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サッカー豆知識

サッカーを通じて自らで考え、仲間を思いやる大切さを学ぶ 『コッホ先生と僕らの革命』

公開:2012年9月14日

キーワード:チームプレーフェアプレー映画

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 現在はマンチェスターユナイテッドで活躍する香川真司選手(昨季はドルトムントで大活躍)、シャルケの内田篤人選手、ニュルンベルグの清武弘嗣選手など、多くの日本人選手が活躍するドイツ・ブンデスリーガ。そのドイツサッカーは一人の教師のサッカーへの純粋な想いから生まれた・・・・・・。今秋、ドイツ・サッカーの起源を題材にした感動作『コッホ先生と僕らの革命』が全国の映画館で上映されます。これに先立ちジュニアサッカーチームと保護者を招待して試写会が行われました。今回はこの試写会でのサッカーキッズたちの感想を交えながら、『コッホ先生と僕らの革命』を紹介します。
 

「自分はいつでもサッカーができるのに、禁止されていたときもあったことを知りました」小6 サッカー歴2年


 第一次世界大戦前、帝国主義に突き進むドイツ初の英語教師として赴任したコンラート・コッホ。当時のドイツでは「スポーツを楽しむ」ことはなく、運動といえば軍国主義に基づいた訓練としての体操が一般的でした。ドイツにとってサッカーは敵国のスポーツ。反英感情が高まる中、コッホ先生とサッカーに魅せられた生徒たちはサッカーをプレーするために奮闘します。

 
イギリスから渡ってきたサッカー
 コッホ先生がイギリスからサッカーを持ち込んだ1874年以前はドイツにはサッカーの影も形もありませんでした。ワールドカップ優勝3回(西ドイツ)を誇るサッカー大国ドイツですが、当時サッカーはイギリスから入ってきたまったく新しい“輸入”スポーツだったのです。それから138年が経ち、現在のドイツでは毎週末リーグ戦が盛大に行われ、世界で一番観客が入るといわれるスタジアムでは世界のスーパースターの美技に熱い声援が送られています。
 
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「サッカーはフェアプレーが大切」 小4 サッカー歴4年
「チームの大切さが伝わってきました」 小4 サッカー歴3年

「ドイツサッカーの父」として知られるコッホ先生の実話に基づいたこの作品には、“フェアプレー”と“チームプレー”の大切さを説くシーンがたびたび出てきます。秩序と規律、服従が絶対だった生徒たちがサッカーを通じて自ら考え、仲間を思いやり、団結していく姿は、国や時代を問わずに発揮される“サッカーの力”。日頃サッカーを楽しんでプレーしている子どもたちにはより多くのことが伝わったようです。
 
現代にも通じるコッホ先生の教育論
 英語教師として赴任してきたコッホ先生は、英語に興味を示さない生徒たちに「サッカー」を与えました。見たこともないスポーツに夢中になった生徒たちは、身分や貧富の差に関係なく、ひとつのボールを追いかける喜びを見出します。コッホ先生はサッカーの持つ、フェアプレーの精神、チームプレーの大切さを通じて、自由と自立と平等を教えた“教育改革者”でもあったのです。深刻化するいじめが社会問題として取り上げられているいま、コッホ先生と生徒たちが成し遂げた革命は、現代を生きる私たちにこそ必要なことなのかもしれません。
 
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ーーグッときたシーンは?

「みんながサッカーにあつくなったところ」 小5 サッカー歴5年
「あきらめなかったところ」 小6 サッカー歴6年

「時代背景や、歴史のこと、子どもたちにわかるかな?」と、大人は頭で考えがちですが、試写会でも子どもたちは徐々に物語に引き込まれ、同じサッカーを愛する“チームメイト”として目を輝かせながら、スクリーンに写し出される生徒たちの奮闘を応援していました。一緒に観ていた保護者からは「サッカーが単なるスポーツでなく、フェアプレイ精神、情操教育にも役立つことが分かった」「スポーツはいろいろな社会のしがらみを超える力を持っていると実感した」「子どもの自主性をもっと重んじる(自分で考えること)が大切」などなど、子どもたちがサッカーする意味、意義について考えさせられる機会になったという意見が多く聞かれました。
 
 

■サッカーをプレーする子どもたち、サッカーを愛する人たちへ

 映画鑑賞にぴったりな秋、普段はじっとしている時間がもったいないと毎日練習に励むサッカーキッズも、自分の大好きなサッカーをより深く知ることでプレーの上達につながるかもしれません。サッカーを愛するすべての人たちに観てもらいたい映画です。
 
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『コッホ先生と僕らの革命』
監督:セバスチャン・グロブラー 脚本:フィリップ・ロス、ヨハンナ・シュトゥットゥマン
出演:ダニエル・ブリュール、ブルクハルト・クラウスナーほか
 
【STORY】
第一次大戦前の帝国主義ドイツでは、反英感情高まる中、イギリス生まれのサッカーは“反社会的”なものとされていた。そんな中、名門校にイギリスからドイツ初の英語教師コンラート・コッホが赴任してきた。生徒たちのイギリス=英語に対する強い偏見を払拭するため、コッホは授業にサッカーをとりいれる。子供たちは戸惑いながらも、どんどんサッカーの虜になっていく。しかしコッホのその型破りな授業は、慣習を重んじる大人たちを敵に回すこととなるが、そんな大人たちに対し、それまで意思を持つことを許されなかった子供たちが自ら立ち上がった―
 
9月15日(土)TOHOシネマズ シャンテ他、全国順次ロードショー
 
©2011 DEUTSCHFILM / CUCKOO CLOCK ENTERTAINMENT / SENATOR FILM PRODUKTION
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文/大塚一樹

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