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池上カップ開催レポート

2017年12月18日

指導者の考えが腑に落ちない?「池上カップ」に参加した保護者が感じていたジレンマとは。

3つ目の選択肢で考える幅が広がっていく

池上さんは、この「考える」ということの重要性を、身を持って体感してきました。それは、ご自身の子育てにも関係しているようです。「子育ては親子の真剣勝負」と話す池上さんは、現在、33歳になる娘さんが小学生の時のエピソードを話してくれました。

「まず、娘がサッカーに出掛ける前に、サッカー道具をすべて隠しておくんです。すると、『お父さん、どこにあるの?』と探し回る。でも何回かそれを繰り返すと、今度は朝起きて真っ先に探すようになります。そうなったら今度は隠さないのですが、娘はまだ探していて、その様子を見て笑っていました(笑)。でもある時、娘が道具を持ってきて『お父さん、これに触ったらダメだよ。サッカー道具はここに置いておくからね』と言うんです。そうなったら、私の負けです」
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池上さんは、娘とのコミュニケーションを楽しみながら、子どもが自分で理解して考えられるようにと、試行錯誤してきました。「親が子どもに『自分で考えなさい』というのは簡単ですが、その時に『そこにこれがあるのと、こっちにあるのと、どっちがいい?』と促すといいと思います」と、まずは2つの選択肢から考えさせることを始めるといいそうです。子どもがその際に理由を話せるようになってきたら、それこそが「考えられている」ということです。「そうしたら親は、3つ目の選択肢を示してあげてください」。そうすることで、考える幅が広がっていくのだそうです。

こうした話を聞き、冒頭の質問を投げ掛けた母親は、もう一つの大切なことにも気が付いたそうです。「子どもが考えられるように、選択肢を示してあげることが大事だとすごく理解できました。でも同時に、声の掛け方には気を付けないといけないなとも思います。普段、子どもの応援に来ると、ついつい大きな声を出してしまうので......」。どうやら、ピッチの外から「何やってんの!」、「もっとやる気を出せ!」と、声を出してしまうようです。でもこの日は、池上さんの話を聞き、大会の趣旨にも賛同する中で、「今日はすごい、我慢しています(笑)」ということでした。

保護者も、子どもがサッカーを楽しみながら成長していくためにどうするのがいいのかを考え続け、その都度、生まれてくるジレンマに揺れながら、子どもと向き合っているようです。

池上さんと保護者によるディスカッションは、その他にもあらゆる話題で盛り上がりました。「高校からサッカーを始めて、リフティングは3回しかできませんでしたが、試合にはずっと出ていました」という池上さんのエピソードとともに、「リフティングをするとサッカーが下手になる」という話や、「サッカーの体力はサッカーでしか身に付かない」、「サッカーにはチームプレーが必要ですが、足元の技術を身に付けるだけではチームプレーは育たない」、「子どもにはその子にあったレベルの試合をさせないと上手くなれない」など、保護者がしきりに頷く姿が印象的でした。

サッカーはボール一つあればどこでもできますが、同時に、チームで活動するためには、クラブや指導者、そして保護者の存在が不可欠です。だからこそ、子どもの成長を考える大人たちは、子どもに「サッカーを通した喜びや楽しさ」を伝えるために、学び、考え続けないといけないのです。
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池上さんの思いが詰まった「池上カップ」はこうして、参加した子どもだけではなく、むしろそれ以上に、指導者や保護者にとって価値のある大会となったようです。


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