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健康と食育

どう休んだらいいの?疲れがとれてケガを防ぐ「休みかた」のコツ

2015年3月24日

キーワード:ベネクスリラックス休息疲労回復

米大リーグ・マリナーズでトレーナーを務め、WBC日本代表の帯同トレーナーとしてサムライジャパンの世界一に貢献した森本貴義トレーナーに「休むことの効果とその必要性」を伺う連載の第二弾は休息の具体的な方法や効果的な休み方について、さらに深くお聞きしました。(取材・文/大塚一樹 写真/サカイク編集部)
 
サボっているほど良い選手?その驚きの理由とは>>
 

■練習のしすぎ? どう休んだらいい?

サカイクが行ったアンケートによると子どもたちがサッカーをプレーする頻度は週に4日から5日が最も多く、70%以上のお父さんお母さんが子どもたちの疲れを実感しているそうです。
 
「同じ競技だけをそれだけやっていたら疲労も負荷も蓄積されますよね。練習の回数を減らすことが必要だと思いますが、それができない場合は練習の方法や休息の仕方を考えてみましょう」
 
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森本トレーナーは、サッカーをしない日や練習の後により“深く休む”ことが大切だと言います。とくにボールを蹴って、走り続けるサッカーでは足に負担がかかります。森本トレーナーによれば、持久力を求められるサッカーの動きでは心肺機能にも負担がかかるため、筋肉の疲労だけでなく、全身に血液を送る“第2の心臓”と呼ばれるふくらはぎのケアが大切になるといいます。「足をケアするためには血流を良くする機能を備えたウェアを着るという方法もあります。いまは様々な機能を持ったウェアやグッズがあるのでこうしたものをうまく取り入れて、疲れすぎている子どもたちの回復に努めることも必要でしょう」
 

■自律神経のコントロールでより深い休息を

物理的な休息も大切ですが、より質の高い休息を考えるときに重要になるのが自律神経です。「人間は自律神経によって心身のバランスを保っています。活動的に過ごしているとき、つまり練習しているとき、サッカーのプレーをしているときは交感神経が働いて、リラックスしているときは副交感神経が働くのです」交感神経と副交感神経を理解するとより深く休む方法や、練習や試合で良いパフォーマンスを発揮するヒントも得られます。耳馴染みのない言葉かもしれませんが、難しく考えず自分の生活に置き換えて考えれば実感できるのではないでしょうか。「一流の選手はオンオフの切り替えが上手と言われますが、メンタル的な意味合いだけでなく、交感神経が優位な状態から、サッと副交感神経が優位なリラックス状態に切り替えられる選手はしっかりと休息が取れ、次の日のパフォーマンスにも良い影響を与えることができます」
 
ではどうやって自律神経をコントロールしたらいいのでしょう?
 
森本トレーナーは「呼吸にヒントがある」と言います。
 
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「たとえばウォーミングアップのとき、元気のない子どもがいたとします。まだトレーニングに入る準備ができていない、つまり交感神経がうまく働いていない状態です。こういうときは、呼吸を早くさせて、血量をアップさせて身体の熱量を上げます。こうすることで交感神経を優位にしてあげることができます」逆にリラックスしたいときは腹式呼吸でゆっくり呼吸をさせてあげる。こうすることで、副交感神経が優位に働き、質の良い休息がとれるというわけです。古くから言われている深呼吸をして気持ちを落ち着けるという方法は実は理に適っている面もあるわけですね。
 

■リラックスして睡眠をとる重要性

森本トレーナーは、こうしたリラックスの具体的な方法を使って休息を十分にとることがパフォーマンスアップに直結すると言います。
「さらに重要なのが睡眠です。お父さんお母さんも睡眠の重要性は実感されていると思いますが、自律神経が乱れていると不眠や身体の不調、うつ病になるケースも珍しくありません。遠征、連戦続きのメジャーリーガーたちも睡眠の重要性はよくわかっていて、それぞれが眠りに対してこだわりを持っています。寝具へのこだわりもそうですが、自律神経に働きかける作用を持つ素材やウェアの研究も進んでいて、こうしたものを利用する選手も多くいます。生活のリズムや睡眠時間を十分とることが基本ですが、その上でこうした休息の補助になるものを併用することでより深い休息が得られるのはトレーナーとして実感しています」
 
同じ時間睡眠をとるにしても、いかに深く休み、質の良い睡眠をとることができるか?その答えは睡眠のサイクルにあります。就寝時には身体に休息をもたらすレム睡眠とノンレム睡眠が順番にやってくるため、ノンレム睡眠をしっかり取ることが重要になります。「休みの日にいつもより長く寝たのに朝起きると頭がボーっとすることはありませんか?反対に短い時間でもスッキリと起きられることがあるのではないでしょうか? 大切なのは睡眠の長さより深さ、睡眠の質やサイクルによるのです」
 
そこで大切になるのが、リラックス状態で眠りにつくこと。子どもは走り回っていても疲れればバタンキューなんてイメージがあるかもしれませんが、眠る前に呼吸を整え、リラックスできる服装に着替え、睡眠の質を高める事準備をしっかりして副交感神経優位なリラックスした状態で睡眠をとることが大切です。
 

■勇気を持って休もう!

「身体の動き、動作を変えて内面やパフォーマンスにアプローチするのが私たちトレーナーの仕事です」
森本さんは最近日本で盛んに議論されている“メンタル”の問題や、子どもたちのやる気やプレーの上達も身体と一体で考えるべきだと言います。大人が子どもに休むことの罪悪感を植え付け、オーバートレーニングによって効率の悪い練習方法を押しつけるような環境では、子どもたちの成長を望めないどころか阻害しているとさえ言えます。
 
「サッカー、野球、どんなスポーツでも自主的に楽しむものであって欲しい」
 
森本さんは子どもたちに「やらされるのではなく楽しいからやる。運動って楽しい身体を動かすって気持ちいいという感覚を大切にして欲しい」と言います。「ミスをしたときに課せられる罰走のせいで大人になっても走ることが嫌いな人って結構いますよね? ランニングを楽しんでいる人もいる。これは大人がトラウマになるような教え方をした結果なんです」
 
強要されて厳しいトレーニングをこなした選手はケガをして思うようにプレーができなくなり、その競技自体を嫌いになってバーンアウトして(燃え尽きて)しまうケースも珍しくありません。森本さんは幼少期のオーバートレーニングは、短期的に結果が出たとしても、将来を考えれば結局大きなタイムロスにつながると指摘します。
 
子どもたちを見ていて「がんばりすぎている」「ちょっと疲れているかな?」「楽しそうじゃないな」と感じたら、勇気を持って「休む」ことを受け入れてあげること。遠回りなようで実はもっともロスの少ない、成長、上達への近道なのです。
 
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森本貴義
(シアトル・マリナーズ アシスタント・トレーナー)
米大リーグ・マリナーズでトレーナーを務め、WBC日本代表の帯同トレーナーとしてサムライジャパンの世界一に貢献。イチロー選手をはじめ、世界のトップアスリートの身体を診てきた森本トレーナーは、子どもたちにこそ休息が必要だと話す。

第2の心臓といわれる”ふくらはぎ”を締め付けずにリラックス。
「ベネクス ジュニアレッグリカバリー」
 
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取材・文/大塚一樹 写真/サカイク編集部

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