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健康と食育

「こんな日程、気候で連続して試合をするなんて馬鹿げている」U-17セルビア代表監督の強い疑問

2015年7月21日

昨日20日(月)、新潟で行われた育成年代の国際大会にて、選手2名が熱中症を発症し救急搬送される事態が起こりました。今回はユース(高校生)年代を対象とした大会でしたが、熱中症は身体の小さなジュニア(小学生)年代のカテゴリでサッカーをするあなたのお子さんにも起こり得ることです。
 
「熱中症になるから、水分をしっかり摂りなさい」
「休憩中は日陰にいるように」
 
お父さんお母さんが子どもの外出前に、このような声掛けをすることはもちろん大切です。しかし、今回の件は選手が自己管理をしっかりと行うことで防げたでしょうか? 大会日程やレギュレーションを決めるのは子どもたちではありません。周囲の大人です。梅雨が明けいよいよ本格的な夏が到来した今、子どもたちにサッカーをプレーする場を提供している私たち大人ひとりひとりが考えるべきことがあるのではないでしょうか。(取材・文・写真 川端暁彦)
 
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■セルビアU-17代表監督が抱いた強い疑問

7月18日から20日にかけて、『国際ユースサッカーin新潟』が新潟県内各地で開催されました。今年で19回目を迎える伝統ある大会に参加したのは日本、セルビア、メキシコの各U-17代表と地元U-17新潟県選抜。その4チームが総当たり方式で対戦しました。
 
3日間で3連戦。試合は45分ハーフで行われ、第1試合のキックオフ時間は14時10分。さらに大会登録人数は18人のため、ターンオーバー方式で選手を入れ替えることもできないため、非常に過酷な大会と言えます。U-17セルビア代表を率いるイヴァン・トミッチ監督は第2戦を終えた時点で、こうした大会のありように強い疑問を呈していました。
 
「こんな日程、こんな気候の下で連続して試合をするなんて、まったく人間的ではない。馬鹿げているよ。選手は時差ボケを抱えているし、こういう気候でやったこともないんだ。今日もハーフタイムに二人が嘔吐してしまった。負傷している選手も二人いるから、交代も満足にできなくなっているし、明日の試合に誰を出せばいいのか……」
 
監督の懸念は残念ながら翌日の試合で的中してしまいました。14時10分に始まった日本戦。セルビアの選手たちの動きは重かったですが、それでも勇敢に戦いました。前日、トミッチ監督は「こんな日程でも最後まで戦ってくれた彼らのプロフェッショナリズムを誇りに思う」と語っていましたが、この日もそうした姿勢は健在でした。
 
ただ、ヨーロッパの選手たちにとって、日本の高温多湿の気候は未知の領域にあるもの。この3日間の気温は「日本の夏」という感覚で言うならそこまで極端に高温でもなかったわけですが(つまり、もっと酷い気温にもなり得た)、彼らの体に大きなダメージが蓄積していたのでしょう。前半終了間際、左サイドバックのフラフラとマルコ・チュブリロ選手が転倒。そのまま動かなくなってしまいました。
 
熱中症です。脱水による体温上昇を主原因として血流が低下し、臓器の働きが低下していくことで起こる諸症状です。この試合は、選手たちの健康を懸念したトミッチ監督の強い要請により前半だけで2度の飲水タイムが設けられていましたが、ここまでの連戦や慣れない気候の影響もあってうまく水分を吸収できなくなっていたのかもしれません。チュリブロ選手に加えて、右サイドバックのニコラ・ペヨヴィッチ選手もハーフタイムに異状を訴え、二人が救急搬送される事態となってしまいました。
 
次ページ:熱中症は、子どもの自己管理のみで防げるものではない
 

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