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インタビュー

体が小さくて体格で負ける分、技術でカバーしようと考えてサッカーをしていた――兵藤慎剛(横浜Fマリノス)

2013年5月 7日

キーワード:横浜F・マリノス

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2013年J1リーグで開幕8連勝と勢いに乗り、現在2位につけている横浜Fマリノス。その中で、ヤマザキナビスコカップも含めた全ての公式戦においてスターティングメンバーに名を連ねている兵藤慎剛選手に子どもの頃から現在に至るまで、いろいろとお話を伺いました。
 
 

■サッカーに限らず、体を動かすことが本当に大好きだった子どもの頃

――兵藤選手がサッカーを始めたきっかけを教えてください。
 
「小さい頃からサッカーに興味があったんですが、ソフトボールも好きで、最初はどちらのクラブに入るかすごく迷っていたんです。結局、サッカーを選択し、小学2年生の時に地元のクラブに入ろうとしたのですが、当時はちょうどサッカーが流行り始めていた頃で、部員数が多く、すぐに入ることができなかったんです。ようやく入部できたのは小学3年生になってからでした」
 
――当時からサッカー一筋だったのですか?
 
「実はサッカーを始める前の小学1年生から水泳を習っていたので、しばらくは水泳のほうを優先していました。ただ、親からは『一番上の級を取得したら(水泳は)やめていい』と言われていたので、取得した瞬間にやめてしまいました(笑)。サッカーは週に2回ほどの練習で、あまり強いチームではありませんでしたが、指導者の方が僕らによく海外サッカーのビデオを見せてくれたりして、楽しませてくれたことはよく覚えていますね」
 
――スポーツとは幼い頃から縁があったのですね。
 
「水泳に限らず、小さい頃から僕は体を動かすことが本当に大好きで、サッカーの練習がない日も友だちと一緒に野球をしたり、基本的に体を動かすことばかりでした。さらに、父親がマラソンやトライアスロンをしていた関係もあり、練習がない日は父の後ろにくっついてよく一緒に走っていましたね」
 
――“走る”といえば、国見高校時代もかなりの距離を走ったと思います。1日にフルマラソンくらいの距離を走ることもあったと聞いたことがありますが。
 
「僕らの時代は一番多くても20kmを少し超えるくらいでした。でも、1度に20kmを走るのではなく、例えば朝12km走って、30分ハーフの試合を2試合半こなした後に、10km走るという感じですよ。一回で20km走るということはなかったですね。まあ、もし『走れ』と言われたら、走っていたでしょうけれど(笑)。そのような厳しい練習があったからこそ、今、プロサッカー選手になれているのだと思いますし、あの時代の経験が僕のベースになっています。高校時代は親元を離れていたこともあり、メンタル面でもすごく鍛えられたと思います。いろいろな面で強くなれましたし、今の自分のプレーのベースになっているのがこの時代だったと思います。そういう意味では自分にとっては大きな転機でしたね」
 
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■海外サッカーのビデオやJリーグの中継を見て、いろんな選手のプレーを真似していた

――話は戻りますが、小学生くらいの頃はどんな練習を行っていましたか?
 
「小学校時代の指導者は『勝ち負けにこだわらない』と言ったらおおげさですが、本当にサッカーの楽しさを教えてくれるような方で、ロングボールを蹴るということはほとんどなく、ドリブルやパスの練習をよくしていたという記憶があります。ありきたりかもしれませんが、ジュニア世代の頃は、ボールにたくさん触って、感覚、ボールフィーリングを高めることはとても大切なことだと思います」
 
――当時、コンプレックスに感じていたことはありましたか?
 
「コンプレックスと感じるよりも、自分よりも大きな人を負かすことにやりがいを感じていました。もともと、性格的にポジティブなタイプではあると思いますが、そういう意味で、体が小さいこともプラスに捉えられていたんだと思います。体はいずれ成長期がきたら、ある程度は大きくなるだろうと思っていましたから、悩むよりも今、自分ができることをやろうと練習していました。ただ、常に体は小さい方だったので、大きい選手とプレーする時は、体格で負ける分、技術でカバーするしかありませんでした。だからこそ、考えながらサッカーをすることが多かったですね。もし当時、身体能力的に恵まれていたら、“考える”ということを怠っていたかもしれません。体が小さかったからこそ、長所が身につき、少しずつ自分で考えるということができるようになったんだと思います」
 
――当時、“これだけは誰にも負けない!”と自信を持っていたものはありますか?
 
「小さい頃はドリブラーだったのでやはりドリブルですね」
 
――誰かのプレーの真似をしたりすることもありましたか?
 
「小学校の指導者が本当にサッカーに関して詳しく、とくに海外サッカーが好きだったんです。そういう関係もあって、よく小学校の放送室にサッカー部の上級生部員を集めて、海外のビデオや静学(静岡学園)のリフティングのビデオを見せてくださいました。その映像を見て、練習のない日でも、ビデオで見たリフティングやフェイントを自主練習していましたね。また、当時は民放でよくJリーグの中継も放送されていたので、そこで見たプレーを真似したりすることもありました」
 
――その当時、プロサッカー選手になる夢はもう頭の中に描かれていましたか?
 
「小学生の頃はすでにJリーグも開幕していましたし、漠然とした感じではありましたが『(将来)プロ選手になりたいな』とは考えていましたね。とはいえ、まだまだ漠然としたものではありましたけれど」
 
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■多くの実戦経験を積むことが自分へのプラスになった中学校時代

――よりサッカーに真剣に取り組むようになったのはいつ頃からでしょうか?
 
「中学校になってからですね。実は地元中学には進学せず、サッカーの強い私立中学に進学したんです。その中学は1学年に20~30人、3学年合わせても70人前後しかいない中学だったんですが、とくに勉強に力を入れていて、僕が中学進学を検討している頃は、サッカーにも力をいれようと考えている頃でした。そういう関係もあってか、僕も含め、長崎市で実力のある選手が何人か入学することになり、結果、クラスの半分はサッカー部という状態でした。僕らが1年の頃は長崎市の大会でもベスト8、ベスト4くらいで強くはなかったんですが、2年になると長崎県でベスト4に入るくらい、ある程度強いチームになりました。その後、僕らが3年生になった時は1年間、県内では1回も負けたことはありませんでしたし、九州大会でも準優勝できるようなレベルまで到達することができたんです。そういう環境で3年間、プレーしていたことが、よりサッカーに真剣に取り組む大きな要因になりましたね。ほとんど休みがなく、毎週のように試合を行っていたので、きついなと感じることもありましたが、13~15歳という年齢でより多くの実戦経験を積むことができたのは、自分にとっては本当に大きなことだったと思います。これは、大学生になってサッカーの勉強をするようになってわかったことなんですが、ゴールデンエイジと言われる12歳頃までの間はボールフィーリングを高め、成長期がおとずれる中学時代は、より実戦を積んだほうがいいと知りました。そのとき『自分は理にかなったことをしてきたんだ』と思いましたね。もちろん、当時はそのようなことを考えてプレーしているわけではありませんでしたが。本当にめぐりあわせがすごく良かったのかもしれません」
 
――当時、自分の武器をどのように理解し、それを伸ばすためにどんなトレーニングをしましたか?
 
「ボールコントロールやドリブルにはとても自信を持っていたので、それは自分の武器だと認識していました。また、心がけていたのは、とにかくボールにたくさん触ること。特別な練習を行うことはありませんでしたが、同じ練習をするにしても、意識が違ったというか、常に考えながらプレーするようにはしていましたね」
 
 
【後編】サッカーで後ろ向きな気持ちになった時こそ、前向きな気持ちに切り替えるのが大事>>
 
 
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兵藤 慎剛//
ひょうどう・しんごう
1985年7月29日生。長崎県出身。横浜Fマリノス所属。 長崎県の国見高校では2年時にレギュラーに定着し、全日本ユース選手権制覇、3年時にはインターハイ、高校選手権を制覇し、高校サッカー部の三大タイトル全てを手中に収めた。卒業後は早稲田大学に進学し、2005年にはユニバーシアード日本代表としてイズミル大会に出場、日本代表の金メダルを獲得。横浜Fマリノス加入後は運動量と球際の強さを武器に攻守両面で貢献する。2年連続全試合出場を達成して負傷の少ないことも特徴の一つで、チームに欠かせない存在へと成長した。
 
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取材・文/石井宏美 写真/田川秀之

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