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こころ

「親はどんな時でも子どものサポーター」その親の気持ちが子どもに自信をつける

公開:2017年12月21日

子どもたちに「最も応援してほしい人は誰?」と聞くと「お父さん、お母さん」が必ず1位になります。面と向かって子どもたちが親御さんに言うことはないかもしれませんが、心の中でそう願っていることに間違いはありません。サポーターとは試合での勝ち負けに関係なく、どんなときでも応援してくれる人のこと。子どもたちが喜ぶ理想のサポーター像とは?そんなお話をしつもんメンタルトレーナーの藤代圭一さんに聞きました。(取材・文/前田陽子、記事提供/日清製粉グループ)

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■子どもの良いところを積極的に探して、ほめる

 子どもたちにはしてほしい応援と、してほしくない応援があります。小学生の時、バスケットボールをしていたAさんは、いつも試合にお母さんが来てくれて、「○○頑張れー!」とAさんの名前を呼びながら応援してくれていたそうです。けれど、Aさんは当時から「応援とは大きな声を出して伝えることではなく、見守ることだ」という価値観が明確にあったそうです。なので、Aさんが母親となり、自分の子どもの試合では、声を出さずに見守っていました。ですが、ある時子どもから「どうしてお母さんは他のお母さんたちのように、私の名前を呼んでくれないの?」と言われてしまったそうです。自分が嫌で仕方のなかった応援のスタイルを我が子は求めていたのです。こういうことはサッカーでもよくあります。「どんな応援をしてもらえたらうれしい?」「私にできることは何がある?」と、どんな応援をして欲しいと思っているのかを子どもに聞いてみましょう。

 また、TVでJリーグや海外の試合などを見慣れているからか、つい戦術のことにまで言及したくなる気持ちもありますよね。しかし、それはコーチや監督に任せましょう。「今日はあきらめずにボールを追いかけていたね」「シュートが〇本打てたね」「ナイスディフェンスだったね」と、試合でできたことや取り組んでいたことを認めること。ついつい、できなかったことや悪い点を探してしまいがちですが、親はできたこと、良かったことを積極的に探して、認めてあげる。それが子どもの一番身近なサポーターとしてできる親の応援の声掛けだと思います。

■「がんばる姿を応援している」親の気持ちはそのまま伝える

 ほとんどの親御さんが、試合の勝ち負けより、子どもの一生懸命な姿が見たいと、試合会場に足を運んだり、ビデオを撮ったりしていると思います。しかし、いざ応援をしようとすると「次の試合は勝つぞ~」「負けるなよ」と、勝ち負けに言及したものになってしまっていませんか?普段から結果の事ばかり話しているのに、試合前に「あなたの頑張っている姿がみたいのよ」と話しても、あまり信憑性がありません。いつもどんな会話をしているのか、振り返ってみてください。普段の会話から勝ち負けの話が多いようなら要注意です。

 小学生のサッカーは8人で行うチームスポーツです。ピッチに立てる選手以外に、控えの選手もいます。そのため「〇〇くんはすごいね」「どうして〇〇くんのようにできないのかしら」と、他のお友達と比較してしまうこともあるかと思います。「〇〇くんに負けないように頑張れ、あなたにもできるよ」とはっぱをかけているつもりでも、こうした比較からの言葉掛けは絶対にNG。子どもが努力して、頑張っている様子を見られることがいかに親にとってうれしく、誇らしいことかを、子どもにそのまま伝えてください。子どもたちは大好きな両親や大人たちから認められることで、自己肯定感が高まり、自分に自信が持てるようになります。ピッチ上で自分の力を最大限発揮するためには、自分に自信があることが大事です。子どもの努力や取り組み方を認めていることを、きちんと伝えてあげてください。

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■食事中はテレビを消して、日々の会話で親子の信頼関係を築く

 みなさんの家庭では、食事の時間にテレビはついていますか?クイズ番組などを一緒に見て、答えを考えることはとても楽しいですよね。しかし、試合の振り返りを大事にしたいのであれば、食事中はテレビを消すこともひとつかもしれません。日頃から、リラックスした環境でコミュニケーションに時間をとることをおすすめします。

 そして、子どもが話を始めたら、途中で話を遮らないこと。なんとなく話したいことがわかると、途中で話を変えてしまったり「わかったよ」と話を切り上げてしまうことがありますが、子どもの話は最後まで耳を傾けましょう。きちんと話を聞いてくれないと「お母さんは僕の話に興味が無いのかな?」と不安を感じますし、話を聞いてくれる人にしか、子どもたちは心を開くことができません。

さらに重要なのは、日ごろから子どもとの信頼関係を築いておくということ。そのためには「大人だから良いの」という言葉は止めましょう。子どもにはやらせるのに大人はやらなくて良いことに、子どもたちは敏感に反応します。それがあると信頼関係は決して築けません。信頼関係がベースにあってこそ、コミュニケーションは深まります。それによって親子の絆が強くなっていくのです。


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取材・文/前田陽子、記事提供/日清製粉グループ

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