手続きに追われている状況です。
 
息子は春に4年生になるのですが、転勤(転校)のことを伝えたら学校の友達と離れるのは嫌だと泣いていました。新しい学校にすぐ馴染んでくれるといいのですが、すぐに友達ができるか不安な気持ちがあると思います。
 
また、息子は同じ学校の子どもが中心の地元のサッカーチームに所属して仲間と楽しくサッカーをしており、今後もサッカーは続けたいと言っているので引っ越し先でも何らかのサッカーチームに所属させたいと思っています。
 
ただ、学校だけでなくサッカーチームでも新しい環境へ飛び込むことになるので子どもにとってもストレスが溜まると思います。
 
親として子どものストレスケアをしてあげたいのですが、私達も初めてのことが多く、慣れるまでは親としてもあまり余裕がない状態になりそうな気がしています。子どもは適応力が高いといわれるので、案外、転校先にすぐなじめるかもしれませんが親としてどう接したらよいのかご相談させてください。
 

■親の不安は子どもに伝染する。過剰に心配せず、子どもの気持ちに寄り添う

結論から言いますと、過剰に心配してはいけません。親御さんが、息子さんについて「心配しないこと」が、彼にとって一番のストレスケアになります。
 
なぜなら、子どもというのは、自分のことを親がどれだけ心配しているかを全身で受け止めます。「○○君、大丈夫?」と何度も言ったり、親が「どうしよう。大丈夫かなあ。不安だなあ」などとおろおろしていると、子どもは余計不安になります。
 
親の不安が子どもに伝染するとも言えますが、それよりも彼の自己肯定感を下げてしまうことが問題です。
 
「一番身近にいる親にこんなに心配されている僕は、なんてダメな人間なんだ」
 
無意識ではありますが、そんなふうに子どもは自信を失ってしまうわけです。
 
メールにあるように、息子さんは転校を少なからず不安に感じていることと思います。その場合、まずは彼の気持ちに寄り添ってあげる。つまり「不安だよね。ママは転校したことないけど、きっとつらいよね。親の都合でごめんね」と、彼に共感してあげてください。
 
ただし、共感しても、子どもの感情に親は同化してはいけません。
 
「不安だよね。どうしよう?最初は何日か学校について行こうか?」などと過剰に世話を焼こうとしないでください。前述したように「僕が頼りないからママを心配させちゃうんだ」と自尊感情がダウンします。
 
小学生もそれ以降も、子育ての最重要課題は「自己肯定感を積み重ねること」です。
 
「何があっても僕は大丈夫」根拠のない自信が、いつの日か「僕は大丈夫。だって、転校したときも、あんなピンチも、こんな大変なこともあったけど乗り越えられた」という証拠付きの自信に変化します。親はそのプロセスを手伝うだけなのです。
 

■「放任」こそ重要なサポート

では、どんなふうに手伝うか。
 
基本的にほっときます。お父さんも、お母さんも引っ越しだ何だと忙しいのですから。
 
「君、大丈夫かねえ?ま、ともかく転勤なんだから仕方ないよね。行ってみるか!」
 
「今のお友達と別れるのはつらいけど、新しい学校やサッカークラブでお友達が増えるんだって考えたらどうかな?そう考えたら楽しいよね?ママも、ママ友が増えるんだって考えることにするよ」
 
その程度の会話だけでOK。意外に思うかもしれませんが「放任」こそ重要なサポートです。
 
メールの内容から察するに、お子さんはひとりっ子のようです。ひとりっ子は、家の中に比較する相手がいないため、自分が心配されることを親の愛情だと受け取りがちです。それでも、中学生に入る前思春期くらいに「僕のことはもうほっといて」と言えるようになったほうがいいでしょう。
 
心得をひとつ。
 
今回の転校のような非日常的な出来事、例えばけがをしてサッカーを長期にお休みするというような子どもにとってややネガティブなことが起きたとき、多くの親は落ち込みつつもわが子のために対応策を考えます。その際、ピンチを成長のチャンス、もしくは子どもにとってよい経験、学びと考えて対処しませんか。
 
「きっといい経験になる」と納得して引っ越すのと、「どうなるか心配でたまらない」と動揺したまま過ごすのとでは大きく違ってきます。そういった見方を、夫婦で共有したいものです。
 

次ページ:親が元気なら、子どもは笑顔でいられる


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文:島沢優子

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