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東海大菅生中が連覇!第4回首都圏私立中学校チャンピオンズカップサッカー大会

公開:2013年1月13日 更新:2019年10月 8日

キーワード:サッカー大会中学校

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 新しい年を迎えて間もない1月6日、首都圏私立中学校チャンピオンズカップサッカー大会の決勝戦が埼玉スタジアム2002第3グラウンドで行われました。

■首都圏の私立中学No.1決定戦!

 この大会は首都圏、東京・埼玉・神奈川・千葉、1都3県の私立中学校サッカー部で争われ、今年で4回目の開催となる大会です。日本でも屈指の激戦区と言われる首都圏の私立中学校130校の頂点を決める戦いの決勝戦、3位決定戦の行われた最終日に取材に行ってきました。
 決勝に先駆けて行われたのは、鎌倉学園中(神奈川)と日本大学中(神奈川)の神奈川対決。さすがに準決勝まで残ったチーム同士、お互いに自分たちの特徴を出し合った好ゲームを展開します。
 序盤からペースをつかんだのは鎌倉学園。右サイドを軸に、日大中陣内で試合を進めます。一方の日大中は堅い守りから素早い速攻を仕掛けます。前半は両者譲らず0-0。
 後半に入ると、日大中の動きが一変。徐々にボールを回し始め、チャンスを増やしていきます。鎌倉学園も全員攻撃全員守備で日大中ゴールに迫りますが、後一歩が遠い時間が続きます。
 試合の決着がついたのは試合終了間際の後半29分でした。日大中、天野俊平選手のシュートがゴール左隅に決まります。鎌倉学園もロスタイムにCKを得ると、果敢にヘディングシュートを狙いましたが、このプレーを最後にホイッスル。我慢のサッカーから1点をもぎ取った日本大学中学校が勝利し、3位となりました。
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■中学生活最後の大会 連覇を目指す東海大菅生中

 決勝は午前中の準決勝で鎌倉学園中を2-0で下した東邦大学東邦中(千葉)と、日本大学中を1-1、PK戦の末下した全開大会の王者、東海大菅生中(東京)の対戦。
 先制したのは東邦中でした。開始5分、GKのパスミスを見逃さず杉山滉一選手がゴール。先制を許した菅生中でしたが、落ち着いたボール回しで、ゲームを組み立てます。
 前半22分、菅生・氏家健太選手のシュートのこぼれ球を藤本夏知選手が押し込み、同点。菅生中は後半に入ると、さらにスピードを上げたパス回しで東邦中を圧倒します。
 後半4分、ペナルティーアーク付近でドリブルを仕掛けた藤本選手がこの日2点目となる豪快なゴールを叩きこめば、スルーパスから飛び出したキャプテン、小岩井亮選手が得点し3-1。9分には藤本選手がミドルを沈めてハットトリック達成。後半開始からたたみかけ、ゲームを決めにかかりました。
 東邦中も大型2トップになんとかボールを集め、形勢逆転を狙いますが、中盤を支配され思うような戦いができません。試合はこのままタイムアップ。正確な基本技術をベースに素早いパス回しで相手を圧倒した東海大菅生中学校が2連覇を達成しました。
 試合終了後、藤原利文監督は「2連覇を目標にしてきた。ノロウイルスでフルメンバーで戦えないこともあったが、今日は30人全員で優勝をもぎ取れてうれしい」と素直に勝利を喜びました。
 東海大菅生中は3年生が13人と「例年より多かった」(藤原監督)ということもあり、最後の大会での優勝は感慨もひとしお。中学サッカー最後の大会で全員で勝ち取った優勝でした。
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■中学サッカーにも現代サッカーのトレンドが

 特に決勝戦を見ていて思ったのですが、プレッシャーの厳しいゴール前のエリアではなく、ボランチやアンカーと呼ばれるポジションでゲームを組み立てるサッカーが中学校でも主流になっています。菅生中の氏家選手は視野の広いパスとポジショニングで、中盤の低い位置からゲームを組み立てていました。そこに10番らしい10番、テクニシャンの小岩井選手が絡み、フィニッシュは、これまた"らしさ"を持ったストライカー藤本選手が担当する。藤本選手のポストプレーからのパスの出し入れ、そこに多くの選手が関わってゴールまでボールを運ぶ様子は、現代的なサッカーの要素が詰まっていました。
「止める」「蹴る」「運ぶ」三つの基本技術がしっかりしているのは当たり前。身体を当てられてもしっかりそれを受け止める「強さ」、次のパスをチーム全体で考えられる「組織」など、プラスアルファのあるチームが勝利する。目指すサッカー、求められるものも、時代とともに変化しています。
 個人の技術だけでは試合が決まらない。その先にある、連動性や組織の構築。チームとして「やりたいサッカー」がピッチに表現できた方が勝つ。4チームの戦いぶりを見て、改めてサッカーの基本を考えさせられた大会になりました。
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大塚一樹(おおつか・かずき)//
育成年代から欧州サッカーまでカテゴリを問わず、サッカーを中心に取材活動を行う。雑誌、webの編集、企業サイトのコンテンツ作成など様々 な役割、仕事を経験し2012年に独立。現在はサッカー、スポーツだけでなく、多種多様な分野の執筆、企画、編集に携わっている。編著に『欧州サッカー6大リーグパーフェクト監督名鑑』、全日本女子バレーボールチームの参謀・渡辺啓太アナリストの『なぜ全日本女子バレーは世界と互角に戦えるのか』を構成。
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取材・文/大塚一樹 写真/田川秀之

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