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最近の子どもたちは疲れている!? 元気にサッカーするために知っておきたい、疲労回復効果を上げる「正しい入浴と睡眠」の知識

公開:2021年2月 4日 更新:2021年2月 5日

キーワード:お風呂免疫力アップ入浴疲労回復睡眠

あなたのお子さん、疲れていませんか? 毎日しっかり疲労回復できていますか?

子どもは元気なもの、学校やサッカーで疲れても一晩眠ればシャキッと元気に起きてくるもの。と思っている親御さんも多いかもしれません。

ですが、学校にサッカーに、ほかの習い事や友達との遊ぶ時間など何かと忙しい現代の子どもたち。睡眠時間はしっかりとっているつもりでも、じつは良質な睡眠がとれていなくてしっかり疲労回復していない可能性も。

疲れを回復させ良質な睡眠をとるために入浴は欠かせませんが、毎日の習慣とはいえ正しく入浴ができていない人も多いようです。

入浴は疲労回復はもちろん免疫力アップにも効果があります。良質な睡眠につなげ、疲労を回復するための入浴について日本健康開発財団の温泉医科学研究所所長で東京都市大学人間科学部教授の医師・博士の早坂信哉さんにお話しを聞きました。
(取材・文:前田陽子)

 

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入浴は疲労回復効果があります(写真は2017年夏のサカイクキャンプより)

 

■入浴は疲労回復に効く! 血流が良くなることで免疫力アップにも

サッカーをはじめ、スポーツをする人たちの疲労は筋肉系の損傷が要因のことが多いと思います。筋肉痛の原因は疲労物質がたまることと、筋肉が細かく断裂して筋肉に傷がつくことで、いずれの場合も「入浴によって改善が促進される」と早坂さんは言います。

疲労回復には必要なのは、正しい入浴と質のいい睡眠です。早坂さんはどちらかだけでは効果が減ってしまうので、セットで考えるのが良いと教えてくれました。

湯船につかり身体を温めることで血管が拡げられ、血流が良くなります。血流が良くなることで疲労回復のために必要な酸素や栄養分を運んだり、いらなくなった老廃物を除去したりしてくれるのだそうです。

血流を良くするために一番簡単な方法が入浴なのです。さらに血流が良くなると、免疫力もアップすると早坂さんは言います。骨髄などで作られた免疫細胞は、体内をパトロールしリンパ節で働き、免疫細胞も血液の流れで移動するので、血流が良くなることは免疫力アップにとても大事なポイントなのだと教えてくれました。

また、入浴によって唾液の中のIgAというウィルスをやっつける抗体が増えるという研究もあるのだそうです。浴室で湯気を吸うことによって鼻の中の線毛細胞の動きも活発になるのだとか。線毛細胞は異物を外に出すも働きをするので、ウィルスが侵入する入口に近い部分を強化できるというのは風邪などの予防に重要ということなのだそう。

入浴のタイミングは、寝る1時間30分から2時間前がおすすめだそうです。睡眠に入るためには「体温を上げて、下げる」必要があり、それにかかる時間から逆算すると、1時間30分から2時間前という事になるのだとか。

良い睡眠をとるために、ぜひ入浴のタイミングも意識してみてほしいものです。

 

■良質な睡眠のためには室内温度も大事

子どもたちを良質な睡眠にいざなうために大事なのは「まずは家を静かにすること。親がテレビを見ているのに子どもに寝なさいと言っても寝ないですよね」と早坂さん。

家全体が寝るモードになることが必要で、そのためには、テレビや電気を消して静かに過ごすことが大事だとアドバイスをいただきました。

さらに、室温を暑すぎず、寒すぎない温度を保つことも良質な睡眠のために重要なのだとか。

「室温は18℃が目安です。冷えた空気を吸うと眠りは浅くなってしまうので、いくら布団の中が温かくてもダメ。寝ている間に冷たい空気に触れると交感神経が刺激されてしまい眠りが浅くなると考えられます。寒いと睡眠の質が悪くなるので、ヒーターなどを使って室温を18℃以上にキープしましょう」

また、眠りに入るためには、入浴によって温まった体温が下がることが必要ですので、電気毛布などを使うのも良くないのだそうです。電気毛布を使用すると体温が下がりにくくなってしまうからなのだそう。

寒くて寝付けないので布団を温めたいなら、湯たんぽを使うのがおすすめだと早坂さんは言います。湯たんぽは自然に冷えていくので入眠の妨げにならないためなのだそうです。足が冷たいからと靴下を履いて寝る方もいらっしゃると思いますが、布団に入るときには脱いだ方が良いそうです。手の平や足裏から放熱することで、体温が下がっていくことで入眠するので、履いたままだと足先から熱が放出されず、良質な睡眠がとれないためです。

足元が冷たいのが気になる方は、湯たんぽなどでふとんの表面を温めて、靴下を脱いでふとんに入りましょう。

 

<疲労回復のポイント>
・入浴と睡眠のセットで疲労は回復する
・入浴は寝る1時間30分から2時間前に
・寝室の温度は18℃以上を朝までキープ

 

後編では、正しい入浴時間やサッカー少年たちにおすすめの入浴剤の効果などをお送りします。

 

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早坂信哉(はやさか・しんや)
東京都市大学教授/ 博士(医学)、温泉療法専門医
大学医学部卒業後、1998年より自治医科大学大学院医学研究科にて入浴に関する調査研究を開始。現在は東京都市大学人間科学部教授 東京都市大学大学院総合理工学研究科教授、総合研究所子ども家庭福祉研究センター長を務める傍ら企業等との協働や講演活動も行っている。テレビ、雑誌など各種メディア出演も多数。

著書に「たった1℃が体を変える ほんとうに健康になる入浴法」(KADOKAWA)、入浴検定 公式テキスト お風呂の「正しい入り方」(日本入浴協会)、「最高の入浴法~お風呂研究20年、3万人を調査した医師が考案」(大和書房)がある。

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取材・文:前田陽子

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