健康と食育

2011年2月 2日

【第10回】Let's ショクイク!-『水分補給に適した飲み物とは?』

■試合前、試合中は糖質が高めのスポーツドリンクを

熱中症対策には、水を飲むのと同時に梅干しを食べればいい......。そんな豆知識を耳にしたことはありませんか? 一口に水分補給といっても、ただ水をがぶ飲みすればいいのかというとそうではありません。前回に引き続き、鎌倉女子大学の田地先生にお話しを伺いました。

「汗をかくことで水分とともに身体から塩分(電解質)とミネラルも失われていきます。だから、目の前に水しかない場合は仕方ないですが、水分補給では水だけでなく、塩分やミネラルも同時に摂る方が望ましいのです。塩分が足りないと神経の伝達がうまくいかなくなり、足をつってしまったり、けいれんしてしまったりすることもあります。また、吸収スピードを促進させるためには適度な糖質も必要です」。

水+梅干しは、きちんと理にかなった昔ながらの知恵だったのです。しかし、水と塩分は適切な濃度で摂取されないとあまり意味がないのだそう。どちらかが多すぎても少なすぎてもバランスが崩れてしまうからです。それを最も絶妙な濃度で作った飲み物がいわゆるスポーツドリンクなんだとか。

「0.2%程度の食塩(電解質)と3?7%程度の糖質を含んだ飲み物が水分補給にはふさわしいのですが、スポーツドリンクはまさにこれにあたります。パーセンテージで言うと分かりにくいと思うかもしれませんが、ここで役立つのがどの飲料にも付いている成分表です。糖質はつまり炭水化物なので、100ml中に炭水化物7gと書いてあれば、7%の糖質が含まれていることになります」

実際に市販のスポーツドリンクのラベルを見てみると、そのほとんどが3?7%の炭水化物を含んでいることが分かります。ただ、近年のダイエットブームの影響で、カロリーオフのスポーツドリンクが増え全体的に糖質の割合が低くなる傾向にあるのだとか。しかし、比較的糖質濃度が高い6?7%のものがオススメなのだと先生は言います。

「糖質は体内でそのままエネルギー源になり、選手のスタミナを支えます。だから、試合前、試合中は特に糖質が高めのスポーツドリンクを飲むといいでしょう。特に少年サッカーの選手の場合は、低カロリー系はオススメしません。エネルギーはむしろ足りないくらいなのでたくさん摂った方がいいでしょう」

1  2

関連記事

関連記事一覧へ