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サッカー豆知識

上原浩治さん、鈴木誠也選手らを支えるマネジメント会社社長「サッカーは一人ではできないことを大人が言い聞かせて」

公開:2022年9月29日 更新:2022年10月17日

キーワード:オールドルーキースポーツマネジメントチームスポーツ上原浩治感謝の心澤井芳信綾野剛

スポーツマネジメントが題材となった、TBSドラマ日曜劇場『オールドルーキー』。綾野剛さん演じる主人公は元Jリーガーで、引退した選手がその後、どうキャリアを築いていくかにスポットライトが当たり、注目を集めました。

オールドルーキーで描かれた、スポーツマネジメントの監修を務めたのが、株式会社スポーツバックス代表取締役の澤井芳信さんです。澤井さんはスポーツマネジメント会社を経て独立し、2013年に同社を創業。現在は上原浩治さんや鈴木誠也選手、萩原智子さん、畠山愛理さんなどが所属しています。

学生時代は京都成章で甲子園準優勝を果たすなど、プロ野球選手を目指していた澤井さん。インタビュー後編では、保護者の関わりやトップアスリートに共通することについて、話をうかがいました。
(取材・文 鈴木智之)

 

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<<前編:「オールドルーキー」監修スポーツマネジメント澤井社長が語る、選手を支える「マネジメント」という仕事

 

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■保護者だけでなく、指導者、チームメイトがいてこそサッカーができる

サッカーを始めとするスポーツは、一人ではできません。とくに育成年代では、保護者のサポートなくして、充実したスポーツ活動を送ることはできないと言えるでしょう。

澤井さんは「僕がサポートしているアスリートは『両親に感謝しています』と口を揃えて言っています」と話し、こんなエピソードを教えてくれました。

「メジャーで活躍する鈴木誠也選手は『僕を育てるのは大変だったと思います』と言っていました。スポーツを続けるのは、ある程度お金もかかります。子どもの頃のスポーツ環境を作るのは、保護者ですからね」

鈴木選手のお父さんのサポートぶりは有名で、小学生時代、自宅の喫茶店の横の倉庫にネットを張って、野球の練習をしていたことがテレビで取り上げられるなど、親子二人三脚でプロを目指してきました。

「彼はいまも両親と仲が良いですし、萩原智子さん、畠山愛理さんも、ご両親と良い関係です。僕は所属するアスリートに『マネジメントは運命共同体や』とよく言うのですが、両親は一番の理解者であり応援してくれる人。そう感じているアスリートは多いでしょうね」

サッカーも野球もチームスポーツであり、一人ではできないもの。保護者だけでなく、指導者やチームメイトがいてこそ、サッカーができるんだという事実を、大人が言って聞かせてあげるのも大事なことなのかもしれません。

 

■トップレベルに上り詰める選手に共通すること

たくさんのアスリートと接してきた澤井さんは、トップレベルに上り詰める選手に共通することが、2つあるといいます。それが「負けず嫌い」と「継続力」です。

「負けず嫌いはアスリートはみんな持っていると思うのですが、結果を出すために考えて、努力を継続する力は、トップレベルに到達する選手特有のものだと思います。いわゆる練習のための練習ではなく、試合で結果を出すために何が必要なのかを考えて、様々なアプローチをしています」

澤井さんは「トップアスリートは固定観念を持たず、良いものを取り入れる。変わることに対して、恐れを抱かない。考える力があって、常に自問自答している印象です」と言います。

サカイクで大切にしている「考える力」は、トップアスリートになるために欠かすことのできないものです。

「友人から聞いたのですが、ボクシングチャンピオンの輪島功一さんは、タクシーに乗っているときに、バックミラー越しの運転手の視線からヒントを得て、必殺技のパンチを編み出したそうです。その競技のことを常に考えているから『これ使えるかも』と、ピンとくるわけですよね」

澤井さんがマネジメントする鈴木誠也選手も、常にバッティングのことを考えているそうで「それが継続であり、引き出しにつながっていくのだと思います。トライアンドエラーして、自分自身にフィードバックをすることは、スポーツの頭の良さ、考える力につながります」と話してくれました。

 

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■知識を増やすと、それが「知恵」になる

さらに澤井さんは「アスリートがそれだけ考えてやっているので、僕たちマネジメントがふんぞり返っていては駄目なんです」と、言葉に力を込めます。

「彼らを支えるために、努力しないといけません。無駄な勉強なんてなくて、興味本位で知識を増やしていくことが大事だと思っています。僕はよく言うのですが、知識を増やすと、それが知恵になります。いくら考えても知恵は出てきませんが、知識を増やすと、それがつながって知恵になるんです」

澤井さんがスポーツマネジメント会社に就職した当時、メジャーリーガーとして活躍していた上原浩治さんの担当になりました。そこで「鞄持ちになっても意味がない」と一念発起し、上原さんの役に立てることは何かを必死に探していたそうです。

「上原さんは野球の知識はお持ちなので、それ以外の知識を身につけること、スポーツ以外の人脈を増やすことを心がけていました。僕がスポーツやビジネスの場で出会う人に、上原さんという存在以外の価値を提供できたときに、新たな価値が生まれ、信頼も生まれます。それが仕事につながることもあるので、そこは意識していましたね」

澤井さんは社会に出た後も早稲田大学大学院に通い、スポーツマネジメントを始めとする勉学に励んでいたそうです。まさに「知識は知恵に通じる」の体現です。

その姿勢を認めてくれたのか、澤井さんが会社を退職するときに、上原さんが「一緒に行ったるわ」と言ってくれ、創業したスポーツバックス社の所属になってくれたそうです。

 

■サッカーを続けていくうえで感謝の気持ちは大事にしてほしい

サカイク読者のみなさんにとって、将来の仕事を決めるのは、もう少し先のことかもしれません。ですが、今回の澤井さんのお話は、将来を考える上で大きなヒントになったのではないでしょうか?

ぜひ保護者を含め、周囲の人への感謝の気持ちを忘れず、考える力を持って、サッカーに勉強に頑張ってほしいと思います。その先に、素敵な未来が待っているはずです。

 

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澤井芳信
1980年10月26日 京都出身
京都成章高校時代に、春夏甲子園に出場。80回記念大会となる夏の甲子園では松坂大輔擁する横浜高校にノーヒットノーランで負け、準優勝。
同志社大学に進学し、硬式野球部に所属。大学3年の時、秋季リーグ戦で遊撃手としてベストナインを受賞。
その後、プロ野球選手を目指し、社会人野球の新日鐵君津硬式野球部(現在は新日本製鉄かずさマジック)に在籍するが、4年後に現役を引退。
引退後、エージェントの仕事に憧れ、スポーツマネジメント会社に転職。2013年に独立し、株式会社スポーツバックスを設立する。

 

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