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13歳までに身につけたいディフェンスの戦術講座

動画で解説!ディフェンスにおける良い「マークのポジショニング」とは?

公開:2016年12月20日 更新:2020年3月24日

キーワード:ディフェンスバルセロナ個人戦術守備知のサッカー

今年の夏に行われた「ジュニアサッカーワールドチャレンジ2016」。FCバルセロナが2年ぶりに優勝を果たし、攻守に完成度の高いサッカーが話題になりました。はたして、彼らの何がすごかったのでしょうか? 今回、この大会を放送したスカパー!さんにもご協力いただき、試合映像を使ってそのプレーを分析しました。
 
日本の選手・指導者が、彼らから学ぶべきことはあるのでしょうか? 『知のサッカー』でおなじみ、サッカーサービスのアルベルトコーチが行った「ディフェンス」にフォーカスを当てた分析をお届けします。(文:鈴木智之、映像協力:スカパー!)
 
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■ディフェンスの個人戦術(1)

「相手選手とゴールの間にポジションをとる」

日本の熱心な指導者のみなさん、こんにちは。サッカーサービスのアルベルトです。今回はジュニアサッカーワールドチャレンジの分析を、U13年代に必要な「ディフェンスの個人戦術」にフォーカスして、紹介していきたいと思います。まずは、以下のシーンについて、バルセロナのセンターバックの動きに注目して見てみてください。
 
 
相手がボールを持って攻めてくるとき、もっとも優先して守るべきはなんでしょうか? 我々は「ゴール」だと考えています。サッカーはゴールを決め、ゴールを守るスポーツです。それゆえに、ディフェンス時のチーム共通の考え方として「ゴールを守るためにどうすればいいか」を頭に入れておくよう、U13年代の選手に指導をしています。
 
では、ゴールを守るためにはどうすればいいでしょうか? 答えは最初のコンセプトである「相手選手とゴールの間にポジションをとること」です。ワールドチャレンジの試合を分析したところ、日本の選手もこのコンセプトを実行してはいましたが、ポジショニングが悪く、ゴール前にスペースを作ってしまう場面が見受けられました。
 
動画にあるバルセロナの20番のセンターバックは、このコンセプトを実行しながら、うまく背後の危険なスペースを消しながらディフェンスしていることが分かります。
 
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■ディフェンスの個人戦術(2)

「ボールが自分たちのゴールに近づけば近づくほど、相手選手との距離を詰める」

ボール保持者とゴールの間に立って守っていても、相手の攻撃が強力な場合、ゴール前にボールを運ばれることがあります。このときに、ディフェンス側の選手が実行すべきこと。それが次のコンセプトです。
 
なぜ、ボールが自分たちのゴールに近づけば近づくほど、相手選手との距離を詰めなければいけないのでしょうか? それは、相手選手がゴールに近ければ近いほど、少ないタッチでゴールを決めることができるからです。
 
特にペナルティエリア内では、少しでも時間とスペースを与えてしまうと、シュートを打たれてしまいます。そのため、ディフェンス側の選手は「手を伸ばせば相手に触れる距離」で、ディフェンスを行うことが大切です。相手にプレッシャーをかけ、自由にプレーさせないことを常に頭に入れてプレーすることが求められます。
 
そして、マークする選手との距離感は、ボール保持者がパスを出せる状況か、そうでないかによって変わります。
 
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バルセロナのセンターバック20番と5番の選手は、ボールの位置によって、マークすべき相手のフォワード34番の選手との距離を変えていました。
 
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そして、相手のボール保持者が中へ切れ込んできた時、パスを受ける可能性があった相手10番の選手との距離を詰めました。
 
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ボール保持者が中に切れ込む前の距離感でディフェンスをしていたら、相手10番の選手にコントロールオリエンタード(方向を付けたコントロール)でシュートまで持っていかれたでしょう。
 
このようにFCバルセロナの選手達は、多くの局面でその状況に適した判断のもと、プレーを行っていました。そして、個人の判断がチームとして共有されていたからこそ、組織としても強固なものになっていたと言えます。
 
今回は(1)「相手選手とゴールの間にポジションをとる」。(2)「ボールが自分たちのゴールに近づけば近づくほど、相手選手との距離を詰める」について説明しました。これは、U13年代で身につけておきたいディフェンスの個人戦術です。
 
これらのコンセプトを、どのようなトレーニングで身につけていけば良いかについては、我々が監修した『知のサッカーDVD』などを参考にして頂けると、より理解しやすいのではないかと思います。
 
次回はワールドチャレンジを題材に、ディフェンスの個人戦術(3)「相手選手の進行を妨げるために、腕と体を使う」(4)「味方選手と味方選手の間にできるスペース(ギャップ)を埋める」について、説明したいと思います。<第2回に続く>
 
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サッカーサービス社/
スペイン・バルセロナを拠点に世界各国の主要リーグの選手、チームなどに対して、コンサルティングを行う育成のプロ集団。フランスの名門パリ・サンジェルマンのアカデミーもサッカーサービスが提唱する指導メソッド「エコノメソッド」を採用している。
 
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