1. トップ
  2. 連載
  3. 平岡和徳氏に聞く「子どもたちの未来に触れる」スポーツ指導・学校部活動
  4. 休むこともトレーニング 子どもたちが「自分で決める」ようになるこれからのスポーツ指導の在り方

平岡和徳氏に聞く「子どもたちの未来に触れる」スポーツ指導・学校部活動

2018年10月15日

休むこともトレーニング 子どもたちが「自分で決める」ようになるこれからのスポーツ指導の在り方

キーワード:Jリーガー世界一受けたい授業凡事徹底大津高校平岡和徳平岡監督指導者教育部活

「世界一受けたい授業」、子供の本気を引きだす感動の授業で話題沸騰

さる9/29(土)放送の日本テレビ系列「世界一受けたい授業」に平岡和徳氏(熊本県立大津高校サッカー部総監督・宇城市教育長)が出演し、「子育てでも会社でも使える無名のサッカー部を常連校に変えた教育法」として指導哲学・教育法について授業を行いました。

一日の練習を100分に区切り、日常生活にもしっかり取り組むことで人間的に多く成長させれる指導で、これまで50人近いJリーガーを輩出してきた平岡氏の授業は大きな反響を呼びました。

サッカーの指導者でありながら宇城市の教育長も務める教育者である平岡氏に、昨今、話題となっているスポーツ指導の現場における体罰・パワハラ問題・長時間の練習、さらには現場の教員が置かれている状況、これからのスポーツ指導のあり方についてお話を伺い、全3回に渡ってお送りする本連載。

前回は、スポーツ指導の在り方の改革が叫ばれる一方で求められる現場の教員たちの「働き方」改革についてお話を伺いました。

最終回となる今回は、これからのスポーツ指導の在り方、展望についてお送りします。

(取材・文 井芹貴志)

hiraoka_bonjitettei_3_01.JPG

これからのスポーツ指導の在り方とは。

<< 第2回:これからの部活動「3K」とは | 連載一覧 >>

回/これからのスポーツ指導について

■子供たちが環境、指導者を選んでいく

―― 組織や指導者のあり方に変化が必要だということを前回お話いただきましたが、そういった部分がリセットされることで、何が変わっていくでしょうか?

平岡 おそらく、今以上に選手たちが指導者やチームを選べる環境ができていくのではないかと思います。典型的な例は、テニスの大坂なおみ選手です。彼女は、お父さんをはじめ、様々なキャリアを積んでいる人に基礎を作ってもらい、最終的に今のコーチを選び、コミュニケーションスキルリバウンドメンタリティ(困難を跳ね返し、這い上がろうとする精神)を高めていきましたよね。

そういった選択のタイミングがあると思いますし、そのタイミングを大人がサポートすることも必要です。もちろん、そこには本人の意思が尊重されなければいけないと考えます。

hiraoka_bonjitettei_3_02.JPG

大津高校サッカー部の練習風景。「全国制覇」のバナー

―― 具体的にはどういうことでしょうか。

平岡 例えばサッカーの場合なら、高校入試の段階でJクラブのユースに行くか、高校に行くか、高校なら県立か私立か、判断します。それは、それぞれのチームのカラーや指導者を子ども達が選んでいるということなんです。

15歳の子ども達が自分で、「あそこのチームにいけば自分は変われる」「自分の未来はあの学校にいくことによって充実するんだ」と決断しているわけです。15歳の決断が、今度は18歳で大学や指導者を選ぶという次の決断をする時の大きなエネルギーになります。

一度自分で選んできたから、また次も選べる。逆に人から言われて決めていたら、次も人に言われるまで変わりません。生涯スポーツとして長く関わっていきたければ、サッカーを大好きなままでいられる環境はどこなのか考えて、あの大学だ、あのクラブだ、というふうに選んでいけるでしょう。

トップアスリートになるほど、自分で選ぶという欲求は強くなっていきます。個人競技の場合は特に、「もっと高いレベルにいきたい」と考える選手は、陸上競技でも、水泳でも、アイススケートでも、自分から指導者を選んでいますよね?

―― それも先ほどの話に出てきた主体性というところにつながりますね。

平岡 義務教育までの9年間でいろんなスポーツを体験し、中学校で「このスポーツを頑張りたい」とある程度絞って、そこから先は力量や自分の未来のビジョンによって次の選択肢を作っていく。

高校へ進む15歳の段階で、どこへ進めば大好きな競技を一番楽しめるのか、その競技を通して自分が成長できるのかを判断し、今度は18歳で、このスポーツをもっと好きになって、一生関わり続けることで人生を有意義に過ごしたい、あそこにいけばもっとこの競技の魅力を感じることができるんじゃないか、あの指導者から学びたいものがある。だからこの大学へ行こう、という風に、段階的に競技に関わっていくのが理想的だと思います。そういう前提があって、場所や環境、指導者を選ぶということになると思いますね。

―― そういう点では、子どもの頃はいろんなスポーツに触れることが望ましいと。

平岡 たとえばサッカーのクラブチームが週に3日活動しているとします。共通の休みの日があれば、子ども達は校庭でフットベースボールやドッヂボールをして遊んで帰りますよね。いつもは交わらない競技の子達と違うスポーツをして体を動かすのは、すごくいいことだと思います。

宇城市では、学校の部活動については週に4日以内、16時半から18時半まで、土日のどちらかは休むように決めています。それによって先生方の負担感を減らすことにもなります。

次ページ:選手を休ませる勇気、指導者自身の休み方改革を

1  2
今回聞き手を務めた井芹貴志さんが、平岡氏の教育論・育成哲学に迫った「凡事徹底――九州の小さな町の公立高校からJリーガーが生まれ続ける理由」(井芹貴志著)は全国書店にて絶賛発売中!!
サッカー少年の子育てに役立つ最新記事が届く!サカイクメルマガに登録しよう!

※メールアドレスを入力して「登録」ボタンをクリックしてください。

メールアドレス

提供:内外出版社

関連記事

関連記事一覧へ

平岡和徳氏に聞く「子どもたちの未来に触れる」スポーツ指導・学校部活動コンテンツ一覧へ(3件)

コメント

  1. トップ
  2. 連載
  3. 平岡和徳氏に聞く「子どもたちの未来に触れる」スポーツ指導・学校部活動
  4. 休むこともトレーニング 子どもたちが「自分で決める」ようになるこれからのスポーツ指導の在り方