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「なぜ言ったことができないんだ」はNG!あなたの言葉を聞くかどうかは"子ども"が決めるもの

公開:2016年6月 7日 更新:2021年1月27日

キーワード:コミュニケーションコーチングルール伊藤守質問

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過去のサカイクキャンプにて撮影
 

■子どもが聞いてくれるときは、欲しい情報があるとき

「じつは、細胞もコミュニケーションを取っています。細胞同士が情報を飛ばして受け取ることを連鎖しています。細胞の中には“リセプター”と呼ばれる受容器があり、それが表出すると情報を受け取ります。すべての情報を受け取るわけではなく、リセプターが表出していなければなりません。
 
では、どんなときにリセプターが表出するのか。それは“欲しい情報がある”ときです。“聞き手に主導権がある”と言った理由はこのことです。話す側が言ったことを、聞く側はすべてを聞いているわけではありません。 聞く側が“もともと欲しい情報だった”から聞いているんです」
 
リセプターのことは、子どもが話を聞いている様子を見ていればよく理解できます。興味があるときは真剣に耳を傾けているし、興味がないときは上の空です。これは、大人も子どもも関係ありません。その時々で、聞き手にとっては欲しい情報であるかが重要なのです。
 
もう少しだけ細胞のことを掘り下げます。細胞が情報を受け取って核まで入れると、細胞は2つのことしかできません。それはアポトーシス(自殺)か、分裂するか。つまり、リセプターを働かせて情報をしっかり受け入れるかどうかを操作しているのは、簡単に核まで入れてしまうと生命に関わるからです。伊藤さんは、このことを簡単に説明してくれました。
 
「コーチや親の言うことを簡単に受け入れたら、それがどんなに正しくとも子どもにとっては危ないんです。なぜなら、自分の個性とか特徴という自分らしさ(=アイデンティティ)がなくなることに関わるから。だから、自分が欲しい情報かどうかを選んでいるし、情報には優先順位があるんです」
 
大人の言っていることを選ばず、すべてを受け入れていたらその大人のコピーと同じです。子どもにとって欲しい情報であるかどうかを選んでいるからオリジナル、その子らしさにつながっていくのです。
 
だからこそ、コミュニケーションをとるとき、お父さんやお母さんを含めてコーチは子ども一人ひとりに気を配り、情報を受け入れているかどうかに目を凝らさなければなりません。指導をする上で大事なことは、主役が聞き手である子どもだということを忘れずにコミュニケーションをとることなのです。
 
子どものサッカーがうまくなる方法は、答えを与えることじゃなく彼らが見つけた答えを後押ししてあげること>>
 
伊藤守
株式会社コーチ・エィ 創業者/代表取締役
日本人で最初の国際コーチ連盟(ICF)マスター認定コーチ。コーチングを日本に紹介し、1997年に、日本で最初のコーチ養成プログラム(現「コーチャカデミア」)を開始。人と人との関係や、コミュニケーションに対する研究は35年に渡り、それらをテーマに、教育、スポーツ、医療機関や地方公共団体、経営者協会などで講演活動や執筆を行う。また、出版社、アンチ・エイジング・クリニック、インターネット・コンサルティング会社も経営。コーチ・エィのメールマガジン「コーチ メルマガ」に執筆中。
 
 

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取材・文 木之下潤

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