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池上カップ開催レポート

2017年12月18日

指導者の考えが腑に落ちない?「池上カップ」に参加した保護者が感じていたジレンマとは。

池上正コーチとサカイクの共同イベントとして京都府宇治市で開催された「池上カップ~離れて見守ろう。~」を終えて、サカイクではこれまでに2本の記事を発信してきました。
一つは、大会を通して池上さんが伝えたかったこと。もう一つは、参加チームの指導者が感じたこと。そして最後に、子どもと向き合う保護者の疑問や不安についても考えたいと思います。
現場で子どもたちと向き合うコーチ陣と、子どもを預ける立場にある保護者の関係は、実はクラブによってさまざまな形があります。保護者への要望を伝えるクラブもありますし、逆に保護者から指導者にリクエストを出すクラブもあります。そこには、必ずしも正解はありません。
子どもの成長を第一に考えているからこそ「どうしたらいいのだろう......」と迷いが生まれます。だからこそ、クラブに関わる大人たちはいつも試行錯誤を続けているのです。今回、池上カップに参加した保護者の中には、池上さんの実際の指導風景や考え方に触れる中で、どこか腑に落ちたような感覚を覚えた人がいました。それはいったい、どのようなことだったのでしょうか?(取材・文:本田好伸)

■池上カップの様子をまずは動画でご紹介します。



「考える」とは「どっちがいいのかを考える」こと

「コーチは子どもたちに『考えてプレーしよう』と言いますが、まだ一人で考えられるレベルにないのに『考えろ』と言っても、何をどう考えたらいいのか分からないのではないでしょうか?
IMG_4781_00378.JPG

池上さんは今大会中に保護者を集めたディスカッションの場を設けると、そこでは保護者からのさまざまな質問が飛び交いました。その一つに、このようなものがありました。質問した4年生の子どもを持つ母親は、1年生の時から今のクラブに通うようになり、その頃から「考えよう」と言われていたそうです。でも、「指導者からは的確な答えをもらえなかったんです。考えることの重要性は分かるのですが、それだけでいいのかなって......」と、池上さんに疑問を投げ掛けたようです。

池上さんはこの質問に対して、「考えるためには、ベースがいります」と答えました。

「例えば、右利きの選手の場合、体の一方の方向はよく見えても、反対側はあまり見えていなかったりしますよね。その時に『考えろ』と言っても片方のサイドしか見えないので、『右と左を見て、どっちがいいか考えてみよう』と言えば、子どもは理解して、自分で考えられると思います」

つまり、考えるためにはまず、判断材料を示してあげる必要があるということ。漠然とした伝え方では、結局どうしたらいいのか分からないからこそ、具体的な選択肢を用意して、その上で考えてもらうことこそが、「考える」という本当の意味なのです。ただし「考えられない」ということは、育成年代に限った問題ではなく、かつてはJリーグのトップ選手にも見られた傾向のようです。

「(イビチャ)オシムさんがジェフ千葉の監督時代に、プロの日本人選手を相手にも同じような問題に直面していたそうです。『右に行け』というと、選手はみんな右に行ったのですが、海外では、左に行く選手がいると。それは『監督が右に行けというのは分かったけど、自分の判断では左なんだ』ということのようです。つまり、『右を見ろ』という言葉で、右も左も見た上で自分で判断できている。でも、日本人は言われたことしかできないことが問題なんだと。そこでオシムさんは『右と左と前と後ろを見ろ』と4つの選択肢を伝えるようになりました。それで、斜めに行った選手に『ブラボー』と声を掛けた。『考えろ』というのは『どっちがいいのかを考えろ』ということなんです」

池上さんのこの回答に、質問した母親は「すごく腑に落ちました」と話していました。

次ページ:3つ目の選択肢で考える幅が広がっていく

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