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インタビュー

来季ブンデス1部加入決定の高校ナンバーワンストライカーが語る、決してスターではなかった少年時代

公開:2022年12月13日 更新:2023年7月 3日

キーワード:ストライカーブンデスリーガボルシアMG神村学園福田師王高校サッカー選手権大会

空中戦の強さ、裏への抜け出し、シュートレンジの広さ、どん欲にゴールへ向かう姿勢――。どれをとっても「高校No.1ストライカー」にふさわしい力がある。

卒業後、ブンデスリーガ1部・ボルシアMGへ加入する福田師王は、いかにしてその才能を磨いてきたのか。

決してスター街道を走ってきたわけではない。挫折を繰り返しながら一歩ずつ前進してきたからこそ、いまがある。

今大会最も注目を集める男がこれまでの歩みと最後の選手権にかける想いを明かしてくれた。
(提供/エル・ゴラッソ特別編集 高校サッカー名鑑 聞き手:松尾 祐希)

 

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福田師王選手(右) 写真:平野 貴也

 

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■"本気でサッカーをしたい"と思って

――サッカーを始めたのはいつごろですか?

「記憶があいまいな部分もあるんですけど、4歳か5歳ぐらいからたまにボールを蹴ったり、年に何回か幼児サッカーの試合に出させてもらったりしていました。本格的にサッカーを始めたのは、確か小学校1年生のときですね。3つ上の兄がサッカーを始めた影響もあって、自分も同じチームに入りました。

でも、そのチームは辞めたんです。チームがなくなってしまったのも理由の一つなんですが、いろいろなスポーツをやってみたい思いがあって、ほかの(サッカー)チームにも移らなかったんですよ。なので、いろんな遊びをしていましたね。野球とかキックベースとか。

もともと球技が好きで、体を動かして遊びたいタイプ。とにかく外で遊ぶのが好きだったので、木登りをしたり、田舎なので猿を捕まえにいったり。いつも夜遅くまで自然と触れ合いながら遊んでいた感じでした」

 

――どのようなきっかけでサッカーに戻ったのでしょうか?

「少年団の監督と仲がよくて、誘われたことがきっかけで、小学校2年生のときに近所の少年団に入ってプレーしました。その後、4年生からはまた違うチームに入らせてもらいました」

 

――チームを変えたのはどうしてですか?

「1歳上の世代で後に神村学園でチームメートになる3人の先輩がそのチームでプレーしていたんです。その人たちがうまくて、憧れました。(小学校3年次に参加した鹿児島の)鹿屋地区トレセンの際に先輩たちに誘ってもらって、"真剣に本気でサッカーをしたい"と思ってチームを変えました」

 

サッカー少年の親が知っておくべき
「サカイク10か条」とは

 

■DFとして評価されていた4種時代

――当時はどのポジションでプレーしていたのでしょうか?

「3年生のころはトップ下をやっていました。[2-3-2]の真ん中。でも、4年生でCBとSBにコンバートされて、そこからはずっと後ろのほうですね」

 

――後ろのポジションをやることに抵抗はなかったのでしょうか?

「特にこだわりはなかったですね。とにかく勝ちたいだけ。勝てるのであれば、どのポジションでもいいと思っていました」

 

――いまのプレースタイルを考えると、"守備の選手"というイメージがつかないですね。

「いまみたいに体が強いわけじゃなくて、背もめちゃくちゃ小さかったんです。線も細かったし。小6で140cmぐらいしかなくて、本当にガリガリでした。でも、プレースタイルは粘り強い感じ。1対1の守備が得意で、小学校6年生で九州トレセンまでいきました。ナショナル(トレセン)で落ちましたけど、DFとして評価をしてもらっていましたね」

 

――神村学園中時代から一緒にプレーし、抜群の連係を築いている大迫塁選手と出会ったのもそのころだと思います。

「小学校4年生のときの県トレセンで出会ったんですけど、仲よくなったのは中学に入ってからです。当時は喋るぐらいで、会ったら話すぐらいの感じだったんですよね」

 

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■憧れた神村で見いだされた攻撃の才

――次の進路を考え始める時期になります。神村学園にいくきっかけはなんだったのでしょうか?

「小学4年生のときに神村学園の試合を初めて見て憧れたのがきっかけです。それはいまでも覚えています。神村学園のサッカーはドリブルやパスが主体で、ヒールパスとかもやっていて。『かっこいいな』って思ったんです。

そこから実際にいきたいと思ったのは、小学校6年生の夏ぐらいです。練習会に呼んでもらって、実際に参加してそこで決めました」

 

――入学してみてどうでした?

「レベルが全然違いましたね。巧いし、強いし、速いし......とにかくすごかったです(笑)。九州トレセンに選ばれた経験もありましたが、全然違いましたね」

 

――小学校時代はDF。中学校ではどうなったのでしょうか?

「中等部の監督にコンバートしてもらって、入学してすぐにFWになりました。ただ、なんでポジションが変わったかはいまも分からないんですよ(笑)」

 

――FWでプレーした心境はどうでした?
「すごく楽しくやれていました。最初は1年生チームにいて、2年生でトップチームに上がりました。ただ、その時期に成長期がきて。140cmぐらいで中学に入学して、3 年生の春までに170cmまで伸びました。自分でもめちゃくちゃびっくりしました。でも、オスグッドになってしまって練習ができなかった。身長が伸びたので、体が使いやすくなって、足も速くなったんですけどね」

 

――そこで一気に伸びたんですね。練習だけでも大変だったと思います。

「そうですね。ケガが多く、2年生の頭から1年ぐらいは、まともに練習することができませんでした。ケガもあった中で、県トレセンはSBとして選ばれていましたが、"ボーダーラインの選手"でした」

 

――焦りはなかったんですか?

「なかったですね。そもそも2年生の時点で『プロになろう』なんて思ってもみなかったので」

 

――大迫選手は2年生の時点で主力として活躍していました。悔しさはなかったですか?
「それもなかったですね。そのころから塁はすごかったし、届かない存在で。『追いつこう』なんて考えたことはありませんでした」

 

FWとしての転機、初の年代別代表と選手権で変わった意識、そして最後の選手権にかける思い......
続きは『高校サッカー名鑑』で

 

福田 師王(ふくだ・しおう)
2004年4月8日生まれ、18歳。鹿児島県出身。178㎝/70kg。神村学園中→神村学園高。
ボルシアMG内定 U-19日本代表

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