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筋トレは何歳から? 日本と海外の子どもの発育、環境に違いはあるの? 皆本晃×片山堅仁対談3

公開:2015年10月21日 更新:2021年1月27日

キーワード:アルゼンチンスペインフィジカルブラジル体幹海外留学筋トレ

フットサル選手として2年間をスペインで過ごしたフットサル日本代表・皆本晃選手(府中アスレティックFC)と、高校卒業後にアルゼンチンやブラジルにサッカー留学していた元フットサル日本代表候補の片山賢仁さん(元シュライカー大阪)。海外サッカー留学を経験するふたりに海外と日本の子どもの違い、自身が子どものころに海外に出てみて、どのような衝撃を受けたかを語ってもらう対談企画を5月に配信しました。
 
今回は、そのときに出た話のなかで、テーマから反れてしまい掲載できなかった番外編もお送りします。(取材・構成 澤山大輔)
 
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Photo by Humphreys
 
▼皆本晃×片山堅仁対談・前回記事はこちら
<<なぜ、海外の子どもたちは8歳で自立できるのか?
<<おれならできる!その"自信"は子どもを成長させる起爆剤
 

■日本の子どもがスペインの子と比べて身体的に劣っている印象は受けない

――スペインの子どもと日本の子どもでは、運動能力に差を感じましたか? たとえば日本では、文部科学省の調査で「昭和60年ごろからずっと運動能力が落ちている」という統計があるようです。スペインでは、そういうことはあったりしますか?
  
片山 ぼくはフィジカルコーチの通訳をしていたのですが、スペインでは1週間をしっかり分けてどれくらいの強度で練習を組むか数値で出しています。練習時間を合算して、これくらいオーバーするとこの日はそれ以上トレーニングを行ってはいけない、この日ならそれくらいの負荷がかかってもOK、というように。日本にもそうやって計算しているコーチが一部にはいると思いますが、スペインは育成年代のどのカテゴリーでも計算しています。
  
――限られた一部の子どもたちだけでなく、広く一般的にそういった環境でサッカーをしているということですか?
  
片山 そうです。多くの育成年代のチームにフィジカルコーチがついています。すごく緻密に計算してやっているんですよね。スペインも、昔に比べると遊ぶスペースが限られてきていて、地方によっては野原を駆け回るようなことが少ないケースもあります。それでも、日本に比べれば遊ぶスペースは与えられている。
  
皆本 パッと見ですけど、ぼくは日本の子どもが向こうの子と比べて身体的に劣ってるような印象は受けませんでした。スペイン人の子と日本人の子を並べて見比べたわけじゃないので、なんとも言えないですが、そこまで差があるとは思いません。ただ、スペイン人は、子どものころから踊るのがうまいです。
  
片山 海外はみんな踊りがうまいですよね。日本は踊る文化がないですからね。
  
皆本 公園などでクラブで流れているような曲がかかると子どももステップを踏んでいるんですよ。「子どもの頃からこんなに踊れるんだ」とカルチャーショックを受けました。ぼくは全然踊れないので。スペインで夜に出かけたりしても、ステップワークがついていけないんです。それがピッチの上でどれだけ影響しているのかはわからないですけど。公園でその辺の子どもたちを見て、「何して遊ぶのかな」って思ったら、お母さんから借りた携帯でYou Tubeを開いて曲を流して踊っててるんですよね。そういう文化が向こうにはあります。
 

■砂場やダンスで体幹を鍛えている?

――それは関係あるかもしれないですね。以前にフィジカルコンタクトの強いあるJリーガーに取材した時も、「特別なトレーニングは何もやっていない」と言うんですよね。よくよく聞いたら、小さいころは野山を駆け回っていたと。知り合いのトレーナーからは「野原を駆け回ることで体幹がいろんな方向に鍛えられるし、股関節の柔軟性もそこで鍛えられる」と聞いたことがあります。踊りにせよ何にせよ、小さなころからいろんな方向に負荷をかけるということが大事なのかもしれません。
 
片山 なるほど。そういった点でいえば、ブラジルでは、どこのクラブに行っても砂場があるんですよ。ビーチでもみんなボールを持ってビーチサッカーをやっています。しかもめちゃくちゃうまい(笑)。小さいころから身体を動かす環境は、充実していると思います。
  
スペインのエスパニョールというチームに所属する13歳か14歳くらいの子で、すでに大人のようなフィジカルをした黒人選手がいました。それこそお尻なんてボラ(ペスカドーラ町田所属のフットサル選手)みたいにガッシリしていた。瞬発力も半端じゃなくて、簡単に相手を抜いてしまう。当時は、「反則だな、これはDNAの違いだな」と思いました。
 
けど、当時のコーチは「彼はフィジカルで追いつかれた時にすぐに抜かされるよ」と言っていました。「ずっとスターでいるには、彼自身が気付かなきゃいけないし、コーチや周りの大人たちが気づかせてあげなきゃいけない」と。
   
――仰るとおりで、子どもの時期に突出したフィジカルを持った選手の課題はそこですよね。
  
片山 成長のスピードはホントに速いです。ぼくも11歳のときに初めてスペインに渡ってエスパニョールと対戦しました。1年後にまた対戦したのですが、「あれ、別人が出てきたのかな?」と思うくらい彼らの身長が伸びていて。もちろん、ほとんどが同じ子だったんです。とても同年代と試合をしてるとは思えませんでした。
 
次ページ:南米でフィジカルコンタクトは磨かれる
 

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