浅井教授(筑波大学)のキック講座

2012年4月 3日

縦に落ちる「インサイドドライブ」を徹底解剖!

現代サッカーの得点のうち4~5割はセットプレーから生まれるといわれています。2010年ワールドカップでの日本代表・本田圭佑、遠藤保仁のゴールもしかり、2011年の女子ワールドカップで、なでしこジャパンの世界一を決めた澤の決勝ゴールもコーナーキックから生まれたものでした。
前回はキックの基本について解説しましたが、今回からは試合を決定づけるフリーキックについてボールのどこを、どう蹴れば...「飛ぶ」「曲がる」「落ちる」「揺れる」のか。各種キックのポイントを図解で紹介します。
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■縦回転のインサイドドライブ

インサイドでボールに縦回転(ドライブ)をかけ、ライナー性の軌道からするどく落ちるボールを蹴ります。インステップで蹴るよりもスピードは出にくいですが、コントロールがしやすく、フリーキックでのオプションとしても使えるキックです。
◎ボール&足のインパクトポイントについて
「足の硬い部分でボールの下を蹴る」
蹴り足の硬い部分(足の内側の骨が出っ張っているところ)でボールのやや下部をミートして、上方向に振り抜く。通常のインサイドキックで使っている、土踏まずの上とくるぶしの間あたりの広い面では、インパクト時に強力なパワーが出ないため、ドライブには向かない。
◎キックの動作解説
(1)アプローチ
ボールのほぼ真後ろから助走を開始する。前傾姿勢を保ちながら、インパクトに向けてパワーを蓄える。
(2)バックスイング
軸足はボールのほぼ真横に置く。蹴り足と反対側の腕を広げてバランスをとりながら、大きくバックスイング。
(3)インパクト
足の内側の硬い部分でボールの下をミートする。足首はやや上を向けて、ボールを突き上げるイメージ。
(4)フォロースルー
インパクト後は、まっすぐ上に振り抜く。ボールはドライブ回転がかかってゴールに向かっていく。
【正面・斜めからのアングル】
◎このキックの名手
・ドログバ(コートジボワール)
・フォルラン(ウルグアイ)
・ダニエウ・アウベス(ブラジル)
◎このキックの要素と特徴
◎このキックを使用する状況
「近距離のフリーキックで威力を発揮」
ゴール前など近距離でのフリーキックで使われることが多い。ドライブ回転がかかったボールをGKの手前でバウンドさせて、セービングをしづらくさせる。また、サイドからのクロスでドライブ回転をかければ速くて伸びのあるボールとなり、DFの脅威となる。
◎キック博士 浅井武のワンポイント解説
「内転筋の強さとボールの勢い」
このキックには内転筋(太腿の内側の筋肉)の強さが必要です。ドログバのようにしなやかでパワーのある選手はインパクト+こすり上げる力が強く、壁の上を越して落とすようなボールさえ可能になります。
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浅井 武//
(あさい・たけし)
筑波大学大学院人間総合科学研究科教授。工学博士。研究分野はスポーツバイオメカニクス、スポーツ工学。日本人スポーツ研究者としては、はじめて国際物理科学雑誌『Physics World』に論文が掲載。モーションアナリストとして、また名門・筑波大サッカー部の総監督として多方面で活躍するキック研究の第一人者。

■基本のキックから「曲がる」「落ちる」「揺れる」まで科学的に分析

浅井氏監修による、多種多様なキックの蹴り方を学ぶ実用書。キックの基本とされるインサイド&アウトサイド、インステップ、インフロント&アウトフロントキックはもちろん、ラボーナやオーバーへッドキックといった変則的キックから、無回転ブレ球、カーブボールなどの変化球まで、サッカーのありとあらゆるキックを物理学的視点&プレーヤー的視点の両面から詳細に分析。小学生が新しくキックを学ぶためにも、また一般のプレーヤーが自分の技術を再点検するためにも使える実用書。

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