親子でチャレンジ

2010年12月16日

【後編】イタリアに学ぶ! サッカー選手の身体の動かし方

■チャレンジ04 変則2対1

ルール
スタートの合図で、Aはでんぐり返しを3回、Bはコーンの間をドリブルで進みます。Cはボールを手で持ってラダーを走り抜け、ゴールにシュート。Dはラダーを飛んでゴールにつきます。それぞれが最初のミッションをこなしたところで、2対1+ゴールキーパーの状況が完成。BとCはAをかわして、ゴールを狙います。

解説
「この練習はステップ4の『自分の体とボールと相手と味方』のトレーニングで、要素が複合的になります。守備のフィールドプレイヤーはA一人なので、素早くでんぐり返しをして態勢を整えないと、BとCに攻めこまれてしまいます。逆にBとCは早くミッションをこなせば、Aが来る前にシュートに持ち込むことができます。また、ボール保持者のBは自分の態勢やスピード、相手と味方の状況から判断して、『一人でゴールまで向かうべきか?それとも味方Cを待ち2vs1の状況を作った方がいいか?』などという考える余地が生まれます。これが『オープンスキル』です。このように、イタリアでは複合的な要素が鍛えられる練習が多く行われています」(井田氏)

いろいろな要素を複合的に
トレーニングしていく「イタリア式」にチャレンジ!

「チャレンジ1~4は、コーディネーションのステップ1~4に対応しているので、練習の目的、ポイントを整理して、選手たちにやらせてあげるといいと思います。日本の場合、ステップ1が完璧にできるようになってから、2、3、4と段階を踏んでトレーニングをしていく傾向が強いと思いますが、イタリアの場合はステップ1をやってみて、完璧にできなくても、ある程度できたら2、3、4と、次の段階に進んでいきます。そうすることで、新たな課題がみつかっていく。そして、『ステップ2ができていないから、ステップ1に戻ろう』というような形でステップ1、2、3、4を循環し繰り返すことで精度を上げていきます。日本はひとつのことができるようになってから、次のステップに進む『積み重ね式』。イタリアはいろいろな要素を複合的にトレーニングしていく『循環式』です。日本式にもいい部分はあると思いますが、サッカーの技術や戦術を習得する場合は、それぞれを循環させて、繰り返し行うことでより実戦に近いトレーニングになるのではないかと思います」(井田氏)

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