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サッカー豆知識

2018年5月29日

ボールって"球体"じゃないの? いつも使っているサッカーボールの成り立ちを考えてみよう

キーワード:サッカーボールモルテンヨーロッパリーグ天皇杯小学生皇后杯

スパイク、ユニフォーム、グラウンド、ゴール......。サッカーをする上でなくてはならないものは何でしょうか。もちろん、コーチやチームメイト、対戦相手、審判がいないと試合はできません。でも、何よりも必要なのは、サッカーボールです。「サッカーなんだから当たり前でしょう」と思うかもしれません。ただし、この"当たり前のもの"ができ上がるまでには様々な過程があり、様々な人たちが関わっています。

今回は、皆さんが日頃から当たり前のように使っているサッカーボールについて考えてみたいと思います。いったいボールはどうやってできるのでしょうか。そしてどうやって皆さんの手元に届くのでしょうか。

そんな疑問を、Jリーグやワールドカップの公式試合球なども手掛けてきた世界的なボールメーカー「モルテン」で開発に携わる内田潤さんに尋ねました。

皆さんは、ボールのことをどこまで知っていますか?
(取材・文:本田好伸)

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■現代サッカーの最高峰は"縫わない"ボール?

今、皆さんはどんなボールを使っていますか?

この記事は、ぜひ、普段から使っているボールを手に取りながら読み進めてみてください。当たり前ですが、「ボール」なので丸いはず。ただ厳密には、サッカーボールは"球体"ではありません。

「よく目にするボールの形は、五角形と六角形の組み合わせによってできているものではないでしょうか。これは、アルキメデスの多面体の考えに基づいているのですが、20枚の六角形と12枚の五角形をつなげることでより丸に近づくとされています。ボール作りには、この真球性のこだわりが詰まっています」

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ボールなのに丸じゃない。いきなりボールの不思議を考えさせられます。続いて、普段は見えない内側の仕組みを見てみましょう。一般的なサッカーボールは「ゴム」からできています。ゴムは天然のものと石油などから作られる化学製品の2種類があり、サッカーボールではどちらも使われますが、弾力性や耐久性といった様々な特性を踏まえて、芝やグラウンドの状況に合わせて使い分けます。

「ボールを作るパーツとしては、球形のゴムチューブを覆うための糸や綿布があります。ゴムは膨張するので、それを抑えるために必要なものです。その外側に『パネル』と呼ばれるものを付ければボールの見た目になりますが、そのパネルにも、蹴り心地を良くしたり、水を吸い込まないようにするための工夫があります。あとは、空気を入れるためのバルブですね。こうした要素によってボールは作られています」

では、外側の見た目はどうでしょうか。皆さんが持っているボールに"縫い目"はありますか?

「パネルとパネルの付け方は、手縫い機械縫い熱接合があります。公式大会などで使われる検定級は、耐久性の観点から、手縫いと熱接合が認可されています。熱接合は、モルテンでは『アセンテック』と呼ばれる最高品質の技術なのですが、パネル同士を熱で付けるために縫い目はありません。こうすることで、吸水率を下げることができて、さらには、どこを蹴っても同じ感触を得られる均一性を生み出すことができます」

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パネル同士が付いているために、外側が"ハゲる"ことも、水を吸って重くなることもないのです。天候に左右されることが減っているということですね。また、縫い目がないことで、縫い目の付近は固く、そうではない箇所が柔らかいということもないために、どこをインパクトしても、同じようにキックの威力を伝えられるようです。モルテンでは「For the real game」というブランドコンセプトを掲げていますが、「選手が技術を正確に発揮できた時に初めて本物のゲームが生まれる」という考えの下で開発された技術のようです。

■バスケットボールもバレーボールも、最初は同じボール?

日本だけではなく、ボールを作る会社は世界各国に数多く存在していますが、ボールを作る技術はメーカーによって日々進化を遂げながら、終わることのない追求が続いています。

1958年に広島で創業したモルテンも、当時からボール作りを続けていましたが、先ほどの「アセンテック」の技術は、モルテンの「ペレーダ」「ヴァンタッジオ」などで採用され、天皇杯・皇后杯全日本U-12サッカー選手権など国内のみならず2018シーズンのUEFAヨーロッパリーグの公式試合球や、2019年1月開催されるAFCアジアカップなど海外の大会でも使用されることになりました。

「ボールの開発には長い期間を費やしますが、例えば『ペレーダ』は構想から商品化まで2年以上掛かりました。私たちは本物のゲームの実現を追求しているので、まずは現場の声を大事にしています。選手が何を感じているのかを吸い上げながらボールのコンセプトを考えて、企画を立ち上げて、デザインを始めて、サンプルを作ります。その後、様々な試験と実際に選手などに使ってもらうモニターテストを繰り返しながら量産できるものに仕上げていきます。使う人が感じる『ここが良い』とか『少し硬いな』といった感想は抽象的なものなので、それを具体的な数値に落とし込んで修正して、プレーヤーが納得できるものを目指して作ります」

次ページ:サッカーもバスケ、バレーも最初は同じボール?

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文:本田好伸

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